チタン石(くさび石) titanite
分類ケイ酸塩鉱物(ネソケイ酸塩鉱物)
化学式CaTiSiO5
結晶系単斜晶系
へき開二方向に明瞭
モース硬度5 - 5.5
光沢ダイヤモンド光沢、樹脂光沢
色黄色、緑色、赤色、褐色、灰色
条痕白色
比重3.52 - 3.54
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学
テンプレートを表示
チタン石[1](チタンせき、titanite、チタナイト)またはくさび石[2](くさびいし、sphene、スフェーン)とは、ケイ酸塩鉱物の一種で、組成にチタンを含む(そのことがチタナイトという名前の由来となっている)。「チタナイト」と表記する場合は鉱物として、また「スフェーン」と表記する場合は宝石として扱う場合が多い。 化学組成はCaTiSiO5。他に微量な不純物として鉄、マンガン、クロム、セリウム、イットリウムなどが含まれ、様々な色を発色する。モース硬度は 5 から 5.5 。比重は 3.52 から 3.54 。 主産地はブラジル、マダガスカル。他にオーストリア、スイス、イタリア、ロシア連邦、パキスタン、ミャンマー、中国、カナダ、アメリカ合衆国など。 多色性があり、また透明度の高い石はダイヤモンドよりも輝くといわれる。ただ、モース硬度が 5 から 5.5 と低く、また脆いため、ルースとして扱うには注意を要する。 宝石としてはクロムの影響により黄色や緑色を発色し、透明度の高いものが使われる。上記にあるように扱いにくいが、ダイヤモンド以上に輝くため人気は高い。また大きな結晶は希少性があり、カットされずそのまま収蔵されることが多い。 工業的には二酸化チタンの素材として使われ、塗料や顔料となる。また、放射年代測定のフィッショントラック法で使われることもある。
成分・種類
産出地
性質・特徴
用途
脚注[脚注の使い方]^ 文部省編 『学術用語集 採鉱ヤ金学編』 日本鉱業会
^ 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2。
参考文献
松原聰 『日本の鉱物』 学習研究社〈フィールドベスト図鑑〉、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
国立天文台編 『理科年表 平成20年』 丸善、2007年、ISBN 978-4-621-07902-7。
関連項目
鉱物 - ケイ酸塩鉱物
鉱物の一覧
宝石の一覧
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、チタン石に関するカテゴリがあります。
⇒Titanite (mindat.org) (英語)
⇒Titanite Mineral Data (webmineral.com) (英語)
チタン石(くさび石)