タイリクハクセキレイ
Motacilla alba
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
タイリクハクセキレイ(大陸白鶺鴒、学名 Motacilla alba)は、スズメ目セキレイ科に分類される鳥類の一種。
なお、日本の本州以北で見られるハクセキレイ(白鶺鴒、学名 Motacilla alba lugens)は本種の一亜種で、過眼線が入る。また、西日本では過眼線が入らないホオジロハクセキレイ(学名 Motacilla alba leucopsis)も観察される。
特徴「ハクセキレイ」も参照
体長は 16.5 - 21cm 程度でスズメとムクドリの中間くらいだが細身。長い尾羽を絶えず上下に振る姿が特徴的である。
頭部および胸部が黒色、背中が黒または灰色、頬は白色、腹部は白色でわずかに灰色がかる。雌雄同色だが、オスは夏羽で比較的黒色が濃い場合が多く、若鳥は一般に灰色がかる。過眼線の有無や頭胸部の黒色部分の大きさは亜種毎に異なる(#亜種を参照)。
生態水面付近で飛ぶ虫を捕まえるハクセキレイ M. a. lugens
食性は雑食で、主に虫などを捕らえて食べる。水辺や草原などを歩きながら獲物を探すことが多いが、飛んでいる虫を捕らえることもある。
非繁殖期は分散して生活し、群れはつくらない。繁殖期になると番いで縄張り分散し、オスはさえずりで縄張りを主張したり、接近した他の個体を追い回したりする様子が観察される。このとき同属他種も縄張り争いの対象となる。
繁殖は一夫一婦で、4-8月にかけて番いで造巣、産卵、抱卵、育雛を行う。巣は主に川べりの土手などに草などで作るが、都市環境に適応した種は人工物に造巣する場合もある。21×15mm 前後の卵を 3-8個ほど産み、概ね 12日で孵化、その後概ね 14日で巣立つ。カッコウの托卵対象となることがある。
飛翔時に鳴く。 ユーラシアのほぼ全域およびアフリカ北部に分布し、10 亜種に分類されている(右図参照)。 ここでは各亜種および近縁種の主な分布域について記す。en: は英名を表す。 (A) はインド?日本型、(C) は中央アジア?ヒマラヤ型、(E) はヨーロッパ?シベリア型を表す。[1][2]
分布
亜種
ヨーロッパ
Motacilla alba alba (E)
ヨーロッパ大陸(イベリア半島からウラル山脈にかけてと地中海の島嶼)、アイスランド、グリーンランド東岸
Motacilla alba yarrellii (E) ホクオウハクセキレイ [3]
イギリス、アイルランド
アフリカ
Motacilla alba subpersonata (C)
モロッコ
西・中央アジア
Motacilla alba dukhunensis (E)
西シベリア平原からカスピ海東岸にかけての中低地(ロシアの一部、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン)
Motacilla alba persica
イラン(カスピ海南部)
Motacilla alba personata (C) メンガタハクセキレイ [4]