イギリスのロックバンド、キンクスのアルバムについては「ソープ・オペラ (アルバム)」をご覧ください。
ソープオペラ(英: soap opera) は、通常ロングランのラジオまたはテレビのドラマ・シリーズ。メロドラマ、アンサンブル・キャスト、感傷的なストーリーを特徴とすることが多い[1]。石鹸製造会社がラジオ・ドラマのスポンサーとなっていたことから「ソープオペラ」と呼ばれるようになった[2]。これ以前より西部劇を指す「ホースオペラ」という言葉があった。
1950年よりBBCラジオで放送された『The Archers
』が世界最長ロングランのソープオペラのラジオ番組となった[3]。1960年よりITVで放送された『コロネーション・ストリート』が世界最長ロングランのソープオペラのテレビ番組となった[4]。1937年にラジオ番組として開始し、1952年にテレビ番組に移行し、2009年に最終回を迎えた『ガイディング・ライト』が世界最長ロングランのソープオペラ番組となっている。複数のエピソードに亘りストーリーが展開し、最終回を設定せず開始する。ソープオペラのテレビ番組の定義の1つとして、1話完結でなく、ストーリーがのちのエピソードに続いていく[5]。2012年、『ロサンゼルス・タイムズ』コラムニストのロバート・ロイドは、メロドラマ的な出来事でも、ストーリーを詰め込むのではなく自然に見えるように贅沢に時間を使い、1シーズン週1回の計22エピソードであれば5-6行で済む台詞が、毎日放送されるソープオペラであれば何ページにも引き延ばされることがある。端役の出演時間も増え、誰が悪役かもわかりにくくなる[6]。
ソープオペラは複数のストーリーラインが同時進行し、交差し、以降の展開に繋がる。ソープオペラの各エピソードは一般的に、複数の同時進行するストーリーが入れ替わり、互いに影響し合い、またはそれぞれのストーリーが独立して進むこともある。各エピソードでは現在進行形のストーリーが複数取り上げられることもあるが、常に全てが取り上げられるわけではない。平日昼間に放送されているものは特に、ストーリーも俳優もある程度のローテーションがあり、1週間のうち数エピソードで取り上げられることはあっても通常は全てのエピソードで取り上げられるとは限らない。ソープオペラでは現在進行形の全てのストーリーを同時に完結させることはほとんどない。1つのストーリーが完結しても、複数の他のストーリーがそれぞれ独自に展開していく。通常、ソープオペラのエピソードおよびシーズン間に放送のない期間がある場合のシーズン最終回はなんらかのクリフハンガーで終わり、次回のエピソードまたは次のシーズンも視聴しなければ解決できないようになっている。
夜に放送される、あるいは週1回放送されるソープオペラは各エピソードにほぼ全てのレギュラー出演者が登場することが多く、各エピソードで現在進行形の全てのストーリーが取り上げられることが多い。夜に放送されるソープオペラや連続テレビドラマは1年のうちの放送期間が限られているため、シーズン最終回は劇的な展開になることが多い。
1976年、『タイム』誌は、ソープオペラの視聴者たちは熱心であり、広告収入を最大限にするため複数の30分番組を1時間に拡大するなどアメリカの昼間のテレビを「巨大市場」と位置づけた[7]。上記の記事によると、夜に放送される連続テレビドラマの多くが赤字となり、昼間の番組は制作費の数倍の利益を得ていた[7]。この記事が掲載された号では、ソープオペラで初めてスターとなった『デイズ・オブ・アワ・ライブス』の出演者のビル・ヘイズ、スーザン・シーフォース・ヘイズが表紙に登場した[8][9]。夫婦となった2人はソープオペラ専門誌だけでなく主要メディアで劇中でも実生活でもその熱愛が取り沙汰されていた[10]。
