ダーククロニクル
[Wikipedia|▼Menu]

『ダーククロニクル』(Dark Chronicle)は、2002年11月28日にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたPlayStation 2用ソフト。ジャンルはアクションRPG。2004年2月26日に廉価版「PlayStation 2 the Best」も発売された。開発元はレベルファイブ。米国では「"Dark Cloud 2"」のタイトルで発売されている。
概要

前作『ダーククラウド』と設定・ストーリーは全く異なるが、入るたびにマップがランダム生成されるダンジョン・ジオラマ・武器成長など、ほとんどのシステムを受け継いでいる。いわゆるやりこみ要素が豊富なのも、前作と共通である。

トゥーンレンダリング(3Dキャラクターにアニメ的な風合いを持たせる描画技術)により、表現力が大幅に向上した。またイベントがフルボイス化された。

雑誌『ファミ通』のクロスレビューで35点を獲得してプラチナ殿堂入りするなど、高い評価を得ている。

SCEの「RPGの世界を旅しよう! キャンペーン」の対象商品となっており、『ダーククロニクル』の主人公の故郷を彷彿させる街としてイギリスマンチェスターへ行けるツアーが予定されていた。しかし、世界同時多発テロの影響でキャンペーンによるツアーはすべて中止された。
ストーリー

パームブリンクスの町に住む少年ユリスが、町に来たサーカスの公演を観に行き、それをきっかけに、世界が崩壊の危機に直面していることを知る。旅に出たユリスは未来から来た少女モニカと出会い、邪悪な存在「グリフォン」に立ち向かう。旅を進めるうちにユリスは自らの出生の秘密を知ることになる。
進行システム

ストーリーは全部で8つの章に分類され(本編は7章まで、8章は後日談)、各章でひとつのダンジョンを攻略しながら、ジオラマモードで未来を復興させることで進行していく。
ダンジョン

ダンジョンの基本的な形式は、1つのダンジョンの中に地形が毎回ランダムで構成されるフロアが連なっており、各フロアを順番に攻略していくことで進行していく。一度攻略したフロアは自由に移動することができる。ダンジョンごとにフロアの特徴が異なり、ゲートキーの形状やスフィーダの難易度などに大きく影響する。
ゲートキー、鍵
フロアの出口は最初は閉ざされており、特定の敵からゲートキーを入手し、出口の前で使用することで次のフロアへ進むことができる。また、ゲートキーとは別に、フロア中に閉ざされて進入できない部屋があり、入るには宝箱からルームキーを入手する必要がある。出口を経由せずフロアを脱出することも可能だが、所持金が半分になるペナルティを受けるか、専用の脱出用のアイテムを使用する必要がある。
分岐
特定のフロアには出口が二つあり、進行フロアを任意で選択できる。分岐のルートは出口にある紋章で確認でき、太陽・月・星の3種類がある。そのうち星の紋章の出口は封印されており、ストーリーを進めて特定のアイテムを入手しなければ進むことができない。
課題
各フロアに設定されており、条件を達成することでメダルを貰うことができる。条件は殲滅リミットタイムの更新が必ず設定されており、フロアの特徴等により更にスフィーダか釣りの達成条件が設定されており、その他にアイテムのみ、剣のみ等の特定の攻撃手段に限定した敵殲滅などの条件が1つ設定されている。メダルを集めるとある人物と特殊なアイテムの交換ができる。
ボス
ダンジョンの最奥はボスフロアがあるが、基本的には特定のイベントの完了、特定のアイテムの入手していなければ戦うことができない。最深部のボスを倒せばその章をクリアとなり、次の章へと物語が進行する。
ジオラマ

