チェルミス・ロープウェイ切断事件
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チェルミス・ロープウェイ切断事件トレント自治県の地図(カヴァレーゼはトレントの北東40キロメートルに位置する)
日付1998年2月3日 (1998-02-03)
時間現地時間14:13
場所 イタリアカヴァレーゼ
原因航空機がロープを引っ掛けて切断した
死者・負傷者
20人死亡(乗員1人、乗客19人)
容疑者リチャード・J・アシュビー
ジョゼフ・シュワイツァー
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チェルミス・ロープウェイ切断事件(チェルミス・ロープウェイせつだんじけん)は、1998年2月3日イタリアのチェルミス山(英語版)で発生した、アメリカ海兵隊航空機によるロープウェイのケーブル切断事件。

トレントの北東40キロメートルに位置し、スキー・リゾート地として知られる山村カヴァレーゼが事件の舞台となった。ロープウェイのゴンドラに乗っていた20名全員が死亡した。

航空機のパイロットである海兵隊のリチャード・J・アシュビー大尉と、その航法士ジョゼフ・シュワイツァー大尉は軍法会議にかけられた。過失致死の罪については無罪となったものの、機に搭載されていたビデオテープを破棄していたことから司法妨害および将校及び紳士に相応しくない行為について有罪となり海兵隊不名誉除隊となった。

事件および一回目の裁判における無罪評決はイタリア国民の感情を刺激し、アメリカ合衆国とイタリア間の外交問題に発展した[1]
経緯事件を起こしたものと同型機のEA-6Bプラウラー

1998年2月3日の現地時間で14時13分に米海兵隊の第2海兵戦術電子戦飛行隊(英語版)(VMAQ-2)に所属する電子戦機EA-6Bプラウラー(BuNo 163045, 'CY-02', callsign Easy 01)が低高度飛行訓練中に、チェルミス山の山頂と麓を結ぶロープウェイのケーブルに接触した。

機は時速540マイルで260から330フィートの高さを低空飛行していたが、アメリカ国防総省の指針ではこの地域における最低高度は1000フィートであった。地点.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯46度17分01秒 東経11度28分02秒 / 北緯46.283733度 東経11.467237度 / 46.283733; 11.467237において機の右翼がケーブルと接触し、20人の乗員・乗客が乗りこんで山頂から下降していたゴンドラが落下、80メートル下の地面に激突した。乗員・乗客は全員が死亡した。機は翼と尾翼に損傷を負ったものの、所属基地であるアヴィアーノ郊外のアヴィアーノ空軍基地に帰還した[2][3]

米国海軍及び海兵隊所属の軍人の犯罪捜査の管轄権は海軍犯罪捜査局とされているところ、本件の調査には海兵隊が介入し犯罪捜査の権限もなく、犯罪捜査部門を持たない海兵隊が捜査を担当した。なお、本件事件及び米国内で行われた軍法会議の結果、米海兵隊はアヴィアーノ空軍基地から撤退している。
犠牲者

落下したゴンドラには1人の乗員と19人の乗客が乗車していた。乗客は全てヨーロッパ諸国の国民で、ドイツ人が8人、ベルギー人が5人、イタリア人が3人、ポーランド人が2人、オーストリア人オランダ人が1人ずつだった[4]
反応

当時アメリカ合衆国大統領であったビル・クリントンは公式に謝罪するとともに[5]、賠償金の支払いを確約した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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