チョロQ
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この項目では、おもちゃについて説明しています。ゲームソフトについては「チョロQ (ゲーム)」をご覧ください。
チョロQのロゴ

チョロQ(チョロキュー)は、タカラトミー(旧・タカラ)製のミニカーの一種。3 - 4cm四方程度の大きさで、主にぜんまいばねで駆動する。名前の由来はチョロチョロ走るキュート(綴りは cute だが、語調 ([kju?t]) からQに引っ掛け)な車から来ている。
概要

プラスチック製の寸詰まりにデフォルメされた自動車玩具として発売された。動力部には当時の新素材であるエンジニアリングプラスチックを利用し、小型軽量で特筆すべきダッシュ力を発揮する。また車体後部のプレート部分に10円玉を差し込むことで後輪に重心がかかりウイリー走行ができる[1](ただし、シャーシの後端を路面に当てて走るので、長くウイリー走行を繰り返すとシャーシの後端が削れるため要注意)。

前身となる「豆ダッシュ」開発時は、ミニカーは自動車玩具の定番として人気を博しており、タカラもミニカーのシリーズ開発に乗り出し、他社製品との差別化のために動力を搭載することとなった[2]。当時は動力を搭載したミニカーは少なく、あっても電動式モーター内蔵であったため、小さな車体で且つ低年齢の子供でも遊びやすいようにとの配慮[2]、および省エネルギーを考慮して[3]、ゼンマイ動力が考案された。

またデフォルメされた車体は、1970年代前半に Dave Dealによって考案されたバグ・トイの影響を受けたと考えられ[4]、当時の自動車雑誌の読者投稿イラストでの車の絵が、現実的なものよりも車の特徴をディフォルメしたものが多かったことがヒントになった[2][3]。結果的にディフォルメした寸詰まりの車体とゼンマイ動力という組合せは直進安定性を欠き、従来の考えだと自動車玩具として欠点を孕むこととなったが、タカラは敢えてこれを、後のネーミングのように「チョロチョロ走ってどこへ行くかわからなくて面白い」と特徴として押し出した[2]。前述のウィリー走行も、重りを乗せて直進性を悪くするという考えから生まれたものである[2]。開発時はタカラ社内での評判は芳しくなかったが、街の人々に試作品を見せたところ、高校生グループから大好評を得たことで、全国販売が踏み切られた[3]

価格的には1970年代末当時の児童が購入し易い安価な製品であり、その小ささと走行力で人気を博し、タカラの主力商品シリーズにもなった。1970年代はスーパーカーブームの最中であり、当時の子供たちはラジコン模型自動車に憧れを抱いていたが、当時のラジコンの値段はまだ数万円と高価であり、それに対してチョロQは350円という破格の安価であることも、人気の要因となった[5]。漫画雑誌『コロコロコミック』でチョロQを題材とした漫画『ゼロヨンQ太』が連載されたことも、人気の後押しとなった[5]プルバック式ゼンマイで走る。形態は上手くデフォルメしてあり、丸っこく愛嬌がある。また、改造の余地が大きいことも人気に繋がった。一例として和歌山県田辺市の玩具店である米倉人形店は、以前からロボットやレーシングカーの改造コンテストを行なっていたことから、チョロQの改造を呼びかけてもらったところ大好評を得、これが全国キャンペーンに繋がり、1年間で1000万個を売り上げるほどの大ブームとなった[3]

一時はゲームの人気に押されて低迷したものの、1995年以降、子供時代にチョロQで遊んだ30代、40代のファンやコレクターが人気の担い手となる形で、人気が回復した[5]2000年代に入っても小学生低学年層を中心に人気を博したが、少子化や若年層の自動車への関心低下を受けて、2000年代末期以降はスタンダードを含めた商品展開を大幅に縮小、現在[いつ?]は「チョロQzero」(トミーテック発売)等の一部のシリーズが展開されているのみである。

タカラトミーは、毎年9月9日を9とQ(キュー)の語呂合わせで「チョロQの日」と制定している。
様々な商品展開

自動車をモチーフにしたスタンダードシリーズの他、数多くのシリーズ展開がなされている。また、企業やディズニーキャラクターなど、様々な形のコラボレーションシリーズのチョロQも発売されている。限定物も多く出ており、自動車ディーラーが顧客サービスに新車を模したチョロQを配布したり、全国各地のバス会社が自社路線バスや観光バスを模したものなどいわゆる「ご当地チョロQ」が数多く発売されている。自動車のみならず、バイク、戦闘車両(戦車、装甲車)、鉄道(電車やSLなど)・航空機(YS-11など)・客船、珍しいものでは山車やロボット、怪獣、プロレスラーなどまでチョロQになった。

