ダイハード
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ダイバート」とは異なります。

ダイ・ハード
Die Hard

監督ジョン・マクティアナン
脚本

ジェブ・スチュアート

スティーヴン・E・デ・スーザ

原作『ダイ・ハード
ロデリック・ソープ
製作

チャールズ・ゴードン

ジョエル・シルバー

製作総指揮チャールズ・ゴードン
出演者ブルース・ウィリス
アラン・リックマン
アレクサンダー・ゴドノフ
ボニー・ベデリア
レジナルド・ヴェルジョンソン
ポール・グリーソン
デヴロー・ホワイト(英語版)
ウィリアム・アザートン
ハート・ボックナー
ジェームズ・シゲタ
クラレンス・ギルヤード・Jr(英語版)
アンドリアス・ウイスニウスキー
デニス・ヘイデン(英語版)
アル・レオン
ロレンゾ・カッチャランツァ(英語版)
音楽マイケル・ケイメン
撮影ヤン・デ・ボン
編集

ジョン・F・フィンク(英語版)

フランク・J・ユリオステ

製作会社

ゴードン・カンパニー

シルバー・ピクチャーズ

配給20世紀フォックス
公開 1988年7月15日
1989年2月4日
上映時間132分[1]
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費2,500 - 3,500万ドル
興行収入1億3,980 - 1億4,150万ドル
配給収入??11.8億円
次作ダイ・ハード2
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『ダイ・ハード』(原題:Die Hard)は、1988年に公開されたアメリカ映画。監督はジョン・マクティアナン、脚本はジェブ・スチュアートスティーブン・E・デ・スーザ。主演をブルース・ウィリス、敵のリーダーをアラン・リックマンが務める。別居中の妻に会うため、ロサンゼルスにやってきたニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンが、ドイツ人テロリストのハンス・グルーバー(英語版)率いるテロリスト集団によって占拠された高層ビルで奮闘するアクション。その他、ボニー・ベデリアレジナルド・ヴェルジョンソンウィリアム・アザートンポール・グリーソンハート・ボックナーらが脇役として出演している。原作は1979年のロデリック・ソープの小説『Nothing Lasts Forever』(日本語タイトルは映画と同じ『ダイ・ハード[注釈 1])。タイトルの「Die Hard」は「なかなか死なない」の意。
概要

脚本のスチュアートは、ソープの原作小説を映画化するため、1987年に20世紀フォックスに雇われた。その後、完成したドラフト版は翌年の夏の大ヒットを期待していたフォックスによってすぐに採用された。当初、主人公マクレーン役には、アーノルド・シュワルツェネッガーシルヴェスター・スタローンといった当時のアクション映画の人気俳優たちにオファーされたが断られ、主にテレビドラマで活動していたブルース・ウィリスに白羽の矢が立てられた。500万ドルでオファーを受け、これによってウィリスはハリウッドで最も稼いでいる俳優の一人になった。この契約は、当時の業界関係者の間では投資効果が悪いと見なされ、公開前に大きな波紋を広げた。撮影は1987年11月から1988年3月にかけて行われ、2500万ドルから3500万ドルの予算で、ロサンゼルスフォックス・プラザ周辺でほぼすべてのロケが行われた。

公開前、本作への期待は低く、マーケティングチームは主人公マクレーンと同様に舞台が重要だと判断してウィリスの露出を抑えたマーケティングも行われた。1988年7月の封切り時でも初期のレビューは賛否両論であった。暴力表現やプロット、ウィリスの演技に批判が集まった一方で、マクティアナン監督の演出や悪役ハンス・グルーバーをカリスマ的に演じたリックマンの演技は評価された。予想に反して本作は約1億4千万ドルの興行収入を上げ、その年の興行収入ランキングで10位、アクション映画としては首位の記録を達成した。アカデミー賞には4部門でノミネートされたにとどまらず、ウィリスをスターに押し上げ、リックマンを有名にした。

『ダイ・ハード』は再評価され、現代においては最高のアクション映画の一作とされ、また最高のクリスマス映画の一つにも選ばれている。当時のアクション映画では一般的であった筋肉隆々で無敵のヒーローとは対照的な、脆弱で堕落した主人公としてマクレーンを描いたことで、アクションジャンルを活性化させたとみなされている。本作は多くの模倣作品を生み出し、「ダイ・ハード」という言葉は映画『スピード』が「バスのダイ・ハード」と呼ばれるように、主人公が限定された舞台で圧倒的に不利な状況と戦う物語形式の代名詞となった。続編には『ダイ・ハード2』『ダイ・ハード3』『ダイ・ハード4.0』『ダイ・ハード/ラスト・デイ』があり、そのほかゲームやコミックも含めてシリーズ化(英語版)している。2017年にはアメリカ議会図書館によって、アメリカ国立フィルム登録簿に「文化的、歴史的、または芸術的に重要」として保存されることが決定した。
ストーリー

