タンパク質を構成するアミノ酸
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タンパク質を構成するアミノ酸(タンパクしつをこうせいするアミノさん、: Proteinogenic amino acid)は、タンパク質中に見られるα-アミノ酸であり、二級アミンであるプロリン(かつてはイミノ酸とも呼ばれた)を除き全て一級アミノ酸である。有機体はタンパク質を合成するために遺伝情報中にその細胞機構がコードされていることが必要である[1]。タンパク質を構成するアミノ酸は通常22種であるが、真核生物では21種しか見られない。22種のうち20種は直接コドンに暗号化されている。ヒトはその20種のうち、11種を他のアミノ酸または中間代謝物から合成することができる。それ以外の9種は食事によって摂取しなければならず、それらは必須アミノ酸と呼ばれている。必須アミノ酸はヒスチジンイソロイシンロイシンリシンメチオニンフェニルアラニントレオニントリプトファン、そしてバリンである。残りの2種はセレノシステインピロリシンで、これらは特殊な合成機構でタンパク質に組み込まれる。

タンパク質を構成しないアミノ酸 (non-proteinogenic amino acid) は、タンパク質中に存在しないものか(カルニチンGABA、L-ドーパなど)、直接合成されないものか(ヒドロキシプロリンセレノメチオニンなど)のどちらかである。後者はしばしばタンパク質の翻訳後修飾で生じる。

数種のタンパク質を構成しないアミノ酸を有機体が組み込むよう進化しなかったのには明確な理由がある[2][3]。例えば、オルニチンホモセリンペプチド鎖に逆らって環化してしまい、タンパク質が寸断され半減期が比較的短くなる[4]。また、タンパク質が誤ったアミノ酸(例えばアルギニンの類似化合物であるカナバニン)を組み込んでしまうと毒となる[5]

タンパク質を構成しないアミノ酸は、リボソームでの翻訳を経て合成されない非リボソームペプチドで見られる[6]
構造

下に、真核生物の遺伝情報によってタンパク質合成のために直接暗号化されている21種のアミノ酸の構造と略語を示している。下の構造は一般的な化学構造であり、水溶液中にて形成する双性イオンの状態は示していない。21種のアミノ酸の構造、略語、pKa

L-アラニン
(Ala / A)

L-アルギニン
(Arg / R)

L-アスパラギン
(Asn / N)

L-アスパラギン酸
(Asp / D)

L-システイン
(Cys / C)

L-グルタミン酸
(Glu / E)

L-グルタミン


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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