1980年代のブームの際、独自にカラーリングしたり軽量化を楽しむ児童もおり、『月刊コロコロコミック』などとのコラボレーションによって「レースセット」や「改造セット」などの関連グッズが多数発売された。標準的なチョロQは部品が一部共通化されており、車体(シャーシ含む)が各々に意匠を凝らした形状をしているが、後述するエンジンと呼ばれるぜんまい/変速機のユニット、前輪シャフト、タイヤとホイールは一貫して同サイズのものが使用されており、ネジを一本外すだけで分解して部品交換できる構造から、いわゆる「チューンアップ」を行いやすい。特に競技用に特化されたカスタマブル・スーパーカスタマブルチョロQは分割式のボディに加え、ミニ四駆を思わせるフロントバンパーとガイドローラーを装備している。

また人気の陰でコピー商品も大量に出回った。メーカー不詳の粗悪品や食玩のおまけ、模倣品騒動で知られたコスモス、果ては中堅や大手の玩具メーカーですら「ほぼ同一構造」の小型自動車玩具(通称:モドQ)を発売していた。現在[いつ?]でも、ゲームセンターの景品や100円ショップなどで数多くみられる[要出典]。
沿革

1978年 ブルバック式ゼンマイ本格開発始動。

1980年6月 国際玩具見本市に出品。

1980年9月 『
豆ダッシュ』の商品名でテスト販売。

1980年12月 『チョロQ』の商品名で正式販売。通称『A品番』が発売される。Aセット発売

1981年3月 B/Cセット発売(Aセットと同内容)

1981年6月 Dセット発売

1981年9月 Eセット発売

1981年12月 累計販売台数が1000万台を突破

1982年2月 Fセット発売

1982年5月 Gセット発売。ふぁっしょんチョロQ、コンバットチョロQ、メロディチョロQ、はこのりチョロQ、えとっ子チョロQ、テクノチョロQカーボーイ、シルエットチョロQもこの時期に販売。

1982年9月 Hセット発売

1982年10月 Iセット発売

1983年1月 Jセット発売

1983年1月 Kセット発売。ウェッジシェイプチョロQ、チョロ獣、Qボート、ビッグチョロQ、アイディアチョロQ、プレーンチョロQ、チョロCON、ハデハデチョロQ、すえっ子チョロQ、チョロQダグラムもこの時期に販売。

1983年7月 Lセット発売

1983年10月 Mセット発売

1984年1月 Nセット発売

1984年4月 Oセット発売

1984年6月 Pセット発売

1984年9月 Qセット発売。タイヤが大きくモデルチェンジ。側面に『Q&Q』の文字が刻印された。サーキットチョロQF-1、GTチョロQオープンカー、GTチョロQラリーカー、チョロバイシリーズ、ワンプッシュチョロQ、カプセルチョロQカプセル100、ビッグフットチョロQもこの時期に販売。

1980年代半ば頃 第一次チョロQブーム

1987年6月 HGチョロQ 発売(これまでの成形色からリアル感を追求した塗装、マーキングを施した仕様に変更)

1989年9月 チョロQ生誕10周年

1994年9月 チョロQ生誕15周年

1999年4月 HGチョロQ リニューアル(当初48種類から始まり、2004年3月には99種類にまで増加)

1999年9月 チョロQ生誕20周年(このあたりから企業等とタイアップした商品が発売される第二次チョロQブーム)

2004年9月 チョロQ生誕25周年

2007年4月 スタンダードチョロQ 再リニューアル(99種類から60種類へ減少。エンジンの仕様変更に伴いボディタイプに合ったエンジンを搭載。)

2009年1月 29年間続いたスタンダードチョロQなどのシリーズを生産終了。

2009年10月下旬 チョロQ生誕30周年。その記念として約9ヶ月のブランクを経て新シリーズ「チョロQハイブリッド!」を展開開始。

2011年9月 新シリーズとしてチョロQzeroシリーズが発売。発売はタカラトミーではなく、グループ会社のトミーテックとなっている。

2014年9月 チョロQ生誕35周年。「チョロQ」「チョロQ Q-eyes」「チョロQMIX」発売。

2022年8月 「チョロQ (eシリーズ)」発売。

チョロQシリーズ
現在販売中のシリーズ
チョロQ (eシリーズ)
2022年8月に第一弾が発売された新シリーズ。発売元はタカラトミー。従来のスタンダードチョロqとブランド名は同じだが、プルバックの回数で走りが変わる新しい構造になっており「直進」「ランダムターン」「バックスピン」の走りが可能。更に個人的なプログラミング走行も可能で、3つの走行パターンを順番に最大5回まで登録させておける。また、「チョロQハイブリッド!」のように別売りのコントローラーを使用すると、チョロQをラジコンのように操縦可能。zeroと同じく値段は1500円前後と、従来の価格からは大幅に高くなっている。
チョロQzero


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