チェス・プロブレム
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Abu Na'am, Bonus Socius, ca. 840 8

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最古とされているプロブレム(白先3手詰)[注釈 1]

チェス・プロブレム(: chess problem)とはチェス・コンポジション(: chess composition)とも呼ばれ、達成すべき特定の課題を解き手に提示する、チェスのルールに則ったパズルである。
概要

たとえばある局面が与えられ、「白が1手指し、どの応手に対しても次の手で黒のキングをメイトせよ」という解答条件が示される。チェス・プロブレムを創作する人を作局家 composer と言う。チェス・プロブレムには多数の専門用語がある(下記の「用語」の項を参照のこと)。以下、項目名を除き、単にプロブレムと記す。

プロブレムと対比できるものとして、チェスコラムや雑誌によく掲載されている戦術的パズルがある。これは与えられた局面から最善の指し手(通常はメイトあるいは駒得に至る)を見つけさせる問題である。戦術的パズルは、実際の対局から採られたもの、もしくは少なくとも対局で生じる可能性のある局面であり、棋力向上目的で用いられる。

他方プロブレムは、実際の対局では見られないような非常に「人工的」な局面と解を持つように創作された局面であり、棋力向上の効果よりも審美性が重視される。プロブレムの構成条件については、大いに議論の分かれるところである。しかし現実に、チェス雑誌のプロブレムのセクション、プロブレム専門誌、プロブレムを集めた書籍など、出版されたプロブレムでは、ほとんどの場合に以下の共通の特徴を持っている。
局面が作り物である(composed)。すなわち、局面は実際の試合から採られたものではなく、問題を示すために創作されたものである。通常は「ルールに従った手順で生じえる局面でなくてはならない」という縛りはあるが、実戦で生じる局面ではないのが普通である。

特定の解答条件(stipulation)を持つ。たとえば、指定した手数で黒のキングをメイトする、など。

特定のテーマ(theme、単数または複数)を持つ。プロブレムは一般にあるテーマを表現するために創作される。

効率(economy)を重視する。つまり、テーマの表現と完全作であるために必要最小限の駒しか使ってはならない。

美的な価値(aesthetic value)がある(後述)。

現在知られている最古のプロブレムは 840年頃に発表されたものである(冒頭の図参照)。ただ、このプロブレムは詰将棋的にチェックをかけ続けるものであった。現在のようなプロブレムの萌芽は13世紀に見られていたが、1845年に Henry A. Loveday が Chess Player's Chronicle に発表した構想作以降、作家たちは新たな構想作を捜し求めるようになり、多数の作品が作成されるようになった。
美的な価値

プロブレムは単に問題を解くだけではなく、芸術作品として鑑賞できなくてはならない。この点は特定のテーマをもっとも効率よく表現するという特徴と不可分である。ただしプロブレムの美醜を区別する公式の基準はない。判断基準は人によるし、また時代によっても変化するためである。現代においては、美しいプロブレムの重要な要素として一般的に以下の条件が認められている。

プロブレムの局面は合法でなくてはならない。つまり、初形から合法手を続けて生じる局面であることが必要。そのための手順が実戦的な意味での大悪手を含んでいても、作品のキズとは見なされない。

プロブレムの初手(key move あるいは キーと呼ばれる)は唯一でなくてはならない。解答条件を満たす初手が複数あるものは「別解がある(cooked)」と言われ、不完全作として専門雑誌等には掲載されないはずである。例外は、テーマ上関連のある複数のキーを意図して作られたプロブレムである。この種のプロブレムは特にヘルプメイトに多い。

直接メイト問題においては、理想的にはどの黒の応手に対しても白の指し手は1つでなくてはならない。最初の手(キー)以外で白の指し手に選択肢があるものはデュアルと呼ばれる。キーが複数ある場合とは違って、デュアルはそのプロブレムに他の面で魅力が大きければ許容されることも多い。

解は手あたり次第の読みによって出てくるものではなく、なんらかのテーマに沿って説明できるものでなくてはならない。よく用いられるテーマには独特の名称がついている(一部は用語の項に挙げた)。

解の初手(キー)は自明なものであってはならない。たとえばチェック、駒取り、直接メイトにおいて黒キングの動きを狭める手などは悪いキーとされる。黒キングの逃げ道のひとつをふさぐ手でも、逃げ道の総数を減らさないキーは認められる。また、黒からのチェックを防ぐキーも特に嫌われる。一般的に言って、実戦における得な手から遠いほど、意外性のあるよいキーということになる。

問題図にはポーンの昇格によって生じた駒があってはならない。

盤上の駒は例外なく、作意解を成立させるためか、別解を排除するために役立っていなくてはならない。解答者の注意をそらすための余分な駒(飾り駒)を加えてはならない(まれに、それがテーマに貢献している場合は認められることがある)。またそのテーマがより少ない駒数で表現できるのなら、そうすべきである。

プロブレムは手の効率を見せなくてはならない。テーマは実現可能な最短手数で見せることが望ましい。この点は、詰将棋や
詰碁とは異なるところである。詰将棋や詰碁の趣向作では、テーマを最大限に繰り返して長手数作品に仕上げることがよく行われるからである。

