チンゲンサイ
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「チンゲンサイ」のその他の用法については「チンゲンサイ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

チンゲンサイ
タイサイ
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:バラ類 Rosids
:アブラナ目 Brassicales
:アブラナ科 Brassicaceae
:アブラナ属 Brassica
:ラパ B. rapa
変種:タイサイ var. chinensis

学名
Brassica rapa L. var. chinensis (L.) Kitam.[1]
シノニム


Brassica rapa L. subsp. chinensis (L.) Hanelt[2]

和名
タイサイ[1]
英名
Qing geng cai
Green pak choi

チンゲンサイ(Cabbage, chinese (pak-choi))100 gあたりの栄養価
エネルギー55 kJ (13 kcal)

炭水化物2.18 g
糖類1.18 g
食物繊維1 g

脂肪0.2 g
飽和脂肪酸0.027 g
一価不飽和0.015 g
多価不飽和0.096 g

タンパク質1.5 g

ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテンルテイン
ゼアキサンチン(28%) 223 μg(25%)2681 μg40 μg
チアミン (B1)(3%) 0.04 mg
リボフラビン (B2)(6%) 0.07 mg
ナイアシン (B3)(3%) 0.5 mg
パントテン酸 (B5)(2%) 0.088 mg
ビタミンB6(15%) 0.194 mg
葉酸 (B9)(17%) 66 μg
ビタミンB12(0%) 0 μg
コリン(1%) 6.4 mg
ビタミンC(54%) 45 mg
ビタミンD(0%) 0 IU
ビタミンE(1%) 0.09 mg
ビタミンK(43%) 45.5 μg

ミネラル
ナトリウム(4%) 65 mg
カリウム(5%) 252 mg
カルシウム(11%) 105 mg
マグネシウム(5%) 19 mg
リン(5%) 37 mg
鉄分(6%) 0.8 mg
亜鉛(2%) 0.19 mg
マンガン(8%) 0.159 mg
セレン(1%) 0.5 μg

他の成分
水分95.32 g


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

チンゲンサイ(100g中)の主な脂肪酸の種類[3]項目分量(g)
脂肪0.2
飽和脂肪酸0.027
16:0(パルミチン酸)0.024
一価不飽和脂肪酸0.015
18:1(オレイン酸)0.015
多価不飽和脂肪酸0.096
18:2(リノール酸)0.042
18:3(α-リノレン酸)0.055

チンゲンサイ(青梗菜[4]、チンゴンツァイ[5]学名:Brassica rapa var. chinensis)は、アブラナ科アブラナ属青菜系の野菜で、中華料理の代表的な野菜の一つ。
名称
日本語

本来の和名はタイサイ(体菜)である。タイサイの中で特に白軸の部分はパクチョイ(白菜)とも呼称されている[6]。チンゲンサイが日本へ入ってきたのは日中国交回復(1972年)以降である[7]

本稿のチンゲンサイは中国由来で、そのまま日本の漢字に転写すると青梗菜となり、または青梗白菜という[5]

日本では軸が緑色のものは「青軸パクチョイ・青梗パクチョイ・チンゲンツァイ」などと呼んでいたが、農林水産省により名称が統一され、葉柄が緑のものを「チンゲンサイ」、葉柄が白のものを単に「パクチョイ」と呼ぶようになった[8]。チンゲンサイの漢字表記は「青梗菜」で梗はしんの堅い茎のことをいう [9]
中国語

中国語では法律により規定された名前を持たず、チンゲンサイの漢字表記はいまでも統一されていない。常用のものとしては青菜・上海白菜・蘇州青・青江菜・油白菜・小白菜などがある。

中国ではハクサイのなかまの一種とされるが、葉軸が薄い緑色をしているので、軸が白いものは「白菜」(パクチョイ)と呼び、中国では一般的に使われている[10]。なお、同じ「白菜」という漢字で書く「しろ菜(しろな)」は山東菜の別名であり、同じアブラナ科でも別の植物である[11]
英語

英語では Qing geng cai と書かれる[4]

英語圏においては「白菜」の広東語方言発音から「パクチョイ」(Pak choy)という呼称が確立していた。中国では一般に「小白菜」(シャオバイツァイ)と呼ばれ、中国東北部では「油菜」(ヨウツァイ)と呼ばれている[12]
歴史

