チャールズ・F・アダムズ級
ミサイル駆逐艦
基本情報
艦種ミサイル駆逐艦
命名基準海軍功労者。
一番艦はチャールズ・フランシス・アダムズ海軍長官に因む。
運用者 アメリカ海軍
建造期間1958年 - 1964年
就役期間1960年 - 1993年
1991年 - 2004年
建造数23隻
前級フォレスト・シャーマン級 (DD)
ジャイアット (DDG)
準同型艦パース級
リュッチェンス級
次級キッド級
要目
基準排水量3,277 t
満載排水量4,526 t
全長133.2 m
最大幅14.3 m
吃水6.7 m
ボイラーB&W式ボイラー×4缶
(84kgf/cm2, 510℃)
主機GE式蒸気タービン×2基
(35,000馬力 (26 MW))
推進器スクリュープロペラ×2軸
最大速力32.5ノット
航続距離4,500海里(20ノット時)
乗員士官24名+兵員330名
兵装
54口径127mm単装速射砲×2基
ターター(後にSM-1MR)SAM発射機[注 1]×1基
アスロックSUM8連装発射機×1基
324mm3連装魚雷発射管×2基
C4ISTAR
JPTDS戦術情報処理装置
※一部艦が後日装備
WDS Mk.4→13
FCS
Mk.68 主砲用×1基
※後に一部艦はMk.86へ改装
Mk.74 SAM用×2基
Mk.111/114 水中用×1基
レーダー
AN/SPS-39→52 3次元式×1基
AN/SPS-29 対空捜索用×1基
※後期型はAN/SPS-40
AN/SPS-10 対水上捜索用×1基
ソナーAN/SQS-23 艦首装備式×1基
電子戦・
対抗手段
AN/WLR-1F ESM装置×1基
※後にAN/SLQ-32(V)2へ改装
AN/ULQ-6B ECM装置×1基
Mk.137 6連装デコイ発射機×4基
※後日装備
テンプレートを表示
チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦(英語: Charles F. Adams-class guided missile destroyers) は、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦の艦級[1]。アメリカ海軍がミサイル駆逐艦として建造した初の艦級であるとともに、大戦型艦隊駆逐艦の掉尾を飾る艦級でもあった[2][3]。基本計画番号はSCB-155[4]。
先行する艦隊駆逐艦であるフォレスト・シャーマン級をもとに、新開発の艦隊防空ミサイル・システムであるターター・システムの搭載など、大幅に拡大発展して設計された。1957年度計画から1961年度計画で23隻[5]、またオーストラリア海軍とドイツ連邦海軍向けにさらに3隻ずつの計29隻が建造された。性能の陳腐化に伴い、アメリカ海軍では1993年までに、またその退役艦の貸与を受けたギリシャ海軍など国外においても、2004年までに運用を終了した。 アメリカ海軍は、第二次世界大戦末期より、全く新しい艦隊防空火力として艦対空ミサイルの開発に着手していた。まずテリア、ついでタロスが実用化され、既存の巡洋艦への改修によって装備化された。しかし特にテリアは、より小さい駆逐艦ベースの船体でも十分に収容できることが判明したことから、巡洋艦への改装はそれ以上行われないことになった[6]。かわって、当時計画が進められていた高速艦隊護衛艦(Fast task force escort)にテリアが装備されることになり、1956年度計画のファラガット級が設計変更されて、ミサイル艦として建造されることになった[2]。 しかしこれらも、駆逐艦をベースにしているとはいえ、通常の艦隊駆逐艦より一回り大きいミサイル・フリゲート(DLG)であり、大量建造は困難であった。当時、航空機の発達と冷戦構造の成立に伴う経空脅威の増大が課題となっており、第二次世界大戦中のレイテ沖海戦で日本艦隊に差し向けた航空攻撃をアメリカ艦隊自身が受けた場合、艦隊上空に到達した敵機の75%が直掩機の邀撃をかいくぐって殺到するとのシミュレーション結果が導かれたことからも、多数を占める駆逐艦へのミサイル装備は急務とされた[7]。 このことから、上記のような大型艦の計画と並行して、1951年1月、護衛駆逐艦程度の艦にも搭載できる射程10海里 (19 km)程度の艦対空ミサイルの開発要求が発出された。これに応じて、テリアの開発計画から派生するかたちで開発されたのがターターであり、1955年初頭には開発計画が認可された[8]。同年8月より、このミサイルを搭載する駆逐艦に関する実行可能性研究が着手された。当初はファラガット級の縮小型として検討されていたが、まもなく、1953年度計画より建造されていたフォレスト・シャーマン級をベースとするように方針変更された。これによって建造されたのが本級である[2]。
来歴