ダウンテンポ
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ダウンテンポ
現地名Downtempo、Downbeat、trip hop
[1]
様式的起源電子音楽アンビエント、ブリストル・サウンド、ヒップホップ
文化的起源1980年代中期-後期、イギリス
派生ジャンルローファイ・ヒップホップ、アンビエント・ハウス[2]、サイビエント、チルウェイヴ[3]
関連項目
チルアウト
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ダウンテンポ(Downtempo、またはダウンビート (downbeat)[4]) は、雰囲気のあるサウンドと、通常のダンス・ミュージックよりも遅いビートを特徴とする電子音楽の幅広い音楽ジャンル[5]アンビエント・ミュージックと密接に関連しているがリズムに重点が置かれており[6]、このスタイルは、チルアウト・クラブで演奏されたり、DJセット中の「ウォームアップまたはクールダウン」する音楽として演奏されたりすることがある[5]。ダウンテンポのサブジャンルの例には、トリップ・ホップアンビエント・ハウスチルウェイヴ、サイビエント、ローファイ・ヒップホップなどがある[5]

このスタイルは、1980年代後半にイギリスのブリストル・シーンで出現し、マッシヴ・アタックポーティスヘッドトリッキーなどのアーティストを生み出した[5]。1990年代に、このスタイルはクルーダー&ドルフマイスター、フィラ・ブラジリア、シーヴェリー・コーポレーションなどのアーティストによって国際的に知られるようになった[5]。このスタイルで登場した他の著名なアーティストには、ボーズ・オブ・カナダニコラス・ジャー、ボノボなどがいる[5]
特徴

ダウンテンポ・ミュージックは幅広いジャンルだが、いくつかの特徴によって統合されている。

雰囲気のあるサウンド: アーティストは、キャッチーなメロディーやリフよりも、重ねられたサウンドや雰囲気に重点を置く
[5]

遅いビート: 通常、曲は BPM90前後のビートを特徴とする[5]

優しいメロディー: アーティストは通常、単純なアンビエント・ミュージックよりもメロディックなフレーズを含める[5]

歴史「環境音楽」、「チルアウト」、「エレクトロニック・ダンス・ミュージック」、および「トリップ・ホップ」も参照

ダウンテンポは、「トリップ・ホップ」として知られるヒップホップ電子音楽のスローでサイケデリックな融合を発展させた1980年代後半のイギリスブリストル・サウンドから生まれ、マッシヴ・アタックポーティスヘッドトリッキーなどのアーティストを生み出すこととなった[5]。1990年代には、スロー・ペースな音楽の波が到来し、チルアウト・ルーム、つまりクラブのリラクゼーション・セクションや電子音楽イベントの専用セクションで演奏された[7]。イギリスのアーティスト、ナイトメアズ・オン・ワックスは、ダブ・レゲエとヒップホップを取り入れ、1990年代初頭のダウンテンポ・エレクトロニカの先駆者となった[8]。ダウンテンポ・ミュージックもイビサ島周辺で表面化し始め、日の出が近づくとDJやプロモーターがゆっくりとしたリズムと穏やかな電子音楽で雰囲気をダウンさせた。1990年代の終わりには、アコースティック・サウンドとエレクトロニック・スタイルを組み合わせた、よりメロディックなインストゥルメンタル・エレクトロニカが、ダウンテンポという独自の包括的な名称で登場した[9]

1990年代後半、オーストリアのデュオ、クルーダー&ドルフマイスターが、1970年代のソウル・ジャズの影響を受けたポップス、ヒップホップ、ドラムンベースのトラックのダウンテンポ・リミックスによってこのスタイルを広めた。イギリス人のスティーヴ・コビーとデイヴ・マクシェリーは、フィラ・ブラジリアという名前でプロデュースを行い、このスタイルをさらに推進するダウンテンポ、エレクトロニカ、アンビエント・テクノのアルバムを数枚リリースした。一方、ワシントンD.C.出身のエリック・ヒルトンとロブ・ガーザ、通称シーヴェリー・コーポレーションは、アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽についてディスカッションした後、ブラジルのサウンドをこのスタイルに導入し、ジャマイカのダブとレゲエの要素を組み合わせてさらに豊かなものにした[10]

2010年、「ダウンテンポ・ポップ」は、メロウなビート、ビンテージ・シンセサイザー、ローファイ・メロディーを特徴とする2000年代のさまざまな音楽スタイルとして『アトランティック』誌によって解説された。言い換えれば、チルウェイヴ、グローファイ、ヒプナゴギック・ポップを含む概念である[3]。2010年代後半には、「ローファイ・ヒップホップ」または「チルホップ」とタグ付けされた、別の形式のダウンテンポ・ミュージックがYouTubeの音楽配信者の間で人気となった[11]
アーティスト・リスト詳細は「:en:List of downtempo artists」を参照
脚注[脚注の使い方]^ Reighley, Kurt B. (January 2000). “Peace Orchestra”. CMJ New Music Monthly (77). .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISSN 1074-6978. https://books.google.com/books?id=tikEAAAAMBAJ&pg=PA52. 
^ Albiez, Sean (2017). Bloomsbury Encyclopedia of Popular Music of the World, Volume 11. Bloomsbury. pp. 26. ISBN 9781501326103. https://books.google.com/books?id=WKc0DwAAQBAJ 2020年1月10日閲覧。 
^ a b Hinkes-Jones, Llewellyn (2010年7月15日). “Downtempo Pop: When Good Music Gets a Bad Name”. The Atlantic. 2023年5月15日閲覧。


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