ダクタイル鋳鉄管
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ダクタイル鋳鉄管 直管 NS形 S種管 呼び径500 モルタルライニング

ダクタイル鋳鉄管(ダクタイルちゅうてつかん、英語:Ductile iron pipe)は、材料としてダクタイル鋳鉄を使用した管のこと。ダクタイル鉄管ともいう。ダクタイル鋳鉄とは、従来鋳鉄の組織中に細長い片状に分布していた黒鉛を球状化させ、強度や延性を改良した鋳鉄である。従来の鋳鉄管に変わり、水道管をはじめ、下水道、ガスなど幅広い分野に使用されている。特に水道本管(導・送・配水管)においては、日本で最も多く使われている管材である。[1]
用途

ダクタイル鋳鉄管は、主に以下のような用途に使用される。[2]
上水道
導水管、送水管、配水管、給水管
工業用水道
導水管、送水管、配水管
下水道
管きょ、ポンプ場内配管、処理場内配管
農業用水
かんがい用水管、樋管
ガス
本管、支管
その他
電話線および送電線保護管など
特性

ダクタイル鋳鉄管は、下記のような特性を持つ。
[2][3]

長所

強度が大であり、強靭性に富み、衝撃に強い。

耐久性がある。

金属材料の中では腐食に強く、電気抵抗が高いため電食の影響を受けにくい。

継手は、伸縮性・可とう性を持ち、地震時等の地盤の変動に順応できる。

施工性が良い。


短所

重量が比較的重い。

土壌が腐食性の場合には外面防食を必要とする。

内外の防食面に損傷を受けると腐食しやすい。

継手の種類によっては、異形管防護を必要とする。

離脱防止機構を有さない継手は、地震時等の地盤の変動により伸縮(伸び)量が限界以上になれば離脱する。



歴史

ダクタイル鋳鉄管は、以下のような経緯で使用されるようになった。
[2]

1948年 - ダクタイル鋳鉄がアメリカで発明される。

1953年 - 日本でダクタイル鋳鉄管の生産が開始される。

1957年 - ダクタイル鋳鉄管の大量生産時代に入る。

1961年 - ダクタイル鋳鉄管が日本水道協会規格となる。

1974年 - ダクタイル鋳鉄管が日本工業規格となる(JIS G 5526, JIS G 5527)。


水道事業体における管路の更新と耐震化、アセットマネジメントについて.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2020年1月)
詳細は「水道管」を参照

※ 水道管に関してのアセットマネジメントは法定耐用年数から実耐用年数による計画が推奨されている。本ページにも記載されているとおり、管厚、継手形式、外面防食、内面防食に加え、継手のボルト構造やゴム輪など、耐用年数のファクターとなる項目は様々あるものの、それぞれの要因で耐用年数には差が出る。しかしながら、耐震管という区分において厚生労働省の発行するアセットマネジメント「簡易支援ツール」の例では、令和2年3月までのバージョンでは離脱防止継手付きダクタイル鋳鉄管の実耐用年数例をまとめて「80年」としており、例とはいえ、未だ検証に時間がかかる種別の製品に、この数値を適用されている事例が多数確認できる(事業体の公開する複数のアセットマネジメントにおいて)。実際、この数値を利用したメーカー広告においても、事業体やコンサルタントに誤解を与えかねない試算が掲載されている。(追記)これに関しては令和2年3月、厚生労働省発行のアセットマネジメント「簡易支援ツール」が改訂がなされ、参考資料にある前記の記載は削除された。その代わり、新しく参考資料として、ダクタイル鋳鉄管については「GX形」に限定して100年の耐用年数が出展を明記し掲載されている。
管厚

ダクタイル鋳鉄管の管厚は、下記のように分類化され、内圧(水圧)、外圧(土圧や路面荷重)、用途、継手形式によって使い分けられる。[4]

外面防食が劣化したとき、管外面から腐食・孔食が進むが、肉厚により一定期間の耐圧性能を保持できる。

種類記号適用呼び径備考
1種管D175?2600
2種管D2400?2600
3種管D375?2600
4種管D4600?2600
5種管D5600?2600下水道用
P種管DP700?1500PN形(CP方式)
PF種管DPF300?2600KF形,UF形
S種管DS50?1000GX形,NS形,S50形
E種管DE75?150NS形(E種管)
異形管DFJIS G 5527
A種管DA600?2600農業用水用
B種管DB300?2600農業用水用
C種管DC1600?2600農業用水用
D種管DD800?2600農業用水用
AL1種管AL1300?600農業用水用
AL2種管AL2300?600農業用水用

継手形式

ダクタイル鋳鉄管の継手形式は、下記のように分類化され、口径、用途、施工方法によって使い分けられる[5]。近年は、大きな伸縮量と、離脱防止機構を有する耐震継手を持つ管(耐震管)が主流となっている[6]


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