グリフォンによって壊されてしまった未来の文明を取り戻すためのシステム。ダンジョンや店などでさまざまな素材を集め、その素材を加工してパーツを作り、組み合わせて建物等を配置することで、起源点を復興していく。現代で配置された建物が未来の文明にある程度反映され、本来の歴史を取り戻すことができる。ストーリー上では復興のための条件が設定されているため、ある程度建物の配置は制限されるが、それを考慮しなければ非常に自由度が高い。
基本
起源点となるマップに各種パーツを配置し、復興条件を満たすことで進行する。起源点となるマップには必ずタイムゲートがあり、未来に飛び、作成したジオラマがどのように未来に影響したか確認ができる。例えば、川エリアを15マス配置すると未来に湖が出現したり、煙突パーツのある家に人を住まわせると未来にアイテムショップが出現する。
ジオストーン
ダンジョンの各フロアに点在する石。入手するとパーツの作成法や、未来の復興条件などの情報が入手できる。得られる情報は基本的に攻略中の章の起源点の情報のみ。パーツ情報は特殊なパーツを除き、すべてのジオラママップに利用できる。
復興条件と完成度
各起源点には、未来を復興させるための条件があり、それを満たすことで未来に変化が起きる。ダンジョンの特定のフロアは、これらの条件を満たさなければ進めないことがある。最深部にいるボスを倒すことが含まれている復興条件を満たすと次の章へ進むことができる。復興条件を満たすたびに完成度が上がり、すべて満たして100%にするとイベントが発生し、お礼に貴重なアイテムが入手できる。基本的には100%にしなくてもゲームを進めることは可能。
パーツ
マップに配置するもの。地形を無視するような場合を除き、自在に配置・撤去・分解が可能。基本的にはジオラマ用の素材から組み立てる必要があるが、最初からマップに配置されている場合もある。特定のパーツ同士は組み合わせることが可能で、復興条件やサポートキャラクターの移住条件などに影響する。各種パーツにはポリン数とカルチャーポイント(以下CP)という数値が設定されている。各パーツの合計ポリン数が、各マップに設定された最大ポリン数を超えるとパーツを設置することができなくなる。CPはジオラマの文化レベルを表し、復興条件やサポートキャラクターの移住条件に影響する。
アイテムに関するシステム
スペクトル
大半のアイテムはスペクトル化し、武器に合成することでパラメータを強化することが可能である。スペクトル化したアイテムは本来の効力を失い合成専用のアイテムとなり、元には戻すことが出来ない。武器がレベルアップするたびに一定の合成ポイントがボーナスで得られ、プレイヤーはどの属性を強化するか考えながら強化することが可能である。合成の際に上昇するパラメータはスペクトル化したアイテムにより種類と数値が決まっている。武器の場合はスペクトル化した時点での60%の値が上昇する。しかし、レベルを5以上まで成長させなければ、不安定なスペクトルとなってしまう。不安定なスペクトルになると、合成する際に上昇するステータスがランダムで設定されてしまい、安定した強化はできなくなる。
アイテムの種類
攻撃アイテム
アクティブアイテムの欄に装備し、投げて攻撃するアイテム。
回復アイテム
Hpや状態異常などを回復するアイテム。
防御アイテム
アクティブアイテムの欄に装備することで効果を発揮するアイテム。
クリスタル
スペクトル化して、武器のパラメータを強化するためのアイテム。他のアイテムよりも上昇値が高い。
コイン
スペクトル化して、武器に特殊能力を付加するアイテム。
宝石
スペクトル化して、武器のパラメータを強化するためのアイテム。貴重品だがクリスタルよりも上昇値が高く、複数のパラメータを上昇させられる。
ジオラマ素材
ジオラマパーツの材料となるアイテム。
釣具
釣りに使用するアイテム。竿や餌、ルアーなどが含まれる。

釣った魚。焼いて回復アイテムにしたり、アクアリウムに入れて飼うことができる。
コスチューム
ユリスやモニカの服。身に付けることで外見が変化するが、戦闘能力などに影響はない。
その他
ゲートキーやイベント用のアイテムなど。大半はスペクトル化することができない。
写真と発明

