タロム航空
Compania Na?ional? de Transporturi Aeriene Romane TAROM S.A.
TAROM
IATA
ROICAO
ROTコールサイン
TAROM
設立1920年
ハブ空港アンリ・コアンダ国際空港
焦点空港トライアン・ヴイア国際空港
ヤシ国際空港
タロム航空(ルーマニア語:Tarom, Transporturile Aeriene ROManeの略称)は、ルーマニアの航空会社であり、同国のいわゆる「フラッグキャリア」である。原語であるルーマニア語での意味は「ルーマニア航空輸送」である。
歴史
黎明期Bleriot-SPAD S.46
1920年にCFRNAとして設立された。フランス製のポテ15を使ってパリとブカレストとをいくつかの中央ヨーロッパの都市を経由して結ぶ旅客便と貨物便のサービスを行った。1925年にはガラツィがルーマニア国内で初の定期便就航地となり、1926年6月24日までにヤシとキシナウにも就航し国内の就航先を拡大した。ポテ15に加えて10機のデ・ハビランド DH.9と5機のアンサルド A.300を導入し運用した。1928年には名前をSNNAに改称した。1930年にはLARESの名前を採用し、1937年に競争相手であったSARTAとの合併まで使用した。[2]
第二次世界大戦後タロムのIl-18D 1988年マンチェスター空港にてIl-18
第二次世界大戦後、ソ連が影響力を東欧で拡大しており、そのためTARSが1945年8月に設立され、ソ連政府とルーマニア政府で共同で所有された。 国内線のサービスは1946年2月1日にブカレストのバニャサ空港で開始された。後にソ連政府の航空会社の持ち分はルーマニア政府によって買い取られ、そして1954年9月18日にTARSはTAROMの名前へ改称した。1960年までにはTAROMはヨーロッパ中の12都市に就航した。1966年には初の大西洋横断飛行を行った。1974年5月14日にはニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港への定期便の就航を開始した。 50周年記念切手におけるBAC 1-11
ルーマニアは東側陣営地域の国々の一員であったため、そのフラッグキャリアであるTAROMは長い間ソ連製の航空機を使用してきた。具体的な機種としてはLi-2、Il-14、Il-18といった長距離向けのターボプロップエンジン旅客機、Il-62といった長距離向けのジェット旅客機、An-24といった国内線向けのターボプロップエンジン旅客機、そしてTu-154中距離向け3発ジェット旅客機を運航していた。東側陣営の他の国の航空会社と同様、初の長距離ジェット旅客機としてIl-62を1973年に導入、運用が開始された。TAROMが所有していた5機のIl-62(3機のIl-62と2機の最新版のIl-62Mで航続距離10,000 km)は、他の航空会社へのリースも行われた。
ソ連機を導入しなかった例外として、1968年にTAROMがBAC 1-11をヨーロッパと中東路線へ導入したことと、1974年にボーイング707機を長距離旅客機Il-62の路線でともに利用するためとして導入したことだった。1978年にはイギリスとブカレスト近郊のバニャサでBAC 1-11の製造を可能にするRombacに調印した。 同時に、ボーイング707とIl-62の長距離旅客機をニューヨーク路線(アムステルダム経由、のちにロンドン経由、ウィーン経由となる)、アブダビ-バンコク-シンガポール路線、カラチ-北京路線に投入した。 また、TAROMは東側陣営の航空会社で唯一イスラエルのテルアビブに就航していた。
1970年9月14日、ブカレストからプラハに向かうBAC 1-11旅客機が拳銃で武装した男らにハイジャックされた。航空機は西ドイツのミュンヘン国際空港に着陸、男らとその家族5人はハンガリー人で、投降した後に政治亡命を求めた[3]。
1990年代ボーイング737-700 "Craiova" 1990年代の塗装機
1989年のルーマニア革命で共産主義のニコラエ・チャウシェスク独裁政権が崩壊することで、ようやくTAROMは西側の機材を購入することができるようになった。1993年までに、Il-62とエアバスA310を用いてモントリオールとバンコクへの長距離航空路線を開設した。1990年代中、長距離向けの旅客機は、ボーイング707やIL-62に代わって2機のA310を導入し、3機目はリースした。(最後のIl-62は1999年に売れた。) 2001年には不採算路線であった長距離路線のバンコク路線とモントリオール路線を廃止し、そして長らく続いていた大陸間の路線である北京路線を2003年に、シカゴ路線を2002年に、ニューヨーク路線を2003年に廃止した。[4]
国内線でも不採算路線であったクラヨーヴァ路線、トゥルチャ路線、カランセベシュ路線、コンスタンツァ路線を廃止し、ヨーロッパ路線と中東路線に重点を置いてサービスを行っている。2004年は過去10年の中でもっとも収益の上がった年となった。
2000年以降エアバスA318 "Aurel Vlaicu、最新塗装機
TAROMは1990年代に不採算路線が原因で年間6800万ドルを損失していた困難な頃からは回復しつつある。2000年代初頭、TAROMは利益を蓄積することを目標としたプログラムを開始した。これは、不採算路線である大陸間の路線を廃止することで達成された。 TAROMの本社が置かれているアンリ・コアンダ国際空港
TAROMはブカレストのアンリ・コアンダ国際空港とクルージュ=ナポカ国際空港を拠点とすることを決め、シビウ国際空港から直接国際線を運航する事を開始した。コードシェアはいくつかの外国の提携航空会社といくつかの国際線で行っている。
機種のグレードアッププログラムが2006年に始まり、4機のエアバスA318、3機のボーイング737-800、2機のATR 72-500を得た。これによって、2009年での機体数が26機に増えた。
TAROMのマイレージサービスはSmart Milesであったが、2010年6月5日にFlying Blueに変更された。
2010年6月25日に、TAROMはスカイチームの13番目の会員として加盟した。[5] ヨーロッパ諸国を中心に中東地域にも就航している。 タロム航空 就航都市 (2019年現在)
就航路線
国都市空港備考
ヨーロッパ
ルーマニアブカレストアンリ・コアンダ国際空港ハブ空港
ルーマニアクルージュ=ナポカクルージュ=ナポカ国際空港
ルーマニアシビウシビウ国際空港焦点都市
ルーマニアバイア・マーレバイア・マーレ空港
ルーマニアヤシヤシ国際空港
ルーマニアオラデアオラデア国際空港
ルーマニアサトゥ・マーレサトゥ・マーレ国際空港
ルーマニアスチャヴァスチャヴァ空港
ルーマニアトゥルグ・ムレシュトゥルグ・ムレシュ国際空港
ルーマニアティミショアラトライアン・ヴイア国際空港