チドリノキ
雄花序 福島県会津地方 2012年5月
分類
チドリノキ(千鳥の木[2]、学名: Acer carpinifolium)はムクロジ科[注 1]カエデ属の落葉小高木ないし落葉高木。日本固有種で、山地の沢沿いなどに生える。雌雄異種。別名、ヤマシバカエデ。 和名「チドリノキ」は、実に翼があり、その形を千鳥(ちどり)が飛ぶ様子に見立てて名付けられたものである[3][2]。別名で「ヤマシバカエデ」ともよばれる[1]。 日本固有種。本州の岩手県以南、四国および九州に分布し、温帯の山地の沢沿いに生育する[3]。山形県以北の日本海側にはなく、北陸地方には少ない[4]。 落葉広葉樹の小高木[2]から高木で[3]、樹高は8 - 10メートル (m) になる。樹皮は黒赤色、あるいは暗灰色で滑らかである[3][4]。一年枝は、灰褐色や紫褐色をしている[4]。 葉は花がつく枝に1対、花のつかない枝に1 - 5対、対生する[2]。葉身は、長さ8 - 13センチメートル (cm) 、幅2.5 - 5.5 cmの卵状長楕円形で、先端は尾状に鋭くとがり、基部は浅心形から円形になり、葉縁は大小の二重鋸歯になる[3][2]。若葉の表面の葉脈上と裏面全体に伏軟毛があるが、成葉では裏面の葉脈上だけに残る。側脈は平行して18 - 25対あり、カバノキ科のサワシバ 果期は8 - 9月。果実は翼果で、分果の長さは2.5 - 3 cmになり、翼果はほぼ直角から鈍角に開く。 冬芽は長さ5 - 10 mmになる卵形の鱗芽で、先端はとがり、紫紅色をしている[4]。鱗片(芽鱗)は8 - 12対あり、瓦重ね状に並び、基部に毛があって、芽鱗の縁は色が淡い[4]。枝先に仮頂芽を2個、ときに1個つけ、側芽は枝に対生する[4]。葉痕はV字形やU字形で上に毛があり、維管束痕が3個つく[4]。鱗片葉は長さ6 - 7 cmになるへら形で、赤みを帯び、葉が展開した後落ちる。 カバノキ科のサワシバ 材は、装飾用の建築材や器具材、薪炭として利用される[3]。また、庭木として植栽される。
名称
分布と生育環境
特徴
葉の芽だし
雌花序
若い翼果
雄花序
紅葉
利用
下位分類
オオバチドリノキ Acer carpinifolium Siebold et Zucc. f. magnificum Sugim. - 葉が大きく、葉身の長さ20cmになるもの。オオバヤマシバカエデともいう。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 最新の植物分類体系であるAPG体系ではムクロジ科 (Sapindaceae) に分類され、古いクロンキスト体系や新エングラー体系ではカエデ科 (Aceraceae) に含められている[1]。