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出典検索?: "ダッシュボード" 自動車
ダッシュボード(英語: dashboard、dash)は、自動車においてフロントウインドシールド下、前席正面にある内装部品全体を指した名称。運転席正面には通常スピードメーター、タコメーター、燃料計、水温計、距離計など、自動車の走行に必要な情報を指し示す計器類が配置されている。これら計器類部分をさしてインストルメント・パネル(instrument panel、インパネ、IP)と言う。これはアメリカ英語で、イギリス英語ではフェイシア(fascia)という。
元々は馬車の御者(馬を操る者)を馬が蹴り上げる小石や泥跳ねなどから身を守るために設けられた御者席前方にある保護板のことで、馬を加速させる際はこの板を踏みつけるようにしたという。自動車草創期にこの板に計器類を取り付けたのが始まりとされる。 ジョン・F・ケネディ時代の米国国防長官、ロバート・マクナマラは、フォード社の幹部であった時代にいち早く安全プログラムを指導し、1956年、緩衝材(パッド)で覆われた『安全な』ダッシュボードを発表した。これは『セーフガード』と名づけられていた。しかし当時の消費者にはほとんど関心をもたれなかった。 1970年代になってから安全性向上の対策として、緩衝材で覆われたダッシュボードが広く適用されるようになる。緩衝材の主流はポリウレタンフォームで、表面をポリ塩化ビニル又は皮革(主に高級車)でカバーしている。 北米を最大の輸出仕向け地としていた各国の自動車メーカーも、北米向けを皮切りに、ハンドルのセンターパッド、3点式シートベルト(後にコラプシブルステアリングシャフトも)と合わせて緩衝材付きダッシュボードを導入した。 1990年代になると、運転席側にエアバッグが米国など数カ国で必須となり、まもなく助手席側にも広く装着されるようになる。 ダッシュボードには様々な用途で様々なタイプがある。 芝刈り機、農業用トラクター、黎明期の自動車では、ダッシュボードに装着されているのはステアリング・ホイール(ハンドル)とイグニッション・スイッチ(エンジンの始動・停止に用いられるスイッチ)だけだった。 NASCAR(ナスカー)などの競技車両では、アルミや繊維強化プラスチックなどの板(まれに鉄板)一枚がダッシュボードとして取り付けられる場合も多い。新たに取り付けたい計器があれば、適切な場所を見つけ単に穴を開ければすぐに取り付けられる。 高級車では、計器類周辺のパネルにリアルウッド(本杢/ホンモク)を貼ったウッドパネルが用いられる。かつてはパネル全体がウォールナット材やローズウッド材などの厚い木の板で作られていたが、現在は樹脂のパネルに高級木材の突板を貼り重ねることで安全性と軽量化やコストダウンとのバランスをとっている。「木目調」とされているものはフェイクウッドで、単なる樹脂部品であり、木材は使われていない。これは水圧転写などで部品の表面に木目模様をつけたもので、単なるコストダウンの手法としてや、本木では量産が不可能な構造や形状にも簡単に対応できる。 最近のフォーミュラ1カーではダッシュボードのスペースはなく、ステアリング・ホイール自体が計器盤を兼ねている。
ダッシュボードの安全対策
ダッシュボードの種類走行時のインストルメント・パネル2003年のトヨタF1のステアリング・ホイール計器やスイッチ類をひとまとめにした部位をクラスターと呼ぶこともある