タンガニーカ湖
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タンガニーカ湖
宇宙から見たタンガニーカ湖(1985年6月)
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タンガニーカ湖全図
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}南緯6度30分 東経29度50分 / 南緯6.500度 東経29.833度 / -6.500; 29.833座標: 南緯6度30分 東経29度50分 / 南緯6.500度 東経29.833度 / -6.500; 29.833
湖の種類Rift Valley Lake
主な流入ルジジ川
マラガラシ川
カランボ川
主な流出ルクガ川
集水域面積231 000 km2
ブルンジ
コンゴ民主共和国
タンザニア
ザンビア

最長673 km
最大幅72 km
水面積32 900 km2
平均水深570 m
最深部1470 m
水量18 900 km3
滞留時間5500年[1]
岸全長11828 km
水面標高773 m[2]

自治体キゴマ、タンザニア
カレミ、コンゴ民主共和国
ブジュンブラ、ブルンジ
ムプルング、ザンビア
脚注[2]
1 岸の長さは厳密な測定によるものではない。
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タンガニーカ湖(タンガニーカこ)は、アフリカ大陸東部のアフリカ大陸の大地溝帯の直上に点在する構造湖の1つである。湖の東岸はタンザニア、湖の西岸はコンゴ民主共和国に面しており、南端部はザンビア、北東端はブルンジに面する。
地誌

タンガニーカ湖は東西方向に約50 km、南北方向に約670 kmと細長い形状で、これは南緯3°25' - 8°45'、東経29°10' - 31°10'の範囲に亘る。湖面の海抜は773 mで、湖岸線の長さは約1900 kmに達する。面積は32,900 km2で、これはアフリカ大陸でヴィクトリア湖に次いで2位、世界で6位の大きさである。深さは平均水深570 m、最大水深1470 mと、こちらはアフリカ大陸で1位、世界ではバイカル湖に次いで2位である[3]。なお、その貯水量は約18900 km3に達する[4]。なお、貯水量もバイカル湖に次いで2位である[3]

集水域は約231,000 km2で、主要な流入河川は、キブ湖から出てタンガニーカ湖北岸へと流入するルジジ川と、タンガニーカ湖の東岸へと流入するタンザニアで2番目に長い河川のマラガラシ川[5][6]、湖畔近くにアフリカ第2の高さの滝であるカランボ滝を擁しザンビアから湖の南端へと流れ込むカランボ川である。さらに、他にも無数の小河川が湖に注ぎ込んでいる。なお、これらの流入河川の中で、最多の河川水を流入させている河川はマラガラシ川である[7]。ただ、年間流入水の湖水に対する割合は、1500分の1に過ぎない[8]。一方で、湖からの流出河川は、西岸のルクガ川のみであるため、湖水の滞留時間が非常に長く、湖水の平均滞留時間は5500年にも及ぶと推定される[9]。なお、ルクガ川は下流でコンゴ川に合流し、大西洋へと注いでいる[10]。そのためタンガニーカ湖は、コンゴ川水系に属する。このルクガ川への流出口は1837年に大規模な地滑りによって塞がれてしまい、1878年までタンガニーカ湖からの流出河川は存在しなかった。これによって湖水位が10 m上昇したものの[11]、1878年に発生した増水によってルクガ川の流出口が復活し[12]、深い流出口が刻まれた結果、元に戻った。

なお、バイカル湖に次いで、地球上に現存する2番目に古い古代湖が、タンガニーカ湖だと言われる[注釈 1]。その間には、やはりタンガニーカ湖の水位が、100 m以上変化していた時期も有ったと考えられている[7]。これだけ長期間、土砂の堆積などで埋まらない理由は、グレート・リフト・バレーが左右に広がりつつ形成された構造湖だからである。また、同様の理由で、タンガニーカ湖の湖岸には沖積平野の発達が見られず、湖岸平野がほとんど発達していない。

タンガニーカ湖の湖底は全域において非常に深いが、特に北部の中央部と南部の中央部に非常に深い湖盆が存在する。北部湖盆は湖面より1250 m以上深く、南部湖盆はさらに深くて1400 m以上に達する。湖の中央部は250 mよりは深いものの、南北湖盆と比べると浅い[10]

このように水深が非常に深い上に、低緯度地方の熱帯気候の地域に位置するため湖周辺での気温の季節変化が非常に少ないなどの理由で、湖水の上下方向の循環が極めて悪く、深層の水は流動せず「化石水」と呼ばれる貧酸素水塊が形成されている。循環が悪いために、湖水は水温によって層を成しており、特に深層部において、この層の崩壊は基本的に起こらない[注釈 2]。しかし、5月から9月に訪れる乾季には強い南風が吹くため、その力によって湖の南端で中層の水が湧昇する。また、それ以外の季節でも湖の南北両端においては、中層からの水の上昇が見られる。この水は栄養分を多量に含んでおり、貧栄養湖であるタンガニーカ湖において、貴重な養分の主な供給源である[13]
アフリカ大湖沼の関係

グレート・リフト・バレーの直上に存在する湖は数多く、例えば、ヴィクトリア湖マラウイ湖などと併せて、タンガニーカ湖もアフリカ大湖沼の一角を成す。グレート・リフト・バレーを細分すると、西リフト・バレー内にタンガニーカ湖は形成された。この西リフト・バレーには、北から順にアルバート湖エドワード湖、キブ湖、タンガニーカ湖の4つの大湖沼が並んで存在している。ただし、このうちアルバート湖とエドワード湖はナイル川水系に属しており、タンガニーカ湖とは分水界が別である。キブ湖のみが南端から発するルジジ川を通じて、タンガニーカ湖と水系が続いている。

なお、遠い将来に、アフリカ大陸が分裂し、これらの湖は、海に変わると考えられている。
生態系 ネオランプロローグス・シリンドリカス

タンガニーカ湖は地球上でも固有種の多い湖として有名で、ここに生息する魚の約8割、貝類の約9割が固有種である。タンガニーカ湖に生息する400以上の動物種のうち、固有種は実に約300種に上る[14]。これは、湖の形成年代が古く、かつ、他の水系からは切り離されて非常に長期間存続した事を物語っている。しかし、ヒトの影響によって、そうして形成されてきた生態系は撹乱されつつある。
魚類

タンガニーカ湖には、多くの淡水魚やデンキナマズ肺魚などが生息する。湖で最も個体数の多い魚はニシン科の2種(Limnothrissa miodonと Stolothrissa tanganicae)と、アカメ科アカメ属Latesの4種の合計6種の遊泳魚で、魚類の現存量の大部分を占ている。しかし種として見れば、これらはごく一部であり、湖からは少なくともシクリッドが300種と、それ以外の魚が150種ほど知られており、その大部分は底生魚である[注釈 3]

湖の魚は、周辺地域に住むの人々の主要なタンパク質源として、漁獲されている。湖の周囲では約800箇所で漁業が営まれ、漁業に直接かかわっている者が約4万5000人、間接的に依存している者は約100万人と言われる。


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