タクティカルシューター
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タクティカルシューター(: Tactical shooter)とは、シューティングゲームのサブジャンルである。ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)とサードパーソン・シューティングゲーム(TPS)の両方をカバーする。現実の銃撃戦をゲーム内で再現しているため、他のアクションゲームと比べると素早い反射動作よりも戦術や注意力が重要となる。タクティカルシューターの中でも、特に軍隊での戦闘を伴うものはMilSimsと呼ばれることがある[1][2][3]
ゲームデザイン

IGNによると、タクティカルシューターでは「注意(caution)、警戒(care)、協力(cooperation)、連携(coordination)、計画(planning)、ペース配分(pacing)」が重要とされている。このジャンルのゲームでは、迷いのない攻め、カバーのための素早い立ち回り、戦略的な後退、そして最終的な目標物の奪取が、ゲーム内で勝つために大切であるだけでなく、プレイを楽しむために必要な行動として設計されている[4]。GameSpewのDavid Treharne氏は、タクティカルシューターが成立するための要素として
「プレイヤーの移動が現実と同じように制限されていること」

「弾道や精度がリアルにシミュレートされていること」

「分隊単位でのプレイまたは複数のアプローチやスタイルをゲーム中に利用できること」

「低耐性または低ヘルス(HP)のリアルなダメージモデルを使用していること」

を挙げている[5]。さらに、このジャンルのゲームの特徴として、「一般的なシューティングゲームよりもプレイヤーの移動が遅く、精度が格段に低く、弾薬の距離減衰があり、プレイヤーには指揮をする分隊があり、プレイヤーが死ぬまでに2?3発しか銃を撃てないことが多い。」と彼は述べている。

タクティカルシューターはリアルさを追求したゲームである[6]。一発の銃弾で死ぬことも珍しくないため[7]、他のシューティングゲームよりも慎重にならざるを得ない[6]。 武器のリアルな造形が重視され[8]、他のアクションゲームに比べて武器の性能強化が制限されていることが多い[9]。そのため、他のシューティングゲームに見られるようなプレイヤー個人のヒロイズムが抑制され、戦術(タクティクス)がより重要になる[10][11][12]

全体的に、タクティカルシューターのプレースタイルは他のアクションゲームに比べてゆっくりとしている。これはゲームプレイにおける罰則が著しく多いためである[13]。リアルさを追求するためにジャンプ操作に重点がおかれないこともあり、中にはジャンプボタンがないゲームもある[14]。走りながら撃つゲームとは対照的に、タクティカルシューターでは(味方の援護射撃を利用する、開けた場所を避けるなど)慎重さや忍耐力が要求される[15]。また、タクティカルシューターでは通常、走っている間は射撃精度が下がり、しゃがみや伏せの姿勢では射撃精度が上がるように設計されている[16]。プレイヤーは、精度は低いが広い範囲を見渡せる腰からの射撃(hippie)か、精度が高いが視界が狭くなるスコープ/アイアンサイトの使用(ADS、Aim Down Sight)を選択することになる。『Unreal Tournament(UT)』内のInfiltration MODのようなタクティカルシューターゲームでは、より現実に近いゲームプレイを実現するために、他のFPSに見られるクロスヘア(レティクル)が存在しない[17]

多くのタクティカルシューターゲームでは、プレイヤー・キャラクターを他のチームメイトがサポートするような集団戦闘を採用している。初期のタクティカルシューターでは、コンピュータ制御された単純なチームメイト(ボット)が支援を行っていたが、後のゲームではゲームAI(人工知能)が進化し、クロス配置を使った援護射撃などより複雑な行動をとるようになった[18]。ゲームAIが十分に発達したゲームでは、プレイヤー・キャラクターが他のコンピュータ制御のキャラクターに命令を出すことができる[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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