この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: "タスマニアデビル"
タスマニアデビル
タスマニアデビル Sarcophilus harrisii
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン:真核生物 Eukaryota
界:動物界 Animalia
門:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
綱:哺乳綱 Mammalia
目:フクロネコ形目
Dasyuromorphia
科:フクロネコ科 Dasyuridae
亜科:フクロネコ亜科 Dasyurinae
属:タスマニアデビル属
Sarcophilus F. Cuvier, 1837[2]
種:タスマニアデビル S. harrisii
学名
Sarcophilus harrisii (Boitard, 1842)[2]
シノニム[2]
Ursinus Harrisii Boitard, 1842
和名
タスマニアデビル[3]
フクロアナグマ(袋穴熊)
英名
Tasmanian devil[2]
タスマニアデビル (学名: Sarcophilus harrisii) は、哺乳綱フクロネコ形目フクロネコ科タスマニアデビル属に分類される有袋類。フクロアナグマ(袋穴熊)とも呼ばれる。 以前はオーストラリア南部広域に分布していた[2]。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
分布
形態
出典検索?: "タスマニアデビル"
体高
30 cm程度
体長(尾を含まない)
50 - 60 cm
尾の長さ
20 - 30 cm
体重
雄10 - 12 kg、雌6 - 8 kg
フクロオオカミ絶滅後は、現生では最大の肉食性有袋類である。黒色(または黒褐色)の毛に覆われており、たいていは胸・腰のあたりに白い模様がある。耳の被毛は薄く、興奮すると血色が透けてピンクや赤色が鮮明になる。
上顎部の2本の鋭い牙は、一生伸び続ける。尻尾には脂肪がためられるようになっており、栄養状態の悪い個体の尻尾は細い。
走るときには後ろ足を揃えて出すため、後ろ足よりも前足の方がやや長いことと相まって、ユーモラスな動きになる。四肢に鋭い爪を備えているが、攻撃用ではなく、巣穴の土掘りに活躍する。子供の頃は身が軽く、低木によじ登ることもできる。若い個体が木登りできるのは、母親の背中によじ登る習性の故である[4]。
有袋類の特徴である育児嚢は、カンガルーと異なり、後ろ向きについている。これは四足歩行で土を掘り返す習性のためで、袋の中に土が入らないようになっている。本種よりも穴掘りがずっと得意なウォンバットや木登りをするコアラの育児嚢も同じく後ろ向きである。
通常あまり臭わないが、ストレスを感じたり興奮したりすると強い体臭を発する。視力は弱いが、優れた嗅覚と聴覚を持っている。
デビル顔面腫瘍性疾患詳細は「デビル顔面腫瘍性疾患(英語版)」を参照
画像ファイル:重篤なDFTDに罹患したデビル[5]
デビル顔面腫瘍性疾患(デビルがんめんしゅようせいしっかん、英: devil facial tumour disease、米: devil facial tumor disease、DFTD)は、タスマニアデビルの顔面や頚部に発生する致死性の悪性腫瘍(癌)である。単にデビル病(デビル癌)とも呼ばれる。繁殖や餌の争奪時における咬傷を通じて癌細胞自体が臓器移植のように他のデビルに直接伝染するとみられている。1996年に初めて発生が報告されてから被害は急速に拡大している。
多くは口の周囲に発生し、徐々に頭部・頚部など周辺組織に浸潤して病変部は拡大してゆく。転移する頻度は高く、主にリンパ節・肺・脾臓などが侵される[6]。腫瘍の肥大化により口や目が塞がれ、餌を取れなくなることで餓死に至る。多くは発症から6か月以内に死亡するが、1年に及ぶ生存例も少数ながら報告されている[7]。長期生存個体の免疫学的・遺伝学的解析が期待されるものの、2009年末の時点で有効な治療法は確立されていない。2008年7月26日のタスマニア地元紙マーキュリーにて、変異した病原体が、少なくとも9体発見されたという報告が発表された。
DFTDは腫瘍であるにもかかわらず、野生の個体間で伝染性に広がってゆく特徴を持つ。発生以後、DFTDの原因、治療法などの研究が多くの大学機関・病理学者によって行われ、その病態が徐々に明らかにされつつある。当初は環境汚染物質の影響[8]や腫瘍ウイルスの感染症が疑われたが、2010年、DFTD腫瘍25株の大規模遺伝子解析から、腫瘍は身体接触を介して個体から個体へ伝播すること、末梢神経を保護するシュワン細胞に由来する腫瘍であることが確認された[9][10][11]。また、シュワン細胞で特異的に発現されるペリアキシン(英語版)(periaxin)というタンパク質が存在していることから、ペリアキシンはDFTDの診断マーカーや治療法開発に利用できる可能性がある。
一方、染色体の核型研究により、DFTD癌細胞の際立った特徴が明らかにされている。タスマニアデビルの染色体は通常7対14本だが、DFTDの癌細胞には13本しかなく、しかも性染色体を含む5本の欠失に加え4本の異常染色体が出現するなど、複雑な再構成が生じている[12]。