クリスマス・イヴ。ニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンは別居中の妻ホリーに会うため、ロサンゼルスへとやってきた。ホリーが勤める日系企業ナカトミ商事が開くクリスマス・パーティの席で再会した二人であったが、和解するどころか口論となってしまう。

そんな中、突如現れたハンス・グルーバー(英語版)率いる13名の武装集団がパーティー会場を占拠。警備員を射殺し、パーティーの出席者を人質にし、ビル全体のセキュリティをも掌握してしまう。彼らの狙いは厳重なセキュリティの金庫に保管されている「6億4千万ドルの無記名債券」であり、非協力的なタカギ社長を容赦なく射殺する。

偶然会場から離れていたマクレーンは一人だけ難を逃れ、ハンスらが占拠するフロアから脱出。消火設備を作動させて外部に非常事態を伝えようするが、その存在を知ったハンスが放った追手と銃撃戦になる。いったん出動した消防隊は、ハンスが設備の誤作動だったと通報したため引き返してしまう。マクレーンは警察無線も使って通報するが、なかなか信じてもらえない。念のため確認するよう指示されてやってきたアル・パウエル(英語版)巡査部長は、警備員に扮したハンスの部下の嘘を信じてその場を離れそうになるが、マクレーンは仕留めた実行犯の一人の死体をパウエルのパトカー目掛けて放り投げ、非常事態を伝えることに成功する。

パウエルの報告でロス市警やFBIが出動しビルを包囲するものの、すべて想定済みのハンスの巧みな反撃により、SWATの突入作戦は失敗。さらにハンスは政治思想的なテロリストを装い、警察やFBIの攪乱をはかる。また、ハンスにマクレーン引き渡しの交渉を試みたエリスも射殺される。

後の計画の準備を直接確認中のハンスとマクレーンが出くわす。ハンスは咄嗟に人質の一人の振りをするが、マクレーンはハンスの正体を見抜く。しかし駆け付けたハンスの部下達と激しい銃撃戦となり、裸足の状態でガラスの破片だらけのフロアを脱したため、足の裏に大怪我を負う。満身創痍で弱気になるマクレーンだったが、無線でパウエルに励まされると、パウエルはかつて子供を誤射してしまったトラウマから銃を撃てなくなってしまったことを明かし、マクレーンもまた妻と和解できなかったことを後悔していると明かす。

犯行グループをテロリストだと思い込んでいるFBIは、テロ対策マニュアルにしたがって付近一帯を停電させるが、これこそがハンスの狙いであり、停電の影響で金庫の最終ロックが外れ、まんまと有価証券を奪うことに成功する。また脱出用に要求されたヘリに武装した捜査官を忍ばせるFBIだったが、ハンスの狙いは人質ごと屋上を爆破し、その隙に地下からトラックで脱出する事だった。その狙いに気付いたマクレーンはそれを阻止しようと奮闘するが、横暴なジャーナリスト、リチャード・ソーンバーグの無神経なテレビ中継により、ホリーがマクレーンの妻であることを知ったハンスは、ホリーだけを人質に残す。屋上は爆破され、FBIの乗ったヘリは墜落するものの、なんとか人質たちを避難させることに成功したマクレーンは、自身は消火ホースを使って屋上から脱出。ホリーを人質にしたハンスと対峙する。残り2発しかない弾丸で逆転の奇策に打って出ると、ホリーを救出し、ハンスをビルから転落させる。

ホリーと共にビルから出てきたマクレーンは、無線で友情を交わしていたパウエルと初めて顔を合わせる。ところがそこに、実はまだ生きていた犯人の一人が現れ、自動小銃を撃とうとする。彼をとっさに射殺したのは、トラウマで引き金を引けなくなっていたはずのパウエルであった。大混乱を極めたロスに、ようやく穏やかなクリスマスが訪れるのであった。
キャスト.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}2010年のブルース・ウィリス(左)と2009年のアラン・リックマン(右)。ウィリスは主人公ジョン・マクレーンを演じ、リックマンは悪役ハンス・グルーバーを演じた。
パーティ参加者


ジョン・マクレーン(John McClane)
演 - ブルース・ウィリスニューヨーク市警察本部の刑事(階級は巡査部長)で、最も不運なタイミングで最も不運な場所に居合わせる最も不運で簡単には死なない(不死身の)男。無鉄砲な一面もあるが、偽造された身分証明書を見抜いたり、煙草の銘柄から出身国を推測するなどの刑事としての洞察力が優れており、また屋上やコンピュータ室での銃撃戦でゲリラ戦を展開したり、即席爆弾を作ったりと戦術面や工作面でも高い技術を持っている。妻のホリーはロサンゼルスで働いている。自分はニューヨークの刑事であり、辞められないと話すが、実際はホリーがすぐに舞い戻ると思っていたために同行しなかった。ホリーに誘われて訪れたナカトミ・プラザが占拠されたことを知り、テロリストグループを相手に一人で立ち向かうことになる。


