チベット語
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話される国中華人民共和国、ブータン、インド、ネパール、パキスタン
地域チベット、四川省、雲南省、シッキム、ムスタン、ブータン、カシミール
話者数約615万人
言語系統シナ・チベット語族
チベット・ビルマ語派
チベット語群
チベット語(チベットご)は、ユーラシア大陸の中央、およそ東経77-105度・北緯27-40度付近で使用されているシナ・チベット語族(漢-蔵系)のチベット・ビルマ語派チベット諸語に属する言語。
形態論において孤立語に分類されるが膠着語的な性質ももつ。方言による差はあるが、2種ないし4種の声調をもつが、声調が存在しない方言もある。なお古典チベット語には声調は存在しなかったとされる。チベット高原における約600万人、国外に移住した約15万人のチベット人が母語として使用している。
ラサ方言を含む中央チベット方言、カム・チベット方言、アムド・チベット方言は通常は同一の言語の方言とみなされ、この3方言を総称してチベット語といわれる。特にラサ方言は標準チベット語と呼ばれる。本記事は標準チベット語を中心に記述するが、他方言についても言及する。
チベット語に含まれない周辺のチベット系言語についてはチベット諸語を参照。
文字詳細は「チベット文字」を参照
チベット語に用いられるチベット文字は、表音文字であり、起源はブラーフミー文字である[1]。ラテン文字に転写するにはいくつかの方法があり、統一されていない。
チベット文字はUnicodeにも収録されており、Windows XPやMac OS X上で使用可能である。
30の基字がある。各基字の発音として、ラサ方言の発音を併記する。[2]
第1列第2列第3列第4列 この節では、標準チベット語の基礎となったラサ・チベット語の音韻体系について概説する。 バルティ語やラダック語、 及びアムド・チベット語の一部変種などの[3]音韻的に「古風な (archaic)」[4]チベット系諸言語とは異なり、ラサ・チベット語の音節は比較的単純な構造をしており、語頭の子音連結が見られない[5]。初頭子音をCi、母音をV、末子音をCfとすると、ラサ・チベット語の音節構造は次のように模式化できる[6]。 (Ci) V (?) (Cf) 丸括弧で囲まれているのは随意的な要素である。すなわち、この言語には子音音素を持たない音節も認められる。母音には長短の区別がある。最小の音節は短母音のみから成る[7]。 ??? (dbu) /u/「頭 (敬語)」
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音韻論
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