ダーマ&グレッグ
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『ダーマ&グレッグ』(原題: Dharma & Greg)は、アメリカ合衆国シットコムシリーズである。1997年から2002年にかけて、アメリカABCで放映された。全5シーズン、119話。(日本では、1話が放送されていないため118話)

日本では1999年から2002年にかけて、NHK総合テレビ毎週土曜日の深夜24時30分から『ふたりは最高! ダーマ&グレッグ』という題名でレギュラー放送され、不定期に深夜枠で再放送もされた。2008年より、CSFOXライフで「ダーマ&グレッグ」の題名で放送された。
概要

舞台はサンフランシスコ。片やヒッピーの両親を持ち、東洋哲学を信奉するヨガ講師のダーマ。片や上流階級に生まれ、自らもエリート検事補として辣腕を振るうグレッグ。二人は会ったとたんに一目惚れ。初デートをしたその日のうちに結婚してしまう。

育った環境も価値観も違う二人が、結婚生活で起きる様々な騒動に巻き込まれながらも、愛情にあふれた生活を繰り広げると言うのが主なストーリーである。

主役二人の持つ文化的なギャップやそこに生じる価値観の違いが騒動の原因となり、コメディの中心となっている。製作者でありメインライターでもあるビル・プレイディとチャック・ローリーは2つの価値観のどちらにも肩入れせず、逆に理想を追求するあまり融通の利かなくなってしまった彼らの親世代を皮肉りながら、ギャップを気にすることなく幸福を追求し、愛し合いながらポジティブに人生を謳歌しようとする若い世代の姿を描き出した。

このドラマが作られた当時、『アリー my Love』や『ビバリーヒルズ青春白書』などを筆頭に、社会的に上流の人間(もしくは美男美女、有能なキャリアウーマンなど)がシットコムに多く登場する傾向があった。それを感じた製作者が正反対のキャラクターを意図して作ったのがダーマである(DVDの付属インタビューより)。

こうした番組の姿勢には当初は戸惑いが多かった。また、劇中で描かれていたヒッピーに関しては事実と異なるとして批判もあったが、ポジティブなテーマに満ちた明るく楽しい内容が支持され、アメリカ以外の国でも人気を博した。特にダーマを演じたジェナ・エルフマンは評判を呼び、ロン・ハワードエドワード・ノートンジョー・ダンテなどの曲者監督から熱いラブコールが送られるほどだった。ジェナ以外でも人気医療ドラマ『シカゴ・ホープ』に参加していたトーマス・ギブソンや、彼らの両親を演じたベテランたちによって、作品は安定した質と視聴率をキープしていた。

しかし、2001年に起きた同時多発テロの影響により状況は一変。深刻な社会状況の中では、純粋に楽しさを追求するコメディは不謹慎とみなされる様になり、同年から2002年における低視聴率を原因にシーズンは終了する事となった。同時期にはやはり人気コメディ番組だった『スピン・シティ』や前述の『アリー my Love』も終了している。

日本でも、深夜枠ながらも高い視聴率を獲得した。

放送中からDVD化の要望が上がっていたがなかなか実現しなかった。しかし2006年12月、待望のDVD化が実現し、シーズン1の全23話6枚組のDVD-BOXが発売された。更に翌年の2007年にはシーズン2もDVD-BOXとして発売された。しかし、出演俳優の権利関係を巡って訴訟が起きた為、シーズン3以降のDVD化は未定となっている。
キャラクター
レギュラー
ダーマ・フリーダム・フィンケルシュタイン・モンゴメリー(旧姓フィンケルシュタイン)
演 -
ジェナ・エルフマン、日本語吹替 - 雨蘭咲木子大谷育江(子供時代)グレッグの妻。セクシーでキュートな容姿を持ち、天真爛漫、非常にポジティブで明るい性格の持ち主。物事の価値観にとらわれず、何事に対しても積極的に取り組む。また、誰とでも大らかに接し、仲良くなることができる。何にでも寛容なためか、彼女が持ち込んだ事件が毎回の物語の発端になることが多い。一目惚れとはいえ夫のグレッグとは深い愛情でつながっており、ライフスタイルが異なる彼の両親ともなんの隔たりなく好意的に付き合っている。セックスに対しても積極的だが、そのことがトラブルを起こすこともしばしば。ヒッピーの環境で育ち、通学や人形遊びといった普通の子供の経験ができなかったことへ寂しさを感じているため、プロム・パーティーに参加したり、人形やスクールバスに人一倍の愛情を感じることがある。仕事は、昼は犬の調教師、夜はヨガ講師。ただし犬の調教のシーンはほとんど出てこない。彼女のファースト・ネームである「ダーマ(Dharma)」は、「達磨(ダルマ)」を語源とし、仏教における「」すなわち「ブッダの教え」(仏法)を意味する(ヒンドゥー教においては「」)。ちなみに、ミドルネームは「フリーダム(freedom)/自由」である。
グレゴリー・クリフォード・“グレッグ”・モンゴメリー
演 - トーマス・ギブソン、日本語吹替 - 森川智之矢島晶子(子供時代)ダーマの夫。ダーマとは対照的に品行方正、誠実で折り目正しい男性。少々几帳面すぎることがあり、破天荒なダーマの行動に困惑することもあるが、ダーマのことを心から愛しており、時には驚くほど柔軟で心の広い一面も見せてダーマを受け入れる。検事局に勤めるエリートのやり手検事だったが、一時期、自身の人生のあり方に疑問を持ち、検事局をやめて放浪の旅に出たこともある。しかしその後、人助けすることに生きがいを見出し、弁護士として再出発する。ロック好きな一面を持ち、ヘヴィメタルバンドに参加したり、ラジオ局を始めた時は、1970年代のロックを中心にした凝った選曲で意外な通ぶりを発揮した。
キャサリン・“キティ”・モンゴメリー
演 - スーザン・サリヴァン、日本語吹替 - 藤田淑子グレッグの母親。プライドが高く、スノッブな性格。登場人物で唯一、グレッグを略称でない「グレゴリー」と呼ぶ。常に世間体を気にしており、ダーマや息子の行動に振り回されるあまり、取り乱してしまうこともしばしばである。元々は地方の出身で、親がガソリンスタンドの経営で成功したということもあって、上流階級にある種のコンプレックスを持っている。ダーマや彼女の両親に対してもやや見下したような態度をとるが、その反面、仕事一筋の夫を支えつづけた献身的な一面や、姑との問題に心を悩ませた部分もあり、普段は上流階級の妻として抑圧されているためか、一度羽目を外すと非常に大胆になる。恋愛小説の執筆に熱心になったり、賭けハスラーにはまったりという憎めない側面を持ち合わせている。また、ダーマとジェーンがキティの自信を取り戻させるために企画した"カツラ"ナイトでは、ダーマやアビーも呆れてしまうくらいメチャクチャな行動に走った。
エドワード・モンゴメリー
演 - ミッチェル・ライアン、日本語吹替 - 小川真司グレッグの父親。モンゴメリー財閥の当主である。長年の培った経験か、物事には距離をおく慎重な性格である。そのため、強気なキティに対して頭が上がらず、何かと突っかかってくるダーマの父親とは険悪になることも。その一方で、どこかとぼけた人のよい部分があり、ダーマ達が引き起こす騒動にはキティ以上の適応能力をみせる。現在は引退しているが、元々は凄腕の実業家。ダーマの頼みで低迷する通信販売会社の経営を引き受けたときには見事な手腕で業績を立て直し、社員からも高い信頼を集めるなど、経営者としての才覚は確かなものである。また、普段はキティとの約束でやらないと約束させられているが、理髪師として天性の才能があり、他人がどのような髪型にすべきか的確に言い当てられる。
アビゲイル・キャスリーン・“アビー”・オニール
演 - ミミ・ケネディ(英語版)、日本語吹替 - 小宮和枝ダーマの母親。穏やかな心の持ち主で、菜食をつらぬき、動物愛護にも熱心である。スピュリチュアルな部分に造詣が深く、仏教に傾倒していたり、東洋の神秘主義、哲学を信仰している。また、予知夢や霊界との交信を行ったこともある。パートナーであるラリーのトンチンカンな行動には困惑することもあるものの、基本的には彼の思想(反権力・反暴力主義・反資本主義)の理解者であり続けている。しかし、それとは対照的に、アメリカ西海岸の名門大学UCバークレーで鳥類の脳の研究で学位を取得しているため、生物学の造詣が深いインテリでもある。ラリーとは正式に結婚していなかったが、ふとしたきっかけで結婚式を挙げ、正式に夫婦となる。また、高齢ながらも第二子の出産も行った。夫とは対照的に社交的で機転のきく性格でもあるが、自身の結婚式や出産後には無意識的な我侭でダーマを困惑させたこともある。
マイロン・ローレンス・“ラリー”・フィンケルシュタイン
演 - アラン・レイキンズ、日本語吹替 - 斎藤志郎ダーマの父親。アビーのパートナーで、後に結婚。ユダヤ系のアメリカ人。しかし仏教や東洋哲学、自然信仰などに帰依しており、娘のダーマはユダヤ教徒として育てていない。反権力主義者で、世間の様々な出来事に関して理屈ぽく食って掛かる癖があるが、どこかずれた部分がある。ダーマの友人のジェーンには「60年代を卒業していない」と評されている。マリファナや時にはLSDを常用したせいか、少し前のことですらすぐに忘れてしまう癖がある。また、ありとあらゆる麻薬を試しすぎたため不思議な免疫体質になり、違法薬を含めた薬品全般がそれほど作用しなくなっている。結婚制度に反抗していたためアビーとは正式な夫婦ではなかったが、後に結婚した。第二子が生まれたのを機に、エドワードの紹介で警備会社に就職した。小器用な一面を持ち、家具を制作したり、ソングライターとしても活躍していた。また、女装という隠れた趣味もある。ラリー役を演じたアラン・レイキンズは『L.A.ロー 七人の弁護士』では利潤を追求する偏狭な合理主義者という全く正反対の役を演じていたことでも有名であり、メンサの会員でもある。
ジェーン・ドー
演 - シェイ・ドリーン(英語版)、日本語吹替 - 沢海陽子ダーマの親友。ダーマに輪をかけてエキセントリックでアナーキーな性格の持ち主。ダーマが素直で自分に正直、裏表がない健康的な変わり者であるのに対し、辛辣な皮肉を言ったりもするひねくれた変わり者である。時に人のよいダーマを出し抜いて楽しんでいる節があるものの、基本的には仲良し。クレイジーな行動を頻繁に繰り返し、常識人のグレッグを大いに当惑させる。ダーマと一緒に1950年代のアメリカ妻のコスプレをしたり、ドイツ人観光客のふりをして周囲の人を困らせるなど奇矯な遊びを好んでしたりもする。他にも、サンフランシスコの観光地フィッシャーマンズワーフで観光客にわざと間違った道を教えようとしたり、イギリス訛りの英語をわざと話したり、妊婦のフリをしてジェットコースターに乗ったりして喜んでいる。


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