カメラを入手すると、周囲の風景の写真を撮れる。写真は発明のネタやアイテムの交換材料に使われる。
撮影の手順
ユリスのアクティブアイテム欄にカメラを装備し、□ボタンを押すことで撮影モードに入る。主観視点に切り替わり、360度の自由な方向にカメラを向けられる。もう一度□ボタンを押すことで撮影が完了する。写真はボードに30枚まで保存でき、さらにメモリーカードの空き容量を使用することで、気に入った写真をアルバムとして保存可能である。
ネタ
特定の被写体を写真に収めると、被写体の名前の横に黄色い電球のマークが表示され、ネタ帳にストックし、発明に利用することができる。またこれらのネタとなる写真を新しく撮影するたびにポイントが加算され写真家レベルが上昇し、レベルが上がるごとにある人物からアイテムがもらえる。
スクープ
ネタの中でも貴重なもの。撮影した際の電球が赤い写真が該当する。通常のネタと比較して写真家レベルのポイント加算が多く、有用な発明品のネタとなる場合が多い。スクープの傾向として、モンスターの珍しい行動・場所や時期が限定されている被写体・ダンジョンのボスなどが該当する。あるアイテムを入手すればいつでもスクープ対象の情報が確認できる。
発明
収集したネタを組み合わせ、新しいアイテムの作成法を習得できるシステム。メニュー画面の「つくる」から「新規発明」を選択し、3つのネタを選択し、組み合わせが正しければ成功となる。無制限に試すことができ、失敗してもペナルティなどはない。発明したアイテムはリストに登録され、各種アイテムを材料として作成できる。ネタの組み合わせは各地の人やメモなどから情報を得ることができる(ノーヒントのものもある)。また発明に失敗した際には、2つまで正しいネタの組み合わせだった場合に、3つ目のネタのヒントがもらえる。
戦闘システム
操作キャラクター

操作して戦うキャラクターたち。戦闘は必ず一人で戦い、ボタンひとつで操作キャラを切り替えることができる。各キャラはそれぞれ攻撃手段が異なり、相性のよい敵も異なるため、状況に適したキャラを起用することが求められる。

このゲームでは、操作キャラクターにはHPと防御力という概念しか存在しない。攻撃力は武器のステータスに依存し、操作キャラクターの能力は、専用のアイテムを使用することで成長する。HPの成長用アイテムはユリスとモニカで共用で、防御力は各人専用のものがある。主な入手法はダンジョンやジオラマを進行させることで各所に出現するつづらからとなっている。
ユリス
全編を通して操作可能。右手武器にレンチ、左手武器に銃を用いて戦う。モニカに比べると少々鈍いところはあるものの、岩を持ち上げる等の力仕事や、走る速さはモニカより長けている。打撃系なので、盾を持つ敵や、岩石などの敵に威力を発揮する。カメラやスフィーダロッド、釣竿などの戦闘以外のシステムに使用するアイテムを装備できる。最大HPはエデンの果実、防御力はポテトパイで上昇する。
モニカ
第2章開始時から操作可能(オープニングイベントでも1度だけ操作可能)。ストーリーの都合により、何度か離脱することがある。右手武器に剣、左手武器に魔法の腕輪を用いて戦う。ユリスのレンチと比較して剣は戦闘技術が高く、接近戦での素早い立ち回り、リーチを生かした戦闘が可能。切断系なので、植物、柔らかい敵などに威力を発揮する。最大HPはエデンの果実、防御力は魔女のパフェで上昇する。
ライドポッド
1章中盤より操作可能。ユリスが乗り込んで戦うロボット。攻撃力が高く、生身では歯が立たない相手にも有効なダメージを与えられるが、背の低い敵や小回りの利く敵には通用しにくい。HPに相当するパラメータとしてエネルギーがあり、ダメージを受ける他一定時間毎に徐々に減少していき、0になると壊れて操作不能になり、強制的に操作キャラを交代させられる。エネルギーはHPとは回復手段が異なり、また限られている。コア・ボディ・タンク・レッグ・アームの5つのパーツがあり、それぞれを交換することで強化される。パーツはAbsを蓄積して所定のショップで購入するか、発明にて作成する必要がある。
モンスター変化
2章終盤より操作可能。モニカが変身し、そのモンスターの特技を利用して戦う。特定の敵の好物を詰めたギフトカプセルを敵にぶつけ、その敵を倒すことで入手できるへんげバッジにて変身できる。変身時にはへんげパワーを一定時間毎に消費していき、0になると強制的に操作キャラを交代させられる。消費したへんげパワーはダンジョンを脱出することでのみ回復する。HPはモニカと共有しており、変身時に戦闘不能になるとモニカも戦闘不能になる。Absを蓄積して熟練度が100になることでレベルアップし、一定以上のレベルになると上位のモンスターにクラスチェンジが可能になり、その度に能力上昇値の高いスペクトルアイテムが報酬として入手できる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:43 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef