ダーティハリー3
The Enforcer
監督ジェームズ・ファーゴ
脚本スターリング・シリファント
ディーン・リーズナー
『ダーティハリー3』(原題 The Enforcer)は、1976年製作のアメリカ映画。『ダーティハリー』シリーズの3作目。ワーナー・ブラザース配給。全5作中、ラロ・シフリンが音楽を担当していない唯一の作品である。 ハリー・キャラハンは相棒のフランクと共に強盗現場に急行し、いつものように物的被害を気にせず、犯人を射殺して事件を早期に解決する。このことで市長や上司のマッケイを怒らせ、ハリーは人事課へ異動となる。翌日の刑事昇任試験では、実際の現場を無視して、女性を一定数増やす市の方針に反感を覚え、ハリーは軽犯罪者を捕まえたこともないという女性候補ケイト・ムーアに厳しくあたる。 一方、新たな相棒と巡回中のフランクはハミルトン兵器工場の武器強奪事件に遭遇し、犯人グループを追い詰める。だが、隙を突かれて、一味のボスに背後からサバイバルナイフで刺されてしまい、その負傷がもとで殉職してしまう。そして、犯人グループは「人民革命軍団」を名乗り、100万ドルを要求する。殺人課へ戻されたハリーは、かつて関わった事件で主犯を見たことがあるというフランクの最期の言葉を手がかりに捜査を始めるが、マッケイより、そこで新たな相棒として刑事に昇格したケイトを紹介される。 ハリーとケイトは検死解剖の立会い中に爆弾テロに遭遇し、現場に居合わせた怪しい黒人ヘンリーを追跡の末に確保する。彼が兵器工場から盗まれた爆弾を所持していたことと、黒人過激派のムスタファと関係のある人物であったことから、マッケイは今回の犯人は黒人過激派であると決めつける。ハリーはムスタファのアジトを訪れ、そこで主犯がボビー・マックスウェルという白人であると情報提供を受ける。だがハリーが去った後、マッケイ率いる市警がアジトを包囲し、一連の事件の犯人としてムスタファを逮捕してしまう。市長は選挙対策の一環としてハリーとケイトにムスタファ逮捕の表彰を行おうとするが、ハリーはそれに反発し、マッケイから180日の職務停止を命令される。 金が手に入らないボビー一味は、今度は市長を誘拐し、警察に500万ドルの身代金を要求する。停職中のハリーは、窮地に陥ったマッケイから協力を求められるが、犯人の要求を飲むことを知って拒否し、単独で捜査を始める。そして保釈されたムスタファからボビーの情婦ワンダのことを聞き出し、彼女が務める風俗店へ向かう。そこでジョン神父の下にいることを聞き出したハリーは、神父に詰め寄るが、ワンダに撃たれそうになったところをケイトに救われる。そしてハリーは、ボビーの協力者であった神父から彼らがアルカトラズ島に潜伏していることを吐かせる。 アルカトラズ島にやってきたハリーとケイトはさっそくボビーたちと銃撃戦になる。ケイトは市長を救出してハリーと合流するが、直後にボビーに射殺され、市長が連れ去られてしまう。ハリーはケイトの復讐を誓ってボビーを追い、彼が落としたM72 LAWで監視塔ごと彼を吹き飛ばして復讐を果たす。市長はハリーに感謝状を贈ると告げるが、ハリーは市長の元を離れ、ケイトの遺体の前で立ち尽くす。
あらすじ
登場人物
ハリー・キャラハン
主人公。サンフランシスコ市警の刑事。警察・司法に対する規範が厳しくなった時代にあって強引な捜査を行い、被疑者を射殺することも厭わないため煙たがれる刑事。悪評の高さから物語序盤で殺人課から人事課へ異動となるが、すぐに復帰する。詳細は「ハリー・キャラハン (架空の人物)」を参照
警察
ケイト・ムーア
市警の新人刑事。ハリーの新しい相棒。軽犯罪者も捕まえたことがない巡査(制服警官)で、物語序盤の刑事登用試験で合格し刑事となる。失敗を犯し最初はハリーとの間に溝が生じていたが、次第に心が通じ合っていく。強奪されたM72 LAWの発射デモンストレーションの際にバックブラスト(後方爆風)の危険を知らずに射手の真後ろから覗き込もうとしてハリーに引きはがされるなど銃器に関しての知識は薄い。
マッケイ
市警の警部。殺人課(字幕では課長、吹替版では本部長)。今作におけるハリーの上司で彼に手を焼いている。市長に近い人物で、彼の意向を受けて動いている面もある。序盤でハリーを人事課へ飛ばし、中盤では停職処分を言い渡す。
フランク・ディジョージオ
市警の刑事。ハリーの相棒。