ダラス・バイヤーズクラブ
Dallas Buyers Club
監督ジャン=マルク・ヴァレ
脚本クレイグ・ボーテン
メリッサ・ウォーラック
製作ロビー・ブレナー
『ダラス・バイヤーズクラブ』(Dallas Buyers Club)は、2013年のアメリカ合衆国のドラマ映画。監督はジャン=マルク・ヴァレ、出演はマシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナー、スティーヴ・ザーンなど。1992年に『ダラス・モーニングニュース』の記事で取り上げられたロン・ウッドルーフ(英語版)の実話が基となっている[3]。 1985年ダラス、電気技師でロデオ・カウボーイのロン・ウッドルーフは「エイズで余命30日」と医師に宣告される。当時まだエイズは「ゲイ特有の病気」だと一般的には思い込まれており、無類の女好きであるロンは診断結果を信じようとしなかったが、詳しく調べる内、異性との性交渉でも感染することを知り病気について理解していく。しかし、友人や同僚たちに疎んじられ、徐々に居場所を失っていく。 治療薬のAZTは、当時臨床試験が開始されたばかりだった。AZTの存在を知ったロンは主治医のイヴ・サックスに処方してくれと迫るが、イヴは藁にもすがりたい患者の思いを知りつつも、「安全性が確認されていない薬を処方することはできない」と突っぱねる。その治験に協力していたのが、トランスジェンダーのレイヨンだった。 ロンはアメリカではエイズの認可治療薬が少ないことを知り、効果の高い未承認の治療薬を求めて国外へ向かう。その中でAZTが免疫力を著しく低下させる毒性の強い薬であることを知ると、AZTの使用をやめ、免疫力低下を防ぐために常日頃から愛用していたコカインも断つ。AZTよりも安全性が高く有効な未承認治療薬ペプチドT
あらすじ
しかしFDA(アメリカ食品医薬品局)がAZTを認可したことで状況は一変し、AZTの投薬を推奨し始めた医師や製薬会社、そして彼らの違法行為を察知したFDAが立ちはだかる。摘発の末に薬を全て没収されるという憂き目にあい、FDAが掲げた新たな規則の影響で薬が思うように手に入れられなくなり徐々に経営難に陥っていく中、レイヨンが症状の悪化で亡くなる。彼女のかかりつけの病院でAZT治験の受け入れを決めた医師を非難するロンだが、彼女の死にはコカイン依存による免疫力低下も絡んでいた。彼女はロンからの再三の忠告にも拘らずコカインを断つことができなかったのである。怒りと苦悩の中、苦境に立たされながらもロンは私財を投げ打つ覚悟で薬の販売を続け、会費を払えない貧しい患者に対し薬を無償で配るようになる。
財政難の一方でバイヤーズクラブに入会を希望する患者の数は日に日に増加していき、その中にはAZTを服用している者たちが多くいた。