主な種類

プロブレムにはさまざまな種類がある。

直接メイト(directmate) - 白が初手を指し、黒がどのように応じても指定された手数以内で黒のキングが詰まされる(稀に黒が初手になるものもある)。さらに以下に分類される。

2手問題 - 白が1手指し、黒がどのように応じても次の手で黒のキングが詰まされる。

3手問題 - 白が1手指し、黒がどのように応じても次の手またはその次の手で黒のキングが詰まされる。

n手問題 - 白が1手指し、黒がどのように応じても指定された手数以内で黒のキングが詰まされる。


ヘルプメイト - 黒が初手を指し、黒白が協力して黒のキングを(最短で)詰ませる

セルフメイト - 白が初手を指し、黒の意思にかかわらず黒が白のキングを詰ませる

リフレクスメイト - セルフメイトに、白黒双方とも次の1手でチェックメイトできる手があれば、その手を指さなければならないという条件を付加したもの。この条件を黒のみに適用したものは準リフレクスメイトと呼ぶ。

連続系 - 一方が連続して手を指すもの。いずれの場合も、相手キングへは最終手を除いてチェックをかけてはならない。

連続メイト - 白が連続して何手か指し、黒のキングを詰ます形式

連続ヘルプメイト - 黒が連続して何手か指し、白が1手指して黒のキングを詰ます形式のヘルプメイト

連続セルフメイト - 白が連続して何手か指し、黒が1手(強制手)指して白のキングを詰ます形式のヘルプメイト

連続リフレクスメイト - 白が連続して何手か指し、黒が1手指して白のキングを詰ます形式のリフレクスメイト

以上、直接メイト以外のものはすべて、通常と異なるルールを用いているという点でフェアリーチェスの一種である。

加えて、「白が勝つ(または引き分ける)手順を求めよ」という解答条件を持つスタディがある。ほとんどすべてのスタディはエンドゲームの局面である。スタディも創作物であるため、広義のプロブレムの一種とされるが、スタディの解答条件には手数制限がないため、通常はプロブレムとは別物とされる。しかし、特にプロブレムでもn手詰にはスタディの特徴を持つものもある。したがって、プロブレムとスタディの間に明確な一線を引くことはできない。

どの種類のプロブレムでも、キャスリングは、レトログレード解析(後述)によりキングとキャスリング相手のルークのうち少なくとも一方が動いたことがあることが証明されない限り可能である。一方で、アンパッサンは、直前の手がアンパッサンで取られるポーンのダブルステップ(2枡前進)であることを証明しない限り不可能である。

上記の分類に従わないプロブレムも何種類かある。たとえば、ナイトツアーエイト・クイーン問題のように数学的性質を持つパズルがある。それから、通常のプロブレムと特に関連の深いものとして次の2種類がある。これらについては専門の雑誌、書籍、賞が存在する。

レトログレード解析 - 指定された局面に至る手順を求めること。プロブレムとしてはある局面を提示し、たとえば「白の最終手は?」「c1にあったビショップはどう移動したか?」などと問う直接的なものもあれば、通常のプロブレム(直接メイトなど)の局面が、アンパッサンが可能か、キャスリングが可能かなどを判断する必要がある局面であるという間接的なものもある。レトログレード解析が主目的であるようなプロブレムは単にレトロと呼ばれることもある。レトロプロブレムの一種で非常に重要なものとして次のものがある。

最短プルーフゲーム - 解答者はチェスの初形から与えられた局面までのゲーム手順を答える。その局面を実現するにあたって白黒双方が協力するが、指し手はすべて合法手でなければならない。通常は与えられた局面に到達するまでの手数が決まっているが、与えられた局面を最少手数で実現する手順を求めよという場合もある。


Construction task - ある条件を満たすゲームあるいは局面を作れという問題で、問題図はない。たとえばサム・ロイドの出題(Le Sphinx誌、1886年)に「黒が4手で白をメイトする手順を求めよ」がある。解答は 1. f3 e5 2. Kf2 h5 3. Kg3 h4+ 4. Kg4 d5# である。ほかにはたとえば「連続した開き王手が最大回数現れるゲーム」「一方の色の16個の駒を盤上に置いて効きが最も少ない局面」など、決められた条件で最大あるいは最小の数を問うconstruction taskもある。

例題 T. Taverner, 1881 8

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白先2手詰

これは、T. Tavernerが1881年に作図したプロブレムである。

初手(key move)は Rh1 である。直接的な狙いがない(次に白から詰ます手がない)ため、この手はとても見つけにくい。このとき、黒は1手パスしたいにもかかわらず、1手指さなければならないツークツワンクという状況に陥る。黒の可能な指し手19手のすべてが1手詰の局面になってしまう。たとえば、1. ... Bxh7 とすれば、d5 への効きがなくなり、2. S(=N)d5# で詰む。その代わりに、1. ... Re5 とすると、逃げ道が塞がり、2. Qg4# で詰んでしまう。黒がもしパスできれば、白は次の手で黒のキングを詰ますことはできないが、パスはできない。


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