タブノキ
タブノキ
分類
タブノキ(椨の木[3]・椨、学名: Machilus thunbergii)とはクスノキ科タブノキ属の常緑高木である。別名、イヌグス[4][3][5]・タマグス[4][5]・クスタブ[4]・ヤブグス[4]とも称される。単にタブ(椨)とも。ワニナシ属(Persea、アボカドと同属、熱帯アメリカなどに分布)とする場合もある(学名: Persea thunbergii)。タブノキ(タブ)に当てた漢字「椨」は国字で、タブの「ブ」を「府」で表したものである[6]。 日本の本州以南、朝鮮半島南部、中国、台湾、フィリピンに分布する[7]。日本において一般には東北地方南部の海岸寄り、関東地方の海岸寄り、中部地方南部から四国・九州・沖縄・八丈島・小笠原諸島の森林に分布し[4][5]、特に暖地の海岸近くの丘陵地などに多く自生する[3][8][9]。暖地に生える樹木であるが、耐寒性や耐塩性もあり、東北地方の海岸沿いでは純林も見られる[10][7]。東北地方の山形県飽海郡遊佐町吹浦にタブノキの自然林があり、日本海上に浮かぶ飛島にも群落が見られる[4]。 照葉樹林の代表的樹種のひとつ。公園などでもよく見られる[11]。古くから樹霊信仰の対象とされ、日本各地に巨木が残っており、神社の「鎮守の森」によく大木として育っている[8]。また横浜開港資料館の中庭の木は「玉楠」と呼ばれ有名である。 常緑広葉樹[12]。大高木で、樹高は20 - 30メートル (m) ほどになり、太さも3.5 mに達する場合がある[3][8]。成長のスピードは速く[8]、株立ちで大きくなる[9]。樹皮は暗褐色から淡褐色、褐色でほぼ滑らか[3][11]。皮目と縦筋がある樹皮が多いが、横筋が目立つものもある[11]。若い枝は緑色で無毛[3][11]。 葉は互生して枝先に集まる傾向があり、葉の長さは8 - 15センチメートル (cm) 、倒卵状長楕円形、全縁で葉先も円みを帯びている[3][5]。革質で硬く、表面はつやがあって深緑色、裏面は灰白色[3][5]。若葉は、上向きに伸び、赤味を帯びる[11][8]。 花期は4 - 6月[7][5]。新葉とともに枝先に円錐花序を出して、黄緑色であまり目立たない小さな花を多数咲かせる[3][8]。花被は6個ある[3]。果期は7 - 8月[3]。果実は直径1 cmほどの球形の液果で、はじめは淡緑色であるが、夏に黒紫色に熟す[7][5]。同じクスノキ科のアボカドに近い味がする。 冬芽は枝の先につき、黄褐色の毛のある芽鱗に包まれ、卵形で大きく丸くふくらむ[11]。大きな冬芽の中に花と葉が入った混芽で、芽鱗は多数重なる[11]。 日陰に強く、潮風にも比較的耐えることから、海岸近くの防風の機能を有する樹種(防風樹)として知られる[9][13]。
分布・生育地
特徴
利用
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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