ホリー・ジェネロ=マクレーン(Holly Gennero McClane)
演 - ボニー・ベデリアジョン・マクレーンの妻で、ナカトミ商事の重役。日系の企業では家族持ちは受けが悪いという理由から会社では旧姓の“ジェネロ”を名乗っており、それ故に夫と再会早々に結婚の概念の行き違いから諍いを起こしている。ハンス達の襲撃に遭い、更にはソーンバーグの強引な取材で身元を明かされたために危機に陥るが、最終的には夫であるジョンに助けられた。事件解決後は悪びれもしないでなお取材を続けようとするソーンバーグの顔面に強烈なパンチを見舞う。第2作では、このパンチで歯が2本折れたソーンバーグに告訴されて互いに50m以内への接近を禁止されたことが明らかになる。


アーガイル(Argyle)
演 - デヴロー・ホワイト
(英語版)マクレーンをロサンゼルス空港からナカトミ・プラザまで運ぶ役割を担うリムジン運転手で、今作におけるマクレーンに協力的な数少ない人物。お調子者でノリが良く、以前はタクシー運転手を務めていたこともあって多弁である。ビルの地下駐車場でマクレーンを待つうちに、ハンス達が閉鎖した駐車場から出られなくなってしまう。当初はビルで起きていることに全く気づかず呑気に酒を飲んだり恋人に電話を掛けたりしていたが、リチャードの報道によってようやく事態に気づく。終盤では脱走を図るテオを発見し、運転するリムジンで体当たりを敢行、更にテオを顔面パンチでノックアウトした。事件解決後は自力で駐車場から脱出し、マクレーン夫妻を乗せてナカトミ・プラザを後にした。


ハリー・エリス(Harry Ellis)
演 -
ハート・ボックナーナカトミ商事の重役。軽薄な性格で、夫がいると知りながらしつこくホリーをデートに誘うなどしている。また、エリート意識が非常に高いが、一方ではコカインの常習者であるなど素行はかなり悪い。自身の交渉術を過信しており、マクレーンが単独で抵抗していることを知り、彼をグループに引き渡す事を目論み、友人と偽ってハンスにマクレーンの名前や素性を暴露し、無線で彼に投降を呼びかける役を買って出る。マクレーンはエリスに銃を向けるハンスに「友人ではなく、初対面だ」と必死に説得したが、その説得虚しく、マクレーンが呼びかけに応じないと判断したハンスに射殺された[注釈 2]


ジョセフ・ヨシノブ・タカギ(Joseph Yoshinobu Takagi)
演 -
ジェームズ・シゲタナカトミ商事社長で、ナカトミコーポレーション副会長。1937年京都生まれで、幼少時に一家でカリフォルニアに移住しており、またカリフォルニア大学卒で、ハーバード大学MBA修了である。大戦中は強制収容された経験を持っており、日系アメリカ人として苦学の末に栄達を果たすなどの輝かしき功績も誇っている。テロリストに脅されつつも屈することなく毅然とした振る舞いを見せ、ハンスに3つ数える間に金庫の暗証番号を教えるように脅されても、自分を殺してから東京本社へ行って聞けと拒絶して、ハンスに射殺された。
ジニー(Ginny)
演 - ダスティン・テイラーホリーの部下。妊娠中で臨月を迎えている。
強盗グループ


ハンス・グルーバー
(英語版)(Hans Gruber)
演 - アラン・リックマン強盗グループのリーダーで、西ドイツ民族解放機構(架空の左翼テロ組織)に所属していた元テロリスト。ドイツ人。高級なスーツを着こなした容姿や振る舞いは紳士的だが、実際は極めて冷酷且つ冷徹な性格で、役に立たないと見なした人間は容赦無く殺害する。更に強盗グループ内でも自分の制御が利かないと判断した者を見限るところもある。FBIのテロ対策を先読みする、マクレーンと互いに顔を知らない状態で鉢合わせした時には咄嗟に脱出を試みていた人質を演じる(但しマクレーンからは怪しいと見抜かれており、渡した拳銃も弾丸を抜かれていた)、マクレーンが裸足だとわかると周囲のガラスを撃つように指示を出す、激昂する部下を抑える等の知略や統率力に長けている。エリスの「マクレーンとは長年の友人」という嘘も即座に見抜いた。ビルの金庫に保管された6億4千万ドル相当の債券奪取を目論んでおり、その計画の手始めとしてナカトミ・プラザを占拠し、更には表向きの犯行声明として世界各国で囚われているテログループの解放を要求[注釈 3]する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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