中国野菜の中でも日本で身近な野菜の1つとなっている。

原産地は中国華中地方[4]日本に最も広まった中国野菜の1つで[4]、日本には日中国交回復後の1972年以降に入ってきたと言われる。日本では千葉県の柏市で先駆けて栽培された。経緯としては柏市の老舗中華料理店の知味斎が種を日本に持ち込み、地元農家の西川氏らと栽培法を確立した[13]。近年長さ15センチメートル程度に品種改良された小型品種「ミニチンゲンサイ」も、葉1枚丸ごと料理に入れられる利便さから人気がある[4]
特徴

アブラナ科のハクサイのなかまで、軸の下の方が厚みがあってしっかりしているのが特徴[4]。結球することはなく、帯緑色で肉厚の葉柄がきつく重なり合って、葉先のほうは開いている[5]。草丈は25cm前後になり、葉は濃緑色で光沢があり近円形である[8]

中国では、ハクサイのなかまを大別して、中国北方でつくられる「大白菜」(結球・半結球する)と、南方でつくられる「小白菜」(小型で結球しない)に分けられ、チンゲンサイは「小白菜」の一種とされる[10][5]。中国には各地に分化した品種があり周年で栽培されている[8]

生育期間が40日から50日と短いうえ、気温の変化に比較的強いことから、日本国内では静岡県長野県埼玉県などの主産地におけるハウス栽培の活用により、1年中市場に出回っている[7]

家庭でも栽培でき、露地栽培やプランター栽培が適している。
栽培

春から秋まで栽培することができる野菜で、ハウス栽培では一年中栽培されているが、露地ものは一般に初秋に種をまいて晩秋から収穫が行われる[14][15]。種をまいたら間引きながら大きく育て、株ごと収穫する[15]。栽培適温は15 - 22℃、発芽適温は15 - 25℃ほどで[16]、乾燥を嫌う性質であるが[14]、病気や暑さには比較的強いほうで[16]、特に夏場は水切れを起こさないように管理する必要がある[15]。一般的なチンゲンサイでは種まきから収穫まで40 - 50日を要するが、小型のミニチンゲンサイでは種まきから20 - 30日で収穫を迎えられる[16]。ミニチンゲンサイは中型以上のプランター(コンテナ)栽培にも向いている[15]。寒冷地を除き、春と秋に種まきをして、一般地であれば夏から冬まで収穫可能であるが、春まきの場合では「とう」[注 1]が立ちやすい[6][16]連作障害があり、同じ畑では栽培するには、同じアブラナ科野菜を1 - 2年は育てていない必要がある[14][16]

土壌はpH6.0 - 6.5が適切だが、乾燥土壌だと生育が悪くなるため、堆肥をたくさん入れて腐植質を高めた土壌に、高さ10センチメートル (cm) ほどの畝をつくる[18]。点まきの場合は株間5 - 15 cmをとり、1箇所に4 - 5粒ずつチンゲンサイの種をまく[18]。畝にすじまきする場合は、約1 cm間隔で種をまく[5]。種まきから1週間で発芽してきたら本葉が揃うまでの間は、間引きしながら育てていく[注 2]。発芽が揃ったら3 cm間隔で1度目の間引き、本葉が2 - 3枚のときに6 cm間隔、5 - 6枚になったら株間を10 - 15 cmに空けるように間引きを行い、様子を見て土寄せや追肥を行う[16]。点まきしたものは、3回に分けて、最終的に1か所に1本になるように間引きする[18]。育苗する場合は、ポットで苗を育成して、夏場の雑草予防にマルチングした畝に約20 cm間隔で定植する[6]。追肥はおよそ2週間ごとに行い、株のまわりに鶏糞やぼかし肥を与えていく[15]。1アール (100平方メートル)で196キログラム (kg) ほど収穫することができる[19]

収穫は大きさを見て行い、チンゲンサイの草丈が20 - 25 cm(ミニチンゲンサイは10 - 15 cm)ぐらい、株元の直径が4 - 6 cmほどになったら収穫適期となる[20]


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