「大根」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「大根 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ダイコン(大根、蔔、学名:Raphanus sativus var. hortensis)は、アブラナ科ダイコン属の越年草で、野菜として広く栽培される。
地中海または中央アジアの地域が原産といわれており、日本、中国、ヨーロッパなど各地で主に肥大した根を食用とするほか、葉も食材となり[4]、種子から油を採ることもある。根の部分は淡色野菜、葉は緑黄色野菜である。
多くの品種があり、根の長さ・太さなどの形状が多様。日本では白い皮の品種が主流だが、赤、緑、紫、黄、黒などのさまざまな色があり、地域によっては白よりも普通である。
日本においても品種・調理法とも豊富で、世界一大きくて重い桜島大根[注釈 1]、世界一長い守口ダイコンなどの種類があり、日本人の食卓(鍋料理・おでん・沢庵等)には欠かすことのできない野菜となっている。葉はビタミンAを多く含み、青汁の原料として使われる。汁はビタミンCやアミラーゼを多く含む[7]。野菜としての位置づけにおいては、春の七草の一つ「すずしろ」であり、薬味や煮込み料理にも使われるなど、利用の幅は広い。薬草としても扱われ、消化酵素を含有することから、血栓防止作用や解毒作用がある。 古くは「大きな根」の意味で「おほね」(現代かなづかいで書けば「おおね」)と呼び、「大根」の字を当てていたものが、いつしか音読みされて「だいこん」で通るようになった[8]。したがって「大根」は日本以外では通用しない。日本のダイコンは根茎部分が白い品種で、春の七草などにおいてはすずしろ[9](清白)とも呼ばれる。 中国語名は蘿蔔(luóbo ルオポ、簡体字:?卜)または白蘿蔔(báiluóbo パイルオポ、白?卜)。欧米では一般的ないわゆる radish とは種類が異なるため、英語:daikon radish、フランス語:radis blanc、イタリア語:ravanello giapponese のように形容語を冠して区別している。ちなみに radish, radis などはラテン語で根を意味する radix に由来する[8]。 学名においては、標準学名が Raphanus sativus var. hortensis [1]、広義には Raphanus sativus [10]、シノニムは、Raphanus acanthiformis [2]や、Raphanus sativus var. longipinnatus [3]としている。 野菜として栽培される越年草[11]。いわゆる大根とよばれる肥大部は茎と根からなり、品種によって地上に伸び上がるものと、ほとんど地中にあるものがある[11]。根出葉は束生し、倒披針形で羽状に深く裂ける羽状複葉で、頂小葉は大きく、ふつう粗い毛がある[11]。太い主根は主軸が肥大して食用となる。 花期は春で、地上茎が約1メートル (m) ほど立った先に総状花序をつけ、アブラナ属と似た白色または淡紫色の十字状の花をややまばらに付ける[11]。果実は長さ4 - 6センチメートル (cm) で、多数のくびれがあり、くびれ毎に1個ずつ赤褐色の種子が中に入り[11]、種子数はアブラナ属より少ない。 茎は、葉の付け根の低い三角錐部分で、食用は可能だが生食目的での利用はされない。また、一般的に根と呼ばれる食用部分のうち地上部分は、発生学的には根ではなく胚軸に由来する中間的な性質を持っている。青首大根では特に目立ち、ジャガイモ同様、光に応じて葉緑体を発達させる茎の性質を示している。 茎、胚軸、根の区別は道管の位置で区別できるが、ヒゲ根(二次根)でも見分けられる。根の部分は両側一列ずつ二次根が発生し、店先のダイコンではその痕跡
名称
特徴花が咲いた、畑のダイコン
アブラナ属のカブ(蕪)では、丸く肥大する食用部分が胚軸で、根はヒゲ根となって食用にされない[12]。 ダイコンの野生種は見つかっておらず原産地
歴史