チェロ
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「チェロ」のその他の用法については「チェロ (曖昧さ回避)」をご覧ください。


各言語での名称

violoncello, cello
Violoncello
violoncelle
violoncello ( Violoncelli)
大提琴


分類

弦楽器 - ヴァイオリン属
音域
各弦の調弦(実音記譜)
関連楽器


ヴァイオリン属

ヴァイオリン

ヴィオラ

コントラバス


演奏者


チェロ奏者(チェリスト)の一覧

関連項目


チェロ協奏曲

チェロソナタ

チェロは、西洋音楽で使われるヴァイオリン属弦楽器の一種である。ヴィオロンチェロ(イタリア語: violoncello)の略称[1]。弦の数は4本。略号は「Vc」。セロとも表記される。
概要

西洋のクラシック音楽における重要な楽器の一つで、オーケストラによる合奏弦楽四重奏弦楽五重奏ピアノ三重奏といった重奏の中では低音部を受け持つ。また、独奏楽器としても重要であり、多くのチェロ協奏曲(チェロ・コンチェルト)やチェロソナタが書かれている。ポピュラー音楽においては決して一般的ではないが、しばしばポップスやロックの曲中でも用いられる。

ベルリオーズの時代には俊敏性に欠けると言われた歴史があるものの、現在ではヴァイオリンヴィオラでできる芸当は現実的にチェロでも可能と解釈されている[2]
語源

「チェロ」という語はイタリア語の "Violoncello" に由来するが、その由来は若干複雑な派生語によっている。まずヴィオローネは「大きなヴィオラ」("Viola" と接尾辞"one")という意味であり(ちなみにこの「ヴィオラ」とは現在のヴィオラのことではなく単に弦楽器の意である)、"Violoncello" は「小さい『大きな弦楽器』」となる。そして"Violoncello"の語が英語外来語として入った後に "Cello" と略されるようになり、イタリア語で「小さい」を意味する形容詞が独立し「チェロ」という楽器名として定着した。なおオーケストラのスコアでは通常チェロ群はイタリア語での複数形で"Violoncelli"と記述される。
構造チェロの各部の名称。魂柱は内部にある柱であり、およその位置を図示している

チェロは、同じくヴァイオリン属の楽器であるヴァイオリンヴィオラとほぼ同じ構造である(なお、コントラバスヴィオラ・ダ・ガンバ属の影響を強く受けているため、チェロなどの他の3つとは多少異なる)。ただし、低い音を出すために形全体が大きく、特に厚みが増している。また、チェロはその大きさと重さゆえにヴァイオリンやヴィオラのように顎で挟んで保持することが困難なので、エンドピンを床に立てて演奏する。本体の大きさに比べると指板はヴァイオリンなどより若干細めである。ヴァイオリン属では低音楽器になるほど胴体と弦の角度が大きいため、ヴァイオリンに比べるとが高く丈夫に作られている。弓もヴァイオリンなどより太いが、長さは逆に短い。

は現在では金属弦が主であり、低音弦には質量を保ったまま細く仕上げるために、タングステンを使用した弦が使われることがある。バロック奏者においては、ナイロン弦やガット弦が使用されることもあるが、音量やメンテナンス、寿命に難があり使い手を選ぶ。

受け持つ音域からすると本来チェロはもっと大型化すべき楽器であるが、演奏が困難になるため現在のサイズとなっている。弦の長さもこれ以上長くできないので、巻線を使用するなどして低い音を出すようにしている。正しく調弦した状態で4本の弦にかかる張力は、弦の銘柄によって多少は異なるがおおむね同じであり、最も太いC弦も最も細いA弦もほぼ同じ9 - 13kg程度の張力で、楽器全体では40 - 50kgの張力となる。コントラバスやギターのようなウォームギアによる巻き上げ機構は一般的に備えておらず、ヴァイオリンやヴィオラと同じように木製のペグの摩擦だけで弦の張力を支えている。このため、ペグの調整が不完全な状態であると調弦が極めて困難である。

楽器本体は基本的に表板は、スプルースなどの木材で製作され、それ以外はメイプルが使用されることが多い。指板には通常黒檀が使用されるが、真っ黒な黒檀が枯渇して希少となっているので、茶色の黒檀を塗装して使用したり、廉価な楽器では塗装されたメイプルが使用される。ドライカーボン製のチェロもアメリカでは販売されており、独特の音色と音量でユーザーが増えつつある。ドライカーボン製のチェロであっても、駒や魂柱は木製のものを使用する。非売品としてガラスアルミ製のチェロも製作されたこともあるが、日常の演奏に耐え得るものではない。エンドピンには亜鉛合金が使用されることが多いが、最近ではカーボンチタンタングステンなども使用されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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