タツノオトシゴ
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タツノオトシゴ属 Hippocampus
ポットベリード・シーホース
Hippocampus abdominalis
分類

:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:条鰭綱 Actinopterygii
:トゲウオ目 Gasterosteiformes
亜目:ヨウジウオ亜目 Syngnathoidei
:ヨウジウオ科 Syngnathidae
亜科:タツノオトシゴ亜科 Hippocampinae
:タツノオトシゴ属 Hippocampus

学名
Hippocampus
Rafinesque, 1810
タイプ種
Hippocampus coronatus
和名
タツノオトシゴ(竜の落とし子)
英名
Seahorse

本文参照

タツノオトシゴ(龍の落とし子)は、トゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属 Hippocampus に分類されるの総称。狭義にはその中の一種 Hippocampus coronatus の標準和名としても用いられる。およそ魚には見えない外見と、オスが育児嚢で卵を保護する繁殖形態が知られた分類群である[1]

別名はウミウマ(海馬)、カイバ(海馬)、ウマノコ(馬の子、日本各地)、ウマノカオ(馬の顔、富山)、リュウノコマ(竜の駒、神奈川県三崎)、ウマヒキ(馬引き)、リュウグウノコマ(竜宮の馬、和歌山)、ウマウオ(馬魚)、タツノコ(竜の子、高知)などがある[1]。英名でも Seahorse(シーホース : 海の馬)と呼ばれる[1][2][3][4]
特徴

すべてが熱帯から温帯の浅いに生息する海水魚で、一部の種は汽水域にも進入する[1]。成魚の大きさは全長1.4cmのインドネシア産 H. satomiae から全長35cmに達するオセアニア産 H. abdominalis まで種類によって差があり、体表の色や突起なども種類間、または個体間で変異に富む。

同じ科に組み込まれたヨウジウオ類と同じく、体はが変化した環状の硬い甲板に覆われ、凹凸がある。口は小さいが管状のが前方に突き出ていて、吻のつけ根に目がある。尾鰭はないが尾は長く、普段は尾を海藻サンゴなどに巻きつけて体を固定する。ほとんどの魚は前後に伸びた姿勢をとるが、タツノオトシゴ類は体を直立させ、頭部が前を向く姿勢をとる[2][3][4]。この姿がウマの外見に通じることから「竜の落とし子」「海馬」「龍宮の駒」、あるいは "Seahorse" などの名前がつけられたものとみられる。およそ「魚」の概念からかけ離れた外見ではあるが、よく見ると前に曲がった首のあたりに小さな鰓孔と胸鰭があり、背中にもこれも小さな背鰭がある。

主に熱帯・温帯域の沿岸浅海に生息する。種類・個体数とも多いのは、尾を絡めて身を隠せるものがある岩礁域・藻場サンゴ礁などの環境である。ただしいくつかの種類は流れ藻について外洋を漂うことがある。泳ぐ時は胸鰭と背鰭を小刻みにはためかせて泳ぐが、動きは魚にしては非常に遅い部類である[4]。しかし体表の色や突起が周囲の環境に紛れこむ擬態となっており、海藻の茂みなどに入りこむとなかなか見分けることができない。

食性は肉食性で、魚卵、小魚、甲殻類など小型の動物プランクトンベントスを吸い込んで捕食する[1][4]。動きは遅いものの捕食は速く、餌に吻をゆっくりと近づけ瞬間的に吸い込む[1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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