児童性的虐待(じどうせいてきぎゃくたい、英語: child sexual abuse、CSA)とは、成人または年長の青年が自身の性的快感のために子供を利用する児童虐待の一つであり[1][2][3]、性的虐待の一つである。他にも児童性虐待、子供に対する性的虐待、児童期性的虐待、性的児童虐待などの訳語がある。
児童性的虐待の形態としては、児童との性行為、わいせつな露出、児童のグルーミング、児童の性的搾取[4][5][6]、実際の児童を用いた児童ポルノの制作などがある[1][7][8]。ユニセフは、児童婚も同様に「少女に対する性的虐待と搾取の最も一般的な形態」に分類している[9]。
児童性的虐待の影響には、うつ病[10]、心的外傷後ストレス障害[11]、不安[12]、複雑性PTSD[13]、成人期においてさらに被害を受ける傾向[14]、そして子供への身体的傷害[15]などがある。家族や親族による性的虐待は近親相姦でもあり、特に親からの近親相姦の場合、より深刻で長期的な精神的外傷をもたらす可能性がある[16]。
ペドフィリアという言葉が児童性的虐待の加害者に使われることもあるが[17]、語義としては思春期前の子供への強い性的嗜好のことである。小児性犯罪者は特にチャイルド・マレスターと呼ばれており、用語としては犯罪分析でよく用いられる。チャイルド・マレスターが複数の子供を性的に虐待している状況をチャイルド・セックス・リング(英語版)(英語: child sex ring)と呼ぶ[18]。
法律の下では、大人が未成年者と性的行為を行ったり、性的満足のために未成年者を搾取したりする刑事および民事犯罪を表す包括的な用語として児童性的虐待が多用される[8][19]。 アメリカのカリフォルニア州では、州法PC11165条において、性的虐待は18歳未満の者に対する性的暴力及び性的搾取だと規定し、その性的暴力の内容として「性交、近親姦、肛門性交、14歳以下の子供に対するわいせつ行為、口腔性交、器物を用いる性器及び肛門の貫通行為、性的愛撫」、性的搾取については「子供がわいせつな行為を行っている模様を描いたものの売買、わいせつな行為を目的とした子供の雇用、商業的な目的で子供に対しわいせつな行為を行わせる行為(写真と映像を含む)」とする。 日本では児童虐待防止法(児童虐待の防止等に関する法律)が2000年5月に可決し、同法第2条で「児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること」として性的虐待を定める。
定義