タイリクモモンガ
タイリクモモンガ
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
タイリクモモンガ(大陸小?鼠、Pteromys volans)は、ネズミ目(齧歯目)リス科リス亜科モモンガ族モモンガ属に分類されるモモンガの一種[1]。
種の学名Pteromys volansの意味は「飛ぶ翼のある鼠」で、Pteromysがギリシャ語で「翼のあるネズミ」、volansがラテン語で「飛ぶ」をそれぞれ意味する[6]。2006年の夜にフィンランドのクラウカラで撮影されたタイリクモモンガ。 ユーラシア大陸北部に幅広く分布する[1]。その生息範囲はフィンランド北部・エストニア・ラトビアからロシア連邦(サハリン州を含む)・モンゴル・中華人民共和国(中国)の西北部および東北部・朝鮮半島と広範囲にわたる[1]。なおカムチャツカ半島には分布していない[7]。 また今泉吉典(1949)は北海道産の亜種(エゾモモンガ)をP. v. orii (Kuroda) に分類したほか本州・九州に生息しているモモンガ(後のニホンモモンガ)を別亜種P. v. amygdali (Thomas) に分類したが、ニホンモモンガはエゾモモンガと陰茎骨の形態が全く異なっていることが判明したため後に別種として記載された[4]。 体長は15 - 20センチメートル・尾長10 - 12センチメートル程度[11]。北海道に生息する亜種エゾモモンガの場合、頭胴長は15 - 16センチメートルで尾長は10 - 12センチメートル[12]・体重は100 - 120グラム[12]。
分布・分類
P. v. volans (Linnaeus, 1758)[2] - 基亜種。フィンランド・エストニア・ラトビア・リトアニア・ベラルーシ[8]・ロシア連邦(本土およびシベリア)・モンゴル・中国(新疆ウイグル自治区・内モンゴル自治区・黒竜江省・吉林省・遼寧省・河北省・北京市・山西省・湖南省)に生息[9]。
エゾモモンガ P. v. orii (Kuroda, 1921)[2] - 日本の北海道に分布する固有亜種。岸田久吉(1924)・黒田長礼(1938)らにより分類された[4]。
カラフトモモンガ[10] P. v. athene (Thomas, 1907)[2] - サハリン(樺太)産の亜種[2]。岸田(1924)・黒田(1938)らが記録[4]。
朝鮮半島産の亜種チョウセンモモンガ P. v. aluco (Thomas) [3] - 黒田(1938)が記録[4]。朝鮮半島では朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)および大韓民国(韓国)で記録されている[1]。
P. v. buechneri Satunin, 1903[2] - 中国の青海省・甘粛省・寧夏回族自治区・四川省に生息[9]。
形態・生態詳細は「エゾモモンガ」を参照