タイタニア
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この項目では、田中芳樹SF小説およびそれを原作としたアニメについて説明しています。その他の用法については「タイタニア (曖昧さ回避)」をご覧ください。

タイタニア
ジャンルSF[1]
小説
著者田中芳樹
イラスト#刊行リストを参照
出版社徳間書店講談社
レーベルトクマ・ノベルズ講談社ノベルス
刊行期間1988年12月 - 2015年2月
巻数全5巻
漫画
原作・原案など田中芳樹
作画ガンテツ
出版社講談社
掲載誌月刊少年シリウス
レーベルシリウスKC
発表号2008年5月号 - 2011年12月号
巻数全9巻
アニメ:TYTANIA -タイタニア-
原作田中芳樹
監督石黒昇
シリーズ構成金巻兼一(1話 - 13話)
岸間信明(14話 - 26話)
キャラクターデザイン杉光登
音楽高木洋
アニメーション制作アートランド
製作TYTANIA26PARTNERS
放送局NHK BS2
放送期間2008年10月 - 2009年3月
話数全26話
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル漫画アニメ
ポータル文学漫画アニメ

『タイタニア』は、田中芳樹の長編スペースオペラ小説。またこれを原作とするアニメ、漫画の関連作品。
概要

1988年に徳間書店から新書(トクマ・ノベルズ)で第1巻を刊行したが、1991年に第3巻まで刊行されたところで中断した。20年以上間をおいて、2013年9月に4巻が発売された[2]。この間、スクウェア・エニックスEXノベルズから再刊、さらに2008年9月からはアニメ放送と連動して講談社文庫にて新装版が刊行され、放映終了後の2010年4月にはこの3作品をまとめてアニメ版第1話DVDをつけた初回限定版が講談社ノベルスから刊行された。

月刊少年シリウス』2008年5月号から2011年12月号まで漫画版が連載された(画:ガンテツ)。テレビアニメは2008年10月より2009年3月までNHK-BS2で放送されその後、NHK総合テレビにて2009年4月から放送された。

2009年3月、『衛星アニメ劇場』に田中芳樹がゲストで登場し、続編の執筆を宣言した。2010年4月に刊行されたアニメDVD付き初回限定版『タイタニア』の著者特別寄稿でも続編執筆を宣言し、第4巻の副題は「烈風篇」であると述べた。田中は漫画版単行本の最終9巻(2011年12月刊)にも寄稿し、翌年(2012年)には原作新刊の執筆予定があることを述べている。「烈風篇」は、2013年6月3日に脱稿、同年9月25日に講談社ノベルスから刊行された。講談社ノベルス版「烈風篇」の巻頭には、アニメ版の監督を務めた石黒昇への献辞が掲げられている。「烈風篇」の脱稿後に執筆が始まった『アルスラーン戦記』を脱稿した後、『タイタニア』の最終巻である第5巻の執筆に移る予定であることが発表され[3]、2015年2月5日に「凄風篇」として最終巻が発売された。2015年1月時点で累計部数は1500万部を記録している[4][注 1]

完結後にkikubonにて岸尾だいすけの朗読で全巻オーディオブック化された[6]
あらすじ

広大な宇宙に進出した人類は多数の星間国家を築いたが、その大半は実質的にタイタニア一族の支配下にあった。星暦446年、宇宙都市国家エウリヤはある権益を巡るトラブルからタイタニアの攻撃を受けるが、タイタニア五家族当主の一人アリアバート公爵率いる強大な宇宙艦隊を、意外にも撃退してしまう。だが、タイタニアを破った司令官ファン・ヒューリックは、タイタニアとの裏交渉を画策していた市長の忌避を買ってエウリヤを追われる。ファン・ヒューリックを迎え入れるか、さもなくば抹殺しようとするタイタニア、反タイタニア勢力の双方による争奪の末、ファン・ヒューリックは宇宙海賊「流星旗軍(ブレイズ・フラッグ)」の一派の中核としてタイタニアと戦うことになる。ファン・ヒューリック一党はタイタニア一族のアルセス伯爵を殺害し、その兄で五家族当主の一人ザーリッシュ公爵の艦隊を惑星バルガシュで壊滅させた上、ザーリッシュその人も殺害する。さらに、アリアバートとの再戦でもこれを討ち破る。

そうしたさなか、タイタニアの本拠地「天の城(ウラニボルグ)」で、タイタニア一族の長である無地藩王アジュマーンの暗殺未遂事件が起こる。これを巡ってタイタニアに内紛が生じ、アリアバートとジュスランの両公爵の艦隊と「天の城」を総べるイドリス公爵のタイタニア当主同士の戦いとなり、ファン・ヒューリック一党もこれに巻き込まれていく。アリアバートの指揮で勝利を目前にして、藩王の命で停戦となるが、藩王の姦計でアリアバートは謀殺される。乱戦の末、「天の城」は崩壊し、藩王とイドリス、ジュスランとの直接対決の結果、藩王も当主たちも姿を消し、強大であったタイタニアは自壊に至り、人類宇宙は後に「大空位時代(ザマーナ・マサフィン)」と呼ばれる時を迎える。
登場人物詳細は「タイタニアの登場人物」を参照
ジュスラン・タイタニア
四公爵の1人。主に政治・外交を担当する。
アリアバート・タイタニア
四公爵の1人。主に軍事を担当する。バランスの取れた人物。
ザーリッシュ・タイタニア
四公爵の1人。主に軍事を担当する。猛将。
イドリス・タイタニア
四公爵の1人。主に内政を担当する。四公爵の中では次期藩王への意欲が最も強い。
アジュマーン・タイタニア
当代の無地藩王。
アルセス・タイタニア
ザーリッシュの弟。伯爵。
ファン・ヒューリック
不本意ながら軍人となったタイプであるが、その軍事的才能から反タイタニアの中心人物となる。
登場勢力

