チリ地震
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南米の地震分布図(M5.5以上、1900-2016年)
円周が太線のものがM8以上の巨大地震で、円の紫色の濃淡が震源の深度を表す。緑の等高線がプレート境界面の深さ。上図の半分(南緯20度)より南のものがいわゆるチリ地震で、北半分のものがペルー・エクアドル・コロンビア地震と呼ばれる。

チリ地震(チリじしん)は、南アメリカ大陸チリ共和国および近海にて発生した個々の地震の通称であり、それらの総称でもある[1]

チリの位置する南アメリカ大陸の太平洋岸は環太平洋造山帯の一部であり、海溝ペルー・チリ海溝)、造山帯アンデス山脈)などの地殻活動が活発であり、地震や火山活動の多い地域である。ここではアンデス山脈の中部以南の太平洋岸に位置するチリ、および地勢上連続しているアンデス山脈東部のアルゼンチン西部山岳部、ボリビアアルティプラーノも含めた地域における地震活動について記述する。これらの地域における地震の発生メカニズムはナスカプレート南米プレートが年間約7cmの速さで衝突し収束型境界となり、ナスカプレートが南米プレート下へ潜り込む沈み込み帯となっている。地震はプレートの衝突、沈み込みにより蓄積された歪の解放によるものであり、コロンビアエクアドルペルーにおける地震と共通している。

また震央が海上の場合を特にチリ沖地震と区別する例も見られるが、こういった慣例も厳密には運用されておらず、1960年に発生し日本にも大きな津波被害を及ぼした地震は、バルディビア近海で発生したM9.5の巨大地震で震央は沖合であったが、一般的にチリ地震と呼ばれている[1](この地震について本項では以下、「バルディビア地震」と表記する)。これはチリの地震に限ったことではなく、他の南米や中米各国における地震の場合でも○○地震と○○沖地震は厳密に運用されていない。「チリ沖地震」も参照
南米太平洋岸の地殻活動.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}各地のテクトニックプレート太平洋プレートナスカプレート南米プレートナスカプレート・南米プレート間の相互作用
矢印の数値(年間移動距離ミリメートル)

重い海洋プレートであるナスカプレートは、年間約7cmの速さで南米プレート(大陸プレート)へ衝突し、その下へ潜り込み、歪を蓄積させ続けている。衝突面では南米プレートを巻き込みペルー・チリ海溝を形成し、大陸部分では陸地を隆起させアンデス山脈を形作っている。 その結果、地質構造は褶曲・断層・火山などが形成され、ボリビアの周辺では高原台地を形成している。

南北に7000Kmを超える南アメリカ大陸は、南米プレートの西側に形成されている。南米プレートの東端は大西洋中央海嶺でプレートが誕生しており年間約25mm東西に広がっている[2]。南米プレートの西端では主にナスカプレートの潜り込みが起きておりペルー・チリ海溝およびアンデス山脈を形作っている。ナスカプレートは西から若干北よりの東へ向けて南米プレートへ向かい潜り込んでいる。衝突の速さは北部で65mm/年、南部で80mm/年で大きな差は無いが沈み込み帯の影響による地殻変動は複雑であり、火山活動、地殻変形、地震など大半の地殻活動が大陸の西側、コロンビア西部、エクアドルペルー西部、チリで起きている[3]。また南米大陸の太平洋岸の南端では南極プレートが潜り込んでいる。

南米大陸の太平洋岸は、環太平洋造山帯の一部で地球上で造山運動や火山活動が活発な地域であるが、エクアドルからチリにかけては特に地殻活動が活発な地域で巨大地震が繰り返し発生している[4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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