血中でチロキシンを運搬するタンパク質である「チロキシン結合グロブリン」とは異なります。
TG
識別子
記号
遺伝子の位置 (ヒト)
染色体8番染色体 (ヒト)[1]
バンドデータ無し開始点132,866,958 bp[1]
終点133,134,903 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
染色体15番染色体 (マウス)[2]
バンドデータ無し開始点66,542,602 bp[2]
終点66,722,570 bp[2]
RNA発現パターン
⇒さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能? ⇒ホルモン活性
細胞の構成要素? ⇒細胞外領域
? ⇒細胞外空間
生物学的プロセス? ⇒thyroid hormone metabolic process
? ⇒甲状腺発生
? ⇒regulation of myelination
? ⇒iodide transport
? ⇒シグナル伝達
? ⇒ホルモン生合成プロセス
? ⇒regulation of signaling receptor activity
出典: ⇒Amigo / QuickGO
オルソログ
種ヒトマウス
Entrez
7038
21819
Ensembl
⇒ENSMUSG00000053469
UniProt
⇒O08710
RefSeq
(mRNA)
NM_003235
NM_009375
RefSeq
(タンパク質)
NP_003226
NP_033401
場所
(UCSC)Chr 8: 132.87 ? 133.13 MbChr 8: 66.54 ? 66.72 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
チログロブリン[5]またはサイログロブリン(Thyroglobulin、Tg)は、甲状腺の濾胞細胞(英語版)で産生される660kDaの二量体糖タンパク質であり、全て甲状腺中で使用される。Tgは甲状腺濾胞の細胞外コンパートメントに1リットルあたり数百グラム分泌・蓄積され、甲状腺のタンパク質量の約半分を占める[6]。ヒトTG(hTG)は、合成時には2768アミノ酸を含むサブユニットのホモ二量体である(成熟タンパク質ではN末端から19アミノ酸の短いシグナルペプチドが取り除かれる)[7]。
チログロブリンは、全ての脊椎動物において、甲状腺ホルモンの主要な前駆体である。甲状腺ホルモンは、チログロブリンのチロシン残基がヨウ素と結合し、その後タンパク質が切断される事によって生成される。各チログロブリン分子には約100?120個のチロシン残基があるが、濾胞コロイド内でチロペルオキシダーゼによるヨウ素化を受けるのは、その内の僅か20個である。従って、1つのTg分子は約10個の甲状腺ホルモン分子を形成する[6]。
機能甲状腺ホルモンの合成:チログロブリンが粗面小胞体で生成されてから、タンパク質分解によって甲状腺ホルモンが放出されるまでの過程。
チログロブリン(Tg)は、甲状腺ホルモンであるチロキシン(T4)とトリヨードチロニン(T3)を合成する際の基質となり、不活性型の甲状腺ホルモンとヨウ素を甲状腺濾胞の濾胞内腔に貯蔵している[8]。
新たに合成された甲状腺ホルモン(T3とT4)はチログロブリンに結合しており、濾胞内のコロイドを構成する。甲状腺刺激ホルモン(TSH)の刺激を受けると、コロイドは甲状腺濾胞の内腔から周囲の甲状腺濾胞上皮細胞にエンドサイトーシスされる。その後、コロイドはプロテアーゼによって切断され、チログロブリンからT3とT4が分離する[9]。
活性型の甲状腺ホルモンであるT3とT4は血中に放出され、一部は血漿タンパク質に結合した状態になり、チログロブリンは濾胞内腔に戻され、引き続き甲状腺ホルモン合成の基質としての役割を果たす事になる[10]。 チログロブリンの代謝は、甲状腺でのタンパク質のリサイクルを介して肝臓で行われる。循環しているチログロブリンの半減期は65時間である。甲状腺切除後、チログロブリン濃度が検出されなくなるまでには、何週間も掛かる事がある。チログロブリン濃度は、甲状腺を摘出した後、数週間から数ヶ月間は定期的に検査すべきであろう[11]。 甲状腺乳頭癌または濾胞癌の患者では、その後も引き続き検査すべきである。その後のチログロブリン濃度の上昇は、甲状腺乳頭癌または濾胞癌の再発の徴候である[11]。その為、血中チログロブリン濃度は、主に一部の甲状腺癌(特に甲状腺乳頭癌や濾胞癌)の腫瘍マーカーとして用いられる[12][11]。髄様甲状腺癌や未分化甲状腺癌では、チログロブリンは生成されない。 チログロブリンの濃度は、簡単な血液検査で調べる事が出来る。甲状腺癌の治療後に検査が行われる事が多い[11]。 臨床検査室でのチログロブリン検査は、抗チログロブリン抗体(ATA)(別名:TgAb)の存在によって複雑になる事がある。抗チログロブリン抗体は、正常な人では10人に1人、甲状腺癌の患者ではそれ以上の割合で存在する。これらの抗体が存在すると、報告されたチログロブリンのレベルが誤って低くなる(稀に誤って高くなる)事があるが、この問題はATAの存在を同時に検査する事である程度回避出来る。ATAが検出された場合に、臨床医が取るべき理想的な戦略は、(1回の検査室での測定ではなく)定量的な測定の継続的実施である。 ATAは、橋本病やバセドウ病の患者によく見られる。甲状腺機能が正常な場合でもATAは存在し得るので、これらの病気の診断にはあまり役に立たない。また、橋本病に関連した神経内分泌疾患である橋本脳症の患者にもATAが見られるが、これは橋本病が原因ではない[13]。 チログロブリンは、免疫グロブリン結合タンパク質(BiP)と相互作用する事が示されている[14][15]。
臨床的意義
半減期と臨床的上昇
抗チログロブリン抗体
相互作用
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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