テオクリュメノス(古希: Θεοκλ?μενο?, Theoklymenos, 英: Theoclymenus)は、ギリシア神話の人物である。主に、
ポリュペイデースの子
プローテウスの子
の2人が知られている。以下に説明する。 このテオクリュメノスは、予言者ポリュペイデースの子で[1]、ハルモニデーと兄弟[2]。預言者メラムプースの子孫にあたる優れた予言者で、父オデュッセウスの情報を求めてピュロス王ネストールとスパルタ王メネラーオスを訪ねていたテーレマコスと出会い、イタケー島を訪れて、オデュッセウスの一族に関して多くの予言をした。 『オデュッセイア』によると、テオクリュメノスは一族の人間を殺したため、報復を避けるためにアルゴスから逃れ、諸国を放浪しているところだった。彼はピュロスで出航の安全を神々に祈願しているテーレマコスに出会った。そして彼が異国のイタケー出身で、これから帰国の途につくところだと分かると、テーレマコスに同船を求めた。テーレマコスは快く応じた[3]。 イタケーに着き、テーレマコスの母ペーネロペーに多くの求婚者たちが押しかけている事情[注釈 1]を知ったテオクリュメノスは、鳥占い
目次
1 ポリュペイデースの子
1.1 『オデュッセイア』
1.2 系図
2 プローテウスの子
3 脚注
3.1 注釈
3.2 脚注
4 参考文献
ポリュペイデースの子
『オデュッセイア』
オデュッセウスの館では、テオクリュメノスはテーレマコスとペーネロペーからもてなしを受けた。またテーレマコスが旅先で得た父の情報をペーネロペーに語っている最中に口をはさみ、船上で得た鳥の前兆によって、すでにオデュッセウスはイタケーに帰還し、求婚者たちを滅ぼさんとしていると予言した。事実は全くその通りなのだが、ペーネロペーはにわかに信じることが出来なかった[5]。
さらにペーネロペーの新しい夫を決める弓競技の前日、テオクリュメノスは求婚者たちの不吉な運命を見た。テオクリュメノスは求婚者たちが闇に覆われて、涙を流しており、あたり一面は血で赤く染まり、エレボスを目指して急ぐ亡霊たちであふれかえっていた。しかし求婚者たちは相手にしなかったので、テオクリュメノスは彼らに不吉な運命を予言し、自らペイライオスの館に去った[6]。
翌日、求婚者たちは弓競技において誰1人としてオデュッセウスの弓を引くことが出来ず、やがて姿を現したオデュッセウスとテーレマコスたちによって、予言通り全て殺された。
系図 ペリメーレー
リューシッペー ビアース ペーロー イーピアナッサ メラムプース
ペリアース アナクシビアー