原作にない設定については個別に標記する。
タイタニアとその属国
タイタニア
先祖は星間都市連盟の要人だったが、星暦228年、一族全員が莫大な資産を手にヴァルダナ帝国へ亡命、形式的には帝国の一貴族となった。翌年、連盟軍との間のブラウンワルト星域の会戦に圧勝、やがてヴァルダナ帝国の実権を握り、人類宇宙を牛耳る最強の一族となる。当主ネヴィルは封土の下賜を固辞し、藩王の位のみを授かり「無地藩王(ラントレス・クランナー)」と呼ばれることになる。第2代無地藩王ヌーリィの5人の子がそれぞれに一家を立て、その一族の中から代々の無地藩王が選ばれている。本拠地はヴァルダナ帝国主星リュテッヒの衛星軌道上にある人工天体「天の城(ウラニボルグ)」。国家権力そのものに執心しないが、一族の安泰と経済利権確保のためなら政治や軍を動かすことにためらいはなく、逆らうものは国でも個人でも容赦なく潰される。反面、忠実で有能な人物であれば出自を問わず厚遇する鷹揚さを併せ持つ。家名の由来は妖精の女王
タイターニアから。「この世のどこにも存在しない姓」として元の姓から改めた。自分たちは俗人の王族よりさらに高い存在だ、という一族の誇りが現われている。旗下に10万隻余の艦隊戦力を配備している。勢力下の国家群は直接的に支配するのではなく、軍事力と有り余る資金によって、傀儡政権による間接統治、大手企業の株式の買い占め、将来の技術の中核になるような技術の買収、星間航路の安全確保、希少資源の独占、などの手段によって実質的に支配し、莫大な富を得ている。反抗さえしなければ一方的な収奪や弾圧、苛政が行われるわけではないため、一般市民はタイタニアによる支配を甘受し、当たり前のものとしている。
ヴァルダナ帝国
かつては星間都市連盟の最大の敵であったが、勢力差は歴然としており、かなり差をつけられての2番手に甘んじていた。上述のように、連盟の有力者であるタイタニア一族の加入により勢力が逆転し、星間国家の最大勢力となるが、その実タイタニアの傀儡となっている。歴代の皇帝や貴族たちは不満を募らせつつも何もできずにいた。
テュランジア公国
タイタニアの属国の一つだが、大公の死と共に反タイタニア派が実権を掌握して反抗、しかしシラクサ星域会戦においてアリアバートに艦隊を撃滅されて平定される。アニメ版ではジュスランが調停に乗り出すが失敗。
エルビング王国
いくつかの鉱山以外めぼしい産業はない小国。資源が枯渇しており、王位継承問題などの問題が重なり、第二王女がタイタニア(ジュスラン)に借金の申し込みに行き、保護下に置かれている。アニメ版ではタイタニアから忠誠の証として鉱山を差し出すよう要求され、窮地に陥る。
カサビアンカ公国
ミランダの祖国。30年前にタイタニアによって滅ぼされ、公室は解体した。「正直じいさん」号の内装は公国の高級ホテルを模したもので、船内の「窓」にはカサビアンカの山々の映像が表示されている。アニメ版ではリラを失ったショックで正直じいさん号を逃げ出したヒューリックが一時期訪れている。後に正直じいさん号に戻ったヒューリックは「エーメンタールよりずっといい星だった」とミランダに語っている。
AJ連合
ウラニボルグに反旗を翻し、手を組んだジュスランとアリアバートの呼称。この呼称はあくまでバルガシュ政府で使用されている。
アニメオリジナル

惑星カガノート
かつて治安もよく栄華を誇っていたが、シラクサ星域会戦以後は星間航路が乱れて流通経路が断たれ、荒廃して見る影もない。物資も乏しくなり物価が高騰、住民達の中にも盗み、タカリも出るようになり、治安も悪化している。ドールマン率いる「流星旗軍」が本拠地を構えていた。
惑星エスタール
元々は流刑地だった「辺境中の辺境」の砂漠の星。治安は悪く、タイタニアの駐留軍も士気は緩み、上層部は腐敗している。
その他の国家・組織
星間都市連盟

多数の都市国家からなる勢力。通称「連盟(リーグ)」。この連盟が発足した年(西暦2530年)をもって星暦元年とする。連盟は国家ではないので首都は置かず、1年に1回連盟に参加するどこかの都市が総会を開く「連盟代表都市」となる。また、事務処理のために事務局が置かれ、その長は総会が選出する事務総長が務める。

かつては人類社会の最大勢力であったが、タイタニア一族の離脱により衰退し、かつての余光により何とか勢力を保っている。常備軍は保持せず、会戦前の連盟都市の合議によって連盟軍艦隊の編成人事が組織される仕組み。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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