タンポポ_(映画)
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タンポポ
Tampopo
監督
伊丹十三
脚本伊丹十三
製作玉置泰
細越省吾
出演者山ア努
宮本信子
役所広司
渡辺謙
安岡力也
加藤嘉
桜金造
大滝秀治
黒田福美
橋爪功
大?柳太朗
岡田茉莉子
音楽村井邦彦
撮影田村正毅
編集鈴木晄
配給東宝
公開 1985年11月23日
上映時間115分
製作国 日本
言語日本語
配給収入6億円[1]
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『タンポポ』は、1985年日本映画伊丹十三脚本監督による「ラーメンウエスタン」(マカロニ・ウェスタン)と称したコメディ映画[2]
概要

女店主・タンポポが営む売れないラーメン屋を、カウボーイハットのタンクローリー運転手・ゴローとその相棒・ガンが立て直す物語[2]。加えて、様々な「食と欲望」をテーマにしたサブストーリーが挟まる、不思議な構成の作品となっている[2]

ゴローが与太者たちと争い、タンポポに恋慕を残したまま去るという西部劇設定[3]。そこにフランス料理、スパゲッティ、北京ダックなど、食への薀蓄(うんちく)を傾けた奇想天外かつ官能的な挿話が盛り込まれている[3]。また、日本のラーメン・ブームに拍車をかけ、アメリカで大ヒットを記録した作品でもある[3]
キャスト
ゴロー
演 -
山ア努タンクローリー運転手[注 1]。愛車のタンクローリーは三菱ふそう・FT型前期型で、キャビン上部の速度計カバー上に斗牛の角を模した飾りが付いている。「タンポポ」を日本一のラーメン屋にしようとプロデュースすることになる。かつては笹崎拳のリングネームを持つウェルター級ボクサーだった。顔が広く多彩な知り合いがおり、ラーメンや客商売にも精通している。常にカウボーイハットをかぶり、風呂の中でも手放さない。
タンポポ
演 - 宮本信子しがないラーメン屋の店主で未亡人。夫が営んでいたラーメン屋を見よう見まねで受け継いでいた。ラーメンはなかなか上手く作れないが、家庭料理の腕前は上々で、特に漬物はゴローも認めるほど。ゴローと二人三脚で美味いラーメン屋になろうと努力する。
ガン
演 - 渡辺謙ゴローと一緒にタンクローリーに乗っている助手的相棒。タンポポの西洋風調理服を作る。冒頭の車中にてラーメンの食べ方が書かれた本を読み聞かせしたことでゴローと共に我慢できないほど腹を空かせてしまい、タンポポのラーメン屋に偶然立ち寄る。
メインストーリーに関わる人たち
タンポポを手助けする人
ピスケン
演 -
安岡力也ヤクザまがいの土建業者。タンポポとは幼馴染で、毎晩子分連れで店に押し掛けてはしつこく交際を迫っているが、根は一本気で潔い性格。ゴローと一対一で決闘した後に和解し、店のリフォームを引き受け、タンポポに自らの創作メニュー「ネギソバ」を提案する。タンポポに「ケンちゃん」と呼ばれている。愛車は白の2代目後期型ホンダ・プレリュード
センセイ
演 - 加藤嘉ホームレスたちのまとめ役。元産婦人科医だったことからゴローたちから「センセイ」と呼ばれる。病院院長だった頃にラーメン好きの食道楽のせいで病院を妻と事務長に乗っ取られた。ゴローの紹介によりタンポポの指導に当たり、主にスープを担当する。
ショーヘイ
演 - 桜金造[注 2]。モチをつまらせる老人の運転手兼料理人で怪しい関西弁を話す。愛人が銀行に行く際にも運転している。ラーメン好きで、主に麺を担当する。
モチをつまらせる老人
演 - 大滝秀治蕎麦屋で愛人に止められていたすべてのメニュー(天婦羅そば、鴨南蛮、お汁粉)を注文する。お汁粉のモチを喉に詰まらせたところを居合わせたタンポポたちに助けられる。お礼として彼らを自宅に招いてスッポン料理を振舞った上、ショーヘイを仲間に加える。愛人からは「先生」と呼ばれている。
