チェンジャーデッキは、オーディオプレーヤー・レコーダーにおいて、1つのデッキに複数のメディアを収納でき、長時間の再生・録音および、複数のメディアからプログラムを組んでの再生が可能な装置である。 CDを複数枚連装して、長時間の連続演奏や複数枚にわたるプログラム再生が可能である。 もとはカーオーディオでマガジン式が採用されたのが始まりで、後に家庭用オーディオでも採用されるようになった。マガジン式の他にトレイ式・ルーレット式があり、前者は主にカーオーディオ向けで6 - 12連装タイプが、後者2種はホームオーディオ向けで3 - 5連装タイプが、それぞれ主流であった。カーオーディオ向けだとメーカーによってはチェンジャーを複数台取り付けられる場合も多かった。他にもカーオーディオユニット本体にチェンジャープレイヤー機能が付く物や、3枚ほど入るマガジン式、CDを1枚ずつ挿入する方式もある。ルーレット式は演奏中の他のディスクを交換できるのが特徴であったが、後にトレイ式でも演奏中のディスク交換が可能になった。この他、CDの挿入口を2つ搭載することで、簡易的なチェンジャーとして利用できる機種もあった。 一時期はパイオニアから25連装タイプ(これをベースにした100連装仕様もあった)が発売されたり、ソニーから300連装タイプやルーレット5連装タイプが出るなど、CD収納枚数を売りにしたプレーヤーも多数発売し、2000年代に入ると日本ビクター、ソニー、アルパインからはMP3再生対応CDチェンジャーも発売されチェンジャーに入る枚数は従来どおりでありながらMP3ファイル取り扱いにより大量の楽曲を再生可能と謳ったプレーヤーもあった。更にビクターとソニーには同社機種間での接続のみならずFMラジオにも対応したバリエーション(FMモジュレーター付属。ワイヤードリモコンの液晶にて数字とアルファベットのみのID3タグやCDテキスト表示対応)も存在していた。 近年はiPodを筆頭とするデジタルオーディオプレーヤーや、リッピング可能なHDD搭載のカーナビゲーションシステムに押され気味である。また、最近では通常のカーCDプレーヤーやナビゲーションシステム自体もMP3/WMA/AACファイルの再生に対応するものが出てきたことで、チェンジャーの優位性も薄れている。自動車用6連装CDチェンジャー MDを複数枚連装して、長時間の連続演奏・録音や複数枚にわたるプログラム再生が可能である。ディスク交換中は再生・録音とも途切れが発生するが、メモリーに数秒先までの情報をストックできることを利用して、演奏及び録音終了の数秒?数十秒前からディスク交換を開始して、音声の途切れを可能な限り減少させた機種も存在した。 1996年にソニーが発売した「DHC-MD99」で5連装タイプが採用されたのが始まりといわれ、以後ハイエンド - ミドルクラスのミニコンポに3 - 5連装タイプが採用されてきた。ケンウッドやソニーからは、MDチェンジャーをダブルで搭載したコンポも登場した。一方で日本ビクターはラジカセタイプにも採用した。後にカーオーディオにも搭載された。 MDチェンジャーはそれなりの人気を集めてはいたが、2000年にMDLPが採用されると採用機種は減少し、同年にパナソニックが発売した「SC-PM75MD」が最終機種となっている。家庭用はソニーの「CMT-PX7」が唯一のMDLP対応MDチェンジャー搭載機である。カーオーディオも販売はされているが、CDチェンジャーと同じくデジタルオーディオプレーヤーやカーナビゲーションに押され気味である。 レコードを複数枚連装して、長時間演奏を行なうもの。装填したレコードの片面だけを連続再生する。再生はレコード単位であり、1枚のLPレコードの収録曲を任意の順序で再生することは出来ない。 業務用のより高性能な物はジュークボックスと呼ばれる。 欧米のアルバムLPレコードにはレコードチェンジャーによる再生を前提としているものが存在し、2枚組の場合1枚目にA面とC面(またはD面)、2枚目にB面とD面(1枚目がD面の場合はC面)を収録しているものがこれに当たる。 民生用ではカーオーディオ向けのDVDチェンジャーがあるが、業務用に開発されたものが多い。 チェンジャーデッキの普及に大きな役割を果たしたものにカラオケがある。通信カラオケ登場までの間のカラオケ機器にはレーザーディスク (LD)、VHD、ビデオCD、CD-Gなどのビデオディスクが主に使われていて、居酒屋や宴会場、カラオケボックス、一部の観光バスにはこれらのチェンジャーデッキが設置されていた。
CDチェンジャー
MDチェンジャー
レコードチェンジャー
ビデオディスク用チェンジャー
カラオケ機器
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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