ツンドラネネツ語
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ツンドラネネツ語

話される国
ロシア
民族ネネツ族
話者数ネネツ族の95%(1989年)
言語系統ウラル語族

サモエード語派

(core)

Enets?Nenets

ネネツ語

ツンドラネネツ語





表記体系キリル文字
言語コード
ISO 639-3?
Glottologtund1255[1]
 

注意: この表にはユニコードで記述されたIPA発音記号が含まれているかもしれません。

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ツンドラネネツ語(ツンドラネネツご、Tundra Nenets language)はロシア北部のカニン半島からエニセイ川にかけての地域でネネツ人によって話されるウラル語族サモエード諸語に属す言語である[2]森林ネネツ語とともにネネツ語の方言とされることもあるが、両者の相互理解可能性は低い。広範囲で話されているにもかかわらず、ツンドラネネツ語は、いくつかの方言変種を除けばかなり均一である[3]

話者は全世代にわたって保たれており、子供にも受け継がれている。しかし、西部では、子供や若者のロシア語コミ語などへの言語交替が進行しているところもある[3]
音韻論

ツンドラネネツ語の音節構造は一般にCVC(C=子音、V=母音)であり、2つ以上の子音からなる子音群は、最初、中間、最後のどの音節にも認められない。語はふつうは母音から始まることはない。ただし西部の方言では/?/を失ったことで母音から始まる場合があり、標準的なツンドラネネツ語における?arka ('big') は arkaとなる[4]
母音

ツンドラネネツ語の母音の音素数は10であるが、口蓋化(母音、子音ともでよく起こる)によって17の異音を持つ[5]。母音の前舌性は文節的には弁別されない。

短母音は下図のとおり。太字で音素を表記、下部の左に口蓋化音を右に非口蓋化音を、IPAで記す。

平唇円唇
長/i/
[(?)i?], [??]/u/
[(?)??], [u?]
短/i/
[(?)i], [?]/u/
[(?)?], [u]
Tense/e/
[(?)e?], [??]/o/
[(?)??], [o?]
Lax/°/
[?]
Tense/a/
[(?)a?], [??]
Lax/o/
[(?)?], [?]

また、⟨a⟩という母音もあり、[a?e?]あるいは[a?]と交換可能である。この母音と狭母音は語頭音節のみに現れる。
母音減少

ツンドラネネツ語(および姉妹語の森林ネネツ語)の文献の多くでは、いわるゆ「減母音」について言及されている。この減母音は、強勢部にあるか非強勢部にあるかで、2つの異なる質のものに区別される。強勢部では⟨o⟩と表記され、潜在する母音の減少異形を表し、非強勢音節では⟨a⟩と表記され、/a/の減少異形を表す。しかし、最近、減母音は実は短母音であり、それぞれ長母音と対になっていることがわかった。今日、⟨a⟩は単に⟨a⟩に置き換えられ、⟨o⟩は短母音として表される。(ただし正字法の中では短母音とは明記されない。)[6]
子音

ツンドラネネツ語の子音音素数は27である[7]。すべての両唇および頂舌音は非口蓋化音と口蓋化音をもつ。

両唇舌頂軟口蓋声門
非口蓋化口蓋化非口蓋化口蓋化
mm?nn??
破裂無声pp?tt?k?
有声bb?dd?
破擦無声tsts?
摩擦無声ss?x
接近半母音jw
側面接近ll?
ふるえrr?

ふるえ音[r]は話者によっては口蓋垂音[?]または口蓋垂摩擦音[?]になる。 すべての子音は語内の母音間で現われるが、他の場所では非常に限定的にしか現れない[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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