ダイヤモンド類似石
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ダイヤモンド類似石(ダイヤモンドるいじせき)あるいは模造ダイヤモンド(もぞうダイヤモンド)は、ダイヤモンド天然石あるいは合成石や外観や質感を模倣したもののことである[1]。つまり、ダイヤモンドの模造品のことである。

イミテーション、イミテーションダイヤ(ダイヤ)、ダイヤモンド・シミュラント(サイミュラント)、ダイヤモンド代用石などとも呼ばれる。
目次

1 概説

2 諸特性の許容値とその差異

2.1 硬度と比重

2.2 光学特性と色

2.3 熱および電気的特性


3 ダイヤモンドとその類似石のまとめ

3.1 ダイヤモンドとその類似石の鉱物特性

3.2 ダイヤモンドで終わるフォールス・ネーム


4 人工合成された類似石

4.1 18世紀以降

4.2 1900年 - 1947年

4.3 1947年 - 1970年

4.4 1970年 - 1976年

4.5 1976年 - 現在


5 天然のダイヤモンド類似石

5.1 ジルコン

5.2 マニア向け珍品

5.3 ファンシーダイヤモンドの類似石


6 ダブレットほか

7 脚注

7.1 注釈

7.2 出典


8 参考文献

9 関連項目

概説

ダイヤモンド類似石は人工合成ダイヤモンドとはまったく異なる。

ダイヤモンド類似石は、その化学特性、物理特性、 内部構造がダイヤモンドのそれと、一部あるいは全部が異なっている[1]。それに対して、人工合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ物理・化学特性を有している。ちなみに資産価値については、現在は他の宝石同様、天然ダイヤのほうが価値がある。

また、加熱や放射線照射により美しく見えるよう人工的に手を加えた、いわゆるエンハンスメント(処理)ダイヤモンドも、ダイヤモンド類似石の定義から除外されている。

ダイヤモンド類似石の代表的なものとしては、
ガラス

プラスチック

セラミック

張り合わせ石[注 1]

プレス(再生)製品

などが挙げられる[1]

最もよく知られたダイヤモンド類似石としては、有鉛ガラス(クリスタルガラス、より具体的にはラインストーン)とキュービックジルコニア (CZ) で、いずれも天然には産しない人工合成石である。その他にも、チタン酸ストロンチウム、合成ルチルといった多くの人工合成ダイヤモンド類似石が1950年代半ばに開発されたが、すぐに廃れてしまい、いまやもう市場で見かけることはない。20世紀末にレーザー研究から開発された材料モアッサナイトもまた、ダイヤモンド類似石として出回りつつある。

ダイヤモンド類似石はその物理的諸特性、具体的には硬度屈折率複屈折熱伝導率などが本物のダイヤモンドと異なるため、鉱物学者や宝石商は主には目視検査で、あるいは適切な測定機器を用いてその真贋を見分けられる。

また水晶などダイヤモンドとは全く組成が異なる鉱物を指して「○○ダイヤモンド」(○○には産地名などが入る)などと呼ぶことがある。こうした名称はフォールス・ネーム (false name) またはフェイク・ジェムストーン (fake gemstone) といい、販売業者が値を吊り上げるなど、手前の都合良いよう勝手にこじつけただけのものである。紛らわしいので、現在はまともな宝石店、ジュエリー・ショップではその使用を避けている。
諸特性の許容値とその差異ダイヤモンドが有する特性については「ダイヤモンドの物質特性」を参照

その特性がダイヤモンドに極めて類似している最先端の人工ダイヤモンド類似石であっても、明らかに模造品だとわかる一つの、ないしは複数の特徴を有しており、ダイヤモンドに精通した専門家であれば、そういった特徴から類似石とダイヤモンドとの見極めができる。宝石学において重要なのは、そうした特徴のうち、とくに非破壊検査により判定できるものであり、その多くは自然光下において視覚的に認識できるものである。


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