タイフーン(Typhoon)及びミニタイフーン(Mini-Typhoon)は、イスラエルのラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズが開発した艦載兵装の搭載システム。
砲安定装置とリモートウェポンシステムを組み合わせた装置であり、開発したラファエル社では、口径30mm以下の機関砲を想定したタイフーンをNaval Stabilized Weapon Station[1]、より小型で機関銃を想定したミニタイフーンをNaval Stabilized Machine Gun System[2]と分類している。
1995年には哨戒艇により試験が行われ、1997年にはウルトラ型哨戒艇に搭載されることで初輸出に成功している[3]。 軽量で艦体の甲板をくりぬくこと無く、甲板上に据え付けることで運用が可能なシステムである[1]。システム自体の有する弾道計算機能や姿勢制御機能を用いたRWSとしての遠隔操作のみならず、艦の有する機器との連動や手動による運用も可能となっている[4]。 大型艦の近接防御火器として、また小型艦艇の主砲としての売り込みが行われており、特にミニタイフーンは荒天下や厳しい海況でも活動する哨戒艇の主力装備の市場に眼目が置かれている[5]。ラファエル社のUSVであるプロテクターの火器としても、ミニタイフーンが用いられている[6]。 タイフーン[4]ミニタイフーン[5]
特徴
要目
砲30mm以下[1]、同軸機銃、
チャフ、デコイ、ミサイルなど7.62mm機関銃、M2、GAU-17、
40mmグレネードランチャー
弾数[注 1]200以下
M242の場合168[7]230以下
電気光学照準装置CCD、FLIR、LRFCCD、FLIR
旋回角度左右160度360度
俯角20度
仰角45度60度
重量1000kg以下140 - 170kg
安定性0.5ミリラジアン
バリエーション
タイフーン[1]
Typhoon GSA:機関砲(Gun)及び艦対空ミサイル(SAM)を搭載したもの。
Typhoon DSA:デコイとSAMを搭載したもの。
Typhhon GS:機関砲とSPIKE-ERミサイルを搭載したもの。
Typhoon G:20mmか23mmの機関砲と電気光学照準装置を搭載したもの。
Typhoon MLS:SPIKE-ERもしくはSPIKE-NLOSミサイルを搭載したもの。
Mk 38 25 mm 機関砲 Mod2
ミニタイフーン
Mini-Typhoon SSM:機関銃と小型のミサイルを搭載したもの[2]。
Mk49 Mod 0:アメリカ海軍向けの型[5]。ジェネラル・ダイナミクスとの共同開発。
採用国
アメリカ合衆国
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦
イスラエル
サール4.5型ミサイル艇
シャルダグ級哨戒艇
スーパードヴォラMk.II級哨戒艇(英語版)
スーパードヴォラMk.III級哨戒艇(英語版)
プロテクター USV - ミニ・タイフーン
オーストラリア[8][9]
アンザック級フリゲート
アーミデール級哨戒艇
トブルク (揚陸艦)
キャンベラ級強襲揚陸艦
ホバート級駆逐艦(予定)[10]
シンガポール[11][12]
エンデュアランス級揚陸艦
フォーミダブル級フリゲート
プロテクター USV - ミニ・タイフーン
スリランカ
ウルトラ型哨戒艇[13]
ニュージーランド
アンザック級フリゲート
モルディブ
ウルトラ型哨戒艇
ギャラリー
アーミデール級哨戒艇の主砲。M242を搭載。
手動で訓練中のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ミッチャー」の搭載砲。
アンザック級フリゲート「パラマッタ」の後部。格納庫上両舷にミニタイフーンが装備されている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 口径に依存
出典^ a b c d “ ⇒Typhoon”. Rafael Advanced Defense Systems. 2012年9月18日閲覧。
^ a b “ ⇒Mini-Typhoon”. Rafael Advanced Defense Systems. 2012年9月18日閲覧。
^ “ ⇒Typhoon G/Mini-Typhoon (Mk 49)/BAE Systems Mk 38 Mod 2 (Israel), Guns and rocket launchers”. Jane's Information Group. 2012年9月18日閲覧。
^ a b c “ ⇒Typhoon Naval Stabilized & Remotely Operated Gun System”. Rafael Advanced Defense Systems. 2012年9月18日閲覧。