チェーンレンチ
[Wikipedia|▼Menu]

チェーンレンチ(chain pipe wrench)は、チェーントング(Chain Tongs)・鎖パイプレンチとも呼ばれる。主に太いパイプの締め付けやボーリング(鑿泉)のロッド接合等に使用するレンチである。チェーンレンチ(両歯タイプ)
概要

使い方は、チェーンを鋼管に少し緩めに巻き付け、チェーンの両端に出ているピンを本体の溝部に引っ掛ける。レンチ本体を手前に引き気味にして本体頭部の歯部(ジョー)をパイプに引っ掛け気味にチェーンがパイプに巻きつく方向にレンチを回すと歯がパイプに食い込みチェーンが張られパイプを保持したり、回したりする事が出来る。円形状の対象物だけでなく、四角、三角などの変形物も確実につかむ事が出来る。歯は、日本製のチェーンレンチの場合は、片方向に使用する片歯であるが、欧米のタイプは、両方向に回転が可能な二つの歯が反対方向に歯溝を付けているタイプが主である[1][2]。レンチを付け替えずに、締め付け、弛め作業ができる。

日本の主なメーカーは、ヒット(HIT)・スーパーツール(SUPER TOOL)・松阪鉄工所(MCC)等がある。このレンチの最大の欠点は、使う方向によって又はラチェット操作を繰り返している時にチェーンが本体引っ掛け部から外れる場合がある事であった。レンチが外れると重大な事故にも繋がりかねない。対策として各メーカーは、チェーンが容易に引っ掛け部から外れないようにチェーン脱落防止機構を付けている。 ⇒HITが1973年に国内初で開発(実用登録1280053)して取り付け、 ⇒SUPER TOOLが続いて開発、商品化している。

チェーンレンチは、歯がカム形状となっている為、特に小口径の中空丸形状の配管用パイプの締め付け使用時に、過大な締め付けトルクを加えると、管を変形させてしまう事がある。パイプレンチの場合は、フレームにストッパー機能があり管へは一定の上アゴの噛み込みで動きが停止する。チェーンレンチは締め付けトルクと管の強度との力学バランスで噛み込みが停止する。管の接合部付近でチェーンレンチを使用した場合には、継手との管端ネジ部よりの漏れの原因となる事が危惧されるので、継手推奨締め付けトルクでの接合に注意を要する[3]
脚注^初期のチェーンレンチ、タイプT J.H. Williams No. 0 chain wrench
^初期のチェーンレンチ、タイプU J.H. Williams No. 30 "Bijaw" chain pipe wrench
^推奨締付トルク' 配管工事p5

(J..H.Williamsは1884年創業、Snap-onの傘下である。)
参考文献

全国作業工具工業組合『正しい作業工具の使い方』p26

THOMAS DUTTON 『THE HAND TOOLS MANUALl』p100 TSTC Publishing

関連項目

ローラーチェーン

工具

工具メーカーの一覧

外部リンク

1920年登録、USA Pat No.1327309 片歯タイプ


1933年登録、USA Pat No.1933512 両歯タイプ

POPSCI 1948年 March p239パイプレンチを改造したチェーンレンチの原点的使い方

POPSCI 1958年 August StillsonのChain pipe wrench

POPSCI 1965年 October P202 RIDGIDのCHAIN WRENCH広告










工具の種類(一覧
手動

切断

カッターナイフ

ボルトカッタ

ケーブルカッター

ワイヤーカッター

エンビカッタ

パイプカッタ

鉄筋カッター

チェーンカッター

ニッパ

ワイヤーストリッパー

ケーブルストリッパー

VA線ストリッパー

刀子

ナイフ

金切り鋏

切削

タップ

ダイス

ニブラ

パイプねじ切り器

シャーシパンチ

リーマ

締緩

レンチ

めがねレンチ

ソケットレンチ

ラチェットレンチ

ボックスレンチ

パイプレンチ

チェーンレンチ

モンキーレンチ

モーターレンチ


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:24 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef