ターザン
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この項目では、架空の人物について説明しています。小説については「ターザン・シリーズ」を、その他の用法については「ターザン (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ターザン

ターザン(英:Tarzan)は、アメリカ小説エドガー・ライス・バローズが創造した架空のキャラクター。小説ターザン・シリーズ、及び映画化作品の主人公を務めるが、脇役として登場する事もある

本項では、まず小説版について説明する。映画版については、#映画、TVのターザン以降を参照。なお、日本語表記はハヤカワ文庫特別版SFに準じる。
小説版(オリジン)

小説版は多くの映画と違い、知的な面を持っている(端的には、複数の言語を自在に操る)。また、文明批判の目も厳しい。

本名はグレイストーク卿ジョン・クレイトン。イギリス人であり、その称号の示す通り貴族である(ただし、命名されていないため、本名は父親の名をそのまま受け継いでいる)。

なお、脇役として登場するのは、外伝的作品『石器時代から来た男』と、第4巻『ターザンの逆襲』、少年ものの『ターザンの双生児』2作("Tarzan and the Tarzan Twins"と"Tarzan and the Tarzan Twins with Jad-Bal-Ja, the Golden Lion")である。
特徴

ターザンは野生児として育ったが、由緒正しい貴族の生まれである。彼の特徴は、外見(外面)と内面の両方に渡る。詳細は後述
外見、能力の特徴
筋骨たくましい半裸の男性であり、怒ると額の古傷が赤く浮かび上がる[1]。もっとも、傷の存在は初期に顕著なものの、次第に忘れられていく。超人的な戦闘力を持ち、ナイフロープだけ、あるいはナイフだけでライオンを倒す。素手で類人猿を殺したこともある。視覚、嗅覚、聴覚が鋭い。味覚に関しては独特で、調理済みの肉(つまり料理)よりも生肉を好み、味には無頓着である。複数の言語(人間以外の言語を含む)に通じているほど、頭脳が明敏である。
内面
野性と文明社会のそれぞれに惹かれつつも、そのどちらにも馴染みきれない、という部分を持っている(「イギリス貴族の息子にして野生児」という部分が、既に魅力と矛盾を秘めている)。

当初は彼と家族に成長(経年)が訪れていたが、孫息子の登場(第10巻『ターザンと蟻人間』〈1924年〉)を境に、ターザンから経年(老化)の兆候が見られなくなり、不老長寿、あるいは不老不死の様相を示してくる(両親の船出が1888年5月[2]、結婚がその3ヶ月前[2]である事から、ターザンの生年は1889年、ないしは1888年である。後述フィリップ・ホセ・ファーマーは1888年説を採っている模様)。肉親の出番も見られなくなっていく。

なお、ターザンのモデルについては、ロムルスレムスローマ帝国の建国にかかわる兄弟で、「狼に育てられた」という伝説を持つ)が、参考作品としては『ジャングル・ブック』(ラドヤード・キップリングの小説)が挙げられている。詳細はターザン・シリーズ#参考作品を参照。
2大シリーズとの対比

他のバローズの長期シリーズである火星シリーズ(1912年?)、ペルシダー・シリーズ(1914年?)[3]の場合、主人公はその世界を紹介する側面がある。このため、ジョン・カーター(火星〈バルスーム〉大元帥)、デヴィッド・イネス(ペルシダー皇帝)は、性格や思考は保守的(中立的)であり、物語の中では読者の分身として驚き役を示している[4] 。これに対し、ターザンは彼自身が驚異として読者の前に登場する(つまり、タイトル通り、各シリーズの主役はバルスーム、ペルシダー、アムター〈金星〉、ターザン、といえる)。ただし、第8巻以降は、ほぼ「秘境もの」に転換し、読者の前には新たな世界が驚異として登場する。

また、ヒロインとの関係も象徴的である。3大シリーズの場合、物語は初期において一度完結する(火星は3部作、本シリーズとペルシダーは2部作)。火星、ペルシダーの第1巻では、ヒーローとヒロインは心を通わせるものの、何らかの物理的な要因で引き裂かれてしまう(火星の場合は事故、ペルシダーの場合は狡猾なライバルの邪悪な企み)。しかし、ターザンとジェーンは心を通わせあうものの、それぞれの思惑(心理的要因)によって別れることになる(ジェーンには迷いがあり、ターザンは相手を愛するが故に別れを選ぶ)。この辺りにも、ターザンというキャラクター(物語)の持つ複雑さが表れている。

とはいえ、火星、ペルシダーは最後までデジャー・ソリス、ダイアンがヒロインであり続けたのに対し、ジェーンの登場はほぼ第10巻までで、以後は『ターザンと女戦士』(1936年?1937年)に「妻」が短い出番を与えられているのみ、となっている(名前すら明記されていない)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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