日本では昼ドラがそれにあたり、専業主婦層をターゲットとする関係上、P&G、花王、ライオンといった洗剤メーカーの一社提供あるいは筆頭提供が一般的で、特に「東海テレビ制作昼の帯ドラマ」における大半の作品がソープオペラの基本的なストーリーがそれに近いものの、そのソープオペラは昼に放送されるとは限らない。 1930年10月20日、シカゴのAMラジオ局WGNで放送開始した『Painted Dreams ソープオペラの定義の主な特徴は、家族生活、人間関係、恋愛関係、感情や道徳観の対立に重点を起き、時事問題を取り扱うこともあり、舞台は主に馴染みやすい家庭内で、時折目新しい場所になる場合もある[14]。これらの特徴から、多くのソープオペラが特定の居住地または職場での日常を描き、あるいは大家族に焦点を当てている。ストーリーはこれらの登場人物の日常生活や人間関係を描いている。メロドラマの映画のようにソープオペラのストーリーはイギリスの哲学者スティーブ・ニールが示す「偶然の機会、偶然の一致、すれ違い、突然の心変わり、危機一髪の救出劇や発覚、デウス・エクス・マキナの結末」が起こる[15][16]。これらの要素は『イーストエンダーズ』から『ダラス』まで多くのソープオペラに散見される[15]。 多くのソープオペラにおいて、特にアメリカの昼間の連続ドラマにおいて、その登場人物は魅力的、魅惑的、裕福であることが多い。イギリスやオーストラリアのソープオペラはより大衆的な登場人物や環境に焦点を当て、労働階級に設定していることが多く、家族の不和、婚姻の破綻、経済問題など社会的リアリズムに沿った内容となっている[17]。両国のソープオペラはコメディ要素が高く、噂好き、偏屈爺などコミカルなステレオタイプが登場し、周囲を混乱に陥れる。アメリカではコメディのソープオペラは滅多にない[5]。イギリスのソープオペラは現実を表現または現実的であるとされることが多く[18]、また特定の場所でその場所に特化したステレオタイプを登場させることが多い。例えば『イーストエンダーズ』はロンドンのイーストエンドでの厳しい生活に焦点を当て、『コロネーション・ストリート』は北部の率直な話し方をステレオタイプとして描いている[19]。"もし降板した俳優を復帰させたければ常に方法がある。大体、ひねったり操作したりする方法を見つけることができる。役として死んだとしても死体が映ることはめったにない。映したとしても悪役の双子のきょうだいとして復帰させることができる。? 1992年、『ジェネラル・ホスピタル』のライン・プロデューサーおよびディレクターのマーリナ・ラード[20] 恋愛関係、秘密の関係、浮気、憎悪などが多くのソープオペラの基盤となっている。アメリカの昼間のソープオペラにおいて、最も人気のある登場人物やストーリーは恋愛小説に登場するようなものであることが多い。浮気、突然の出会い、不倫などのストーリーが複雑に織り込まれ、視聴者は目が離せなくなる。誘拐、レイプ、殺人の犯人役であっても、継続中のストーリーに関わっていれば罰せられない場合もある。 イギリスとオーストラリアのソープオペラも恋愛は重要視される。ロシアの最も人気のあるストーリーは犯罪またはオリガルヒに恋愛を絡めたものである。 それまで存在の知られていなかった生き別れの子供またはきょうだい、悪役である場合を含む双子の片割れなどが突然登場して人間関係をかき乱し、どんでん返しや活性化を行なう。結婚や出産などの人生の局面に際し、現実にはありえない頻度で予期せぬ悲劇に見舞われる。 20世紀にアメリカで展開されたストーリーテリングの様式の1つであるコミック・ブックと同様、登場人物の死は永続的とは限らない[20]。『ザ・ボールド・アンド・ザ・ビューティフル』において、テイラー・ヘイズ(ハンター・タイロ)の心電図が停止し葬儀が行われた。2005年に再登場し、テイラーは亡くなったのではなく昏睡状態だったと軌道修正された。
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あらすじ