ダイナマイト漁(ダイナマイトりょう)は、水中で爆発物(ダイナマイト等)を爆発させて、その衝撃波で死んだり気絶して水面に浮き上がってきた魚を回収する漁法である[1]。爆発漁法、爆弾漁法、爆破漁、発破漁とも。爆発により生態系を破壊するため、世界の多くの国家では禁止されている。 サンゴ礁で行うと、その爆発の衝撃によりサンゴを破壊し死滅させる[2]。また爆発により魚の浮き袋が破裂しほとんどの魚は海底に沈んでしまう。しかし伝統的な手法の漁に比べ数倍の魚が簡単に獲れるため、東南アジア、エーゲ海および沿岸のアフリカでは、現在でも行われている[1]。 フィリピンでは肥料用のガラス瓶に硝酸塩と起爆剤を入れ導火線で点火する即席の手榴弾が使われている[1]。 日本においては、水産資源保護法第5条で「爆発物を使用して水産動植物を採捕してはならない。ただし、海獣捕獲のためにする場合又は調査研究のため農林水産大臣の許可を受けてする場合は、この限りでない。」[3]とされており、爆発物を用いた漁法は原則として禁止されている。 2001年に北海道では確認されていなかった外来魚のブラックバスが大沼湖沼群の円沼で見つかり、この対策として水中発破による駆除が検討されたが[4]、関連法の抵触もあって中止された。
概要
日本
脚注^ a b c “フィリピン 輝きが陰るサンゴ礁
^ ⇒持続可能な漁業の推進 WWFジャパン
^ “水産資源保護法(昭和二十六年法律第三百十三号)
^ “皇居のお堀でブルーギルと戦う「外来魚ハンター」の誇り”. FRIDAY DIGITAL (2022年1月1日). 2022年7月8日閲覧。
関連項目
石打漁
毒もみ
風の又三郎 - 宮沢賢治の童話。「発破」という名称でダイナマイト漁が登場する。
金正日 - 伝説的に語られた美談のひとつに、ダイナマイト漁を禁止した事が挙げられている。
艦隊これくしょん -艦これ- 爆雷によるダイナマイト漁を行うことができる。
アダムス・ファミリー - 登場人物がダイナマイト漁を行う場面が存在する。
外部リンク
⇒爆弾太平記 - 夢野久作による、大正時代の朝鮮半島近海での爆弾漁をモチーフとした小説。