タンポポが偵察に訪れるラーメン屋など
大三元のおやじ
演 -
久保晶タンポポの店の近くのラーメン屋で働く。一応繁盛しているが、ゴロー曰く「味は大したことない」。強面で態度や言動が横柄。タンポポがスープの仕込み中に居眠りした際に見た夢に登場し、タンポポを絞殺しようとした。
弟子たち
演 - 兼松隆、大島宇三郎、川島祐介大三元の店員たち。こちらも横柄な態度や言動で強面、私語や無駄な動きが多く、やたら声だけはでかい。
中華街のおやじ
演 - 高木均それなりに美味いラーメンを作る。タンポポにスープの作り方を教える代金として100万円を要求する。
その隣のおやじ
演 - 二見忠男中華街のおやじの店の隣で中国の服や小物の販売店を経営。タンポポにスープの秘密をこっそりと覘き見させてくれる、ちょっと怪しげなおじさん。
日の出ラーメンのおやじ
演 - 里木佐甫良大三元とは対照的に描かれている美味いラーメン屋のおやじ。ゴローから陰でラーメンの味に太鼓判を押される。
その職人
演 - 都家歌六日の出ラーメンで働く。無駄な動きがなく無言で黙々と美味しいラーメンを作る。
味一番のおやじ
演 - MARIO ABE駅前の立ち食いラーメン屋を一人で切り盛りする。客の注文と順番を暗記する能力に長けている。
中華そば屋コック
演 - 横山あきお中国人らしくカタコトの日本語を話す。ラーメンには自信があるが、タンポポの口車に乗せられて麺作りの秘訣をうっかり漏らしてしまうお人好しな性格。
タンポポが出会うホームレスたち
小さい乞食
演 -
辻村真人親しみやすい人柄でおしゃべり好き。他のホームレスたちと同じく近所の料理屋の味を熟知している。
細長い乞食
演 - 高見映ホームレスになる前の職業などは不明だが、プロ並みのオムライスが作れる[注 3]
顔の長い乞食
演 - ギリヤーク尼ヶ崎のんびりしたもの言いが特徴。「フランス料理は焦げ味との戦い」との持論を持つ。
太った乞食
演 - 松井範雄長年のホームレス生活によりいずれも食通揃いの乞食たちで、身なりは汚れているがよく笑う気のいいおじさん。
赤鼻の乞食
演 - 佐藤昇ワインに造詣が深い。メドック産の80年物のワインを飲んだ時の感想を話す。
合唱する乞食たち
演 - 日本合唱協会タンポポを助けることになったセンセイを見事な合唱で見送る。
サブストーリーの登場人物
白服の男の関係者
白服の男
演 -
役所広司ギャング風で全身白色のコーディネイト[注 4]。かなりの食通で、死に際にも料理について語る。冒頭に前口上風に現れ、その後も本筋とも脇筋とも全く関係なく唐突に登場場面が挿入される。
白服の男の情婦
演 - 黒田福美ボウルに入った生きた車海老を腹に乗せられるなど、白服の男の食道楽に付き合っている。
カキの少女
演 - 洞口依子海女。白服の男が一人で浜辺を訪れた時に、自身が獲った生ガキを食べさせる。
マナー講座の関係者
マナーの先生
演 -
岡田茉莉子西洋料理屋でのマナー講座で、生徒相手に決して音を立てながら食事をしてはならないと教えていたが、台無しになる。
マナー教室の生徒
演 - 坪井木の実根本里生子、他マナーの先生の説明を受けるも、偶然近くで食べていた太った外人の食べ方こそ本場の食べ方と思って真似をする。
太った外人
演 - アンドレ・ルコント西洋料理屋で行われていたマナー講座の近くの席で、パスタをすすったりげっぷを放つなどの騒音を出し、生徒たちが全員真似てパスタをすすって食べる元凶となった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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