ダイラタンシー
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ダイラタンシー(: dilatancy)またはせん断増粘性(: shear thickening)は、ある種の混合物が示す、遅いせん断刺激には液体のように振る舞い、より速いせん断刺激に対してはあたかも固体のような抵抗力を発揮する性質である。この現象が起こる物体をダイラタント流体、ダイラタンシー流体、せん断増粘流体(shear thickening fluid: STF)と言い、非ニュートン流体の一種である。

イギリスの物理学者のオズボーン・レイノルズがこの現象を発見した。これに因み、レイノルズ現象とも呼ばれる[1]
概要
定義

すべての物質は固体・液体・気体に分けられる。しかし、砂・砂利・土・穀物・小麦粉・セメントなどの性質はある大きさの1個の固体の性質とは違っている。これらは粉粒体と呼ばれ、その性質が研究され、また利用されている。粉粒体の性質を初めて科学的に研究したのはマイケル・ファラデーと言われる。粉粒体の性質で固体と著しく違うものに体積の変化がある。これはオズボーン・レイノルズにより初めて研究された。

1885年に出版された論文で、レイノルズは、「稠密に充填されしなやかな袋に入れられた粉粒体は、袋が変形する際に必ず体積が増える。袋が変形できるものであっても伸縮性がない場合には、加えた力によって袋が破れてしまうか粉粒体の粒子が壊れてしまうまで、どんな変形も不可能である」と観察結果を報告している。この観察結果は、今なお、粉粒体の物理の最も重要な原理の一つであり続け、レイノルズの膨張の原理(dilatancy principle)として知られるようになった。それは、以下での実験にも見られる現象である。

濡れた砂浜を歩くと、足跡のまわりが乾いて見える現象は膨張の原理で説明できる。即ち、足が地面を押えつけると砂は局所的に体積を増やして変形し、そのため粒子間の間隙が増えて、それが表面の水を吸い込むため、まわりが乾いたかのような錯覚を与える。ここで特筆すべきことは、レイノルズの原理の前提、特に粉粒体が「稠密に充填されている」という条件は、絶対に欠かせない[2]ことである。体積が変化するのは粒子の配列が変わるためであり、固体・液体・気体の体積は全方向から圧縮すると変わる(圧縮力が減ると増える)が、粉粒体はせん断するだけで増える。

このようにダイラタンシーはもともとは粉粒体の体積(容積)が変化することであるが、粉粒体のすき間にある液体や気体が体積変化に伴って粉粒体から急に出たり吸いこまれたりすることにより、予想しにくい現象が起きるため、そちらが注目されるようになった。例えば濡れた手ぬぐいを絞ると水が出てくるが、濡れた砂に急に力を加えると砂から水が引いて乾いて見える。「少量の液体を含んだ粗大粒子系が急激な歪みをうけることにより硬化する現象はダイラタンシーといわれる」[3]という定義が出てくる。
負のダイラタンシー

ゆるく堆積した砂層などは、逆に振動を受けて体積が減少することがある。これを負のダイラタンシーという。負のダイラタンシーにより粒子間に含まれている液体が余分になり、これが潤滑剤の作用をして強度が著しく減る。軟弱地盤の砂層が地震の時液状化して、地表が陥没したり、建物が傾いたりして大きな被害が生じることもある。雪崩や地震などの現象にも負のダイラタンシーが関係している。(※→チキソトロピーも参照)

ダイラタンシーの作用で液体を吸いこんで固化したものも、外力を除けば再び流動性を回復する。沈澱反応でつくった微細紛末を濾そうとして減圧にすると、液が表面から消えるが下へは出てこない。減圧をやめると再び表面に惨み出てくる。こうしていつまでも引けないことがある。ジャガイモ澱粉(片栗粉)を少量の水でペーストにする。これは静かに流れる高粘性流体であるが、手で強く掴むと瞬峙に表面の水が吸いこまれてもろい固体となって割れる。破片は机上に落ちて再び流れてひろがる。

例えば、おなじ大きさの球形粒子の水を吸った状態を考える。立体幾何学的な計算によると最密充填(六方晶系充填)では空隙率は25.95%である。この空隙を埋めるに足る水があれば系は静かに流れることができる。ところが急激な強い外力が加えられると粒子が粗な充填位置に移動し、最粗充填すなわち等軸晶系充填になると空隙率は47.64%になる。ゆえに水は全部内部へ吸いこまれてまだ足りず、水分のない状態でこすり合う粒子ができる。表面の水が中へ吸いこまれ、体積が幾分膨張し、流動性が失われてもろい固体となるのはこのためである。

粉粒体と言うより懸濁液という方が近い状態でも、ダイラタンシーの影響で普通の液体とは違う現象が起きる。そこで「粘度がせん断速度増大によって上昇する現象をダイラタンシーという」という定義がFreundlichにより、レオロジーの立場から定義を拡張して使われるようになった[4]

ダイラタンシー(せん断濃密化とも)材料、ダイラタンシー液体という言葉がずりひずみ速度が大きくなると粘度が上昇するものに対して使われることもある。Shear thickening fluid (STF)という言い方もある。
原理

ダイラタント流体は一般に、液体と、固体の粉末粒子の、混合物である。この流体に外力が加えられて、圧縮されて粒子の隙間がなくなった状態で、さらに大きな剪断応力が働くと、粒子が最も密度が高い充填状態とは異なる、体積が増す位置に無理やり動かされようとすることに対して強い抵抗を示す。外力(圧縮力)と拮抗する内部抵抗力(体積変化=膨張、に伴う力=ダイラタンシー)が生じると、全体として、剪断応力に対してまるで固体のような抵抗を示す状態に移行する。


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