ソード・ワールド短編集
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『ソード・ワールド短編集』(ソード・ワールドたんぺんしゅう)は、架空のファンタジー世界フォーセリアを共通の舞台とし、複数の著者によるシェアード・ワールド[1]として発表されている短編小説集。1冊に付き3-6編の中短編を収録し、2008年4月の時点で25冊が富士見書房富士見ファンタジア文庫より刊行されている。また、同じ手法で作られた長編作品は、ソード・ワールド・ノベルと称される。小説に登場する人物の能力やモンスター魔法アイテムなどは、テーブルトークRPGであるソード・ワールドRPGのルールに基づいており、巻末に付属するデータでその内容を確認することができる。
編者・著者・イラストレーター
編者

一部の作品を除き、短編集の編者(監修)は安田均が担当している。例外として編者が水野良と安田均の共同名義である『ただひとたびの奇跡』、山本弘と安田均の共同名義である『スチャラカ冒険隊、南へ』、そして1人の著者が収録された短編全てを執筆したために編者が存在しない『ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』と『死者の村の少女』がある。
著者

短編集に小説を執筆した著者は、25冊の時点で28名を数える。山本弘・清松みゆき藤澤さなえ・水野良・高井信などが多くの短編を執筆している[2]。著者はほぼ全てがグループSNEの関係者だが、『戦乙女の槍』に収録された短編は一般公募した「ソード・ワールド短編コンテスト」の優秀作であり、本職の小説家の作ではない[3]
イラストレーター

『死者は弁明せず』までの短編集では、ほとんどのイラスト米田仁士が担当していた。以降の作品では様々なイラストレーターが起用されている。長編であるソード・ワールド・ノベルやソード・ワールドRPGリプレイ集から派生した短編では、元になった作品のイラストレーターがそのまま担当することが多い。
短編集の背景世界

ソード・ワールド短編集の背景世界は、剣と魔法の世界フォーセリアであり、一部を除きアレクラスト大陸を舞台とする。アレクラスト大陸と同じフォーセリアに存在する、ロードス島クリスタニアが舞台となる小説は発表されていない。年代はアレクラスト大陸を舞台とするソード・ワールドRPGと同じ新王国暦520年ごろと推定できるが、短編内で具体的な年月が示されることは少ない。複数の作家によるシェアード・ワールド作品のため短編は個々に独立しており、一部の連作シリーズ作品・リプレイや長編小説からの派生作品を除き、連続性や関連性は希薄である。アレクラスト大陸には多くの国家や地域が存在するが、各地を舞台とした小説内でそれぞれに個性のある様子が描写されている。『バブリーズ・リターン』に収録された「尻っぽのともだち」でグラスランナーの生活が語られたり、『ゲート・デーモンの仮面』収録の同名短編でリザードマンの行動様式が明かされたりしている点も合わせ、ソード・ワールドRPGのワールドガイドとしての側面も持っているといえる。
短編集のテーマ

3冊目である『ふたりのラビリンス』からは、短編集ごとにテーマが設定されるようになった。使用されたテーマには「モンスター」「ライバル」「コマンドワード」「異種族」などがある。『スチャラカ冒険隊、南へ』や『バブリーズ・リターン』など、収録短編全てで同じ冒険者パーティを主役(テーマ)にした短編集も存在する。特徴的なものとしては、「旅人たちの国 ロマール」をテーマとし、収録された3編の登場人物が同じ場所・同じ時間軸上ですれ違うクロスオーバー作品である『ロマールの罠』がある。また、明確なテーマこそ無いものの、収録された4編の時間が連続し、その全てで「イオドの宝」というアイテムを登場させた『へっぽこ冒険者とイオドの宝』もあげられる。
リプレイ集のパーティが主題の短編集

ソード・ワールド短編集には、ソード・ワールドRPGのリプレイ集で活躍したパーティを主題とした小説のみで構成された短編集がある。同じ登場人物を複数の著者が描くことで、キャラクターの様々な面を掘り下げることが出来る一方、著者ごとの解釈の違いにより矛盾が発生している点もある[4]
『スチャラカ冒険隊、南へ』
リプレイ第1部、通称スチャラカ編のパーティを主人公とする短編集。第1部完結後、南へ向かった一行の冒険を描いている。この小説のあとがきは、パーティメンバーのケイン役として参加していたプレイヤーが担当している。
『バブリーズ・リターン』
リプレイ第3部、通称バブリーズ編のパーティを主人公とする短編集。イラストレーターがリプレイを担当した中村博文から竹浪秀行に変更されている。
『集え!へっぽこ冒険者たち』『踊れ!へっぽこ大祭典』
新ソード・ワールドRPGリプレイ、通称ヘッポコーズ編のパーティを主人公とする短編集。この2冊以外にもヘッポコーズを描いた短編があり、別の短編集に収録されている。短編集のタイトルに「へっぽこ(ヘッポコ)」を冠する作品は合計で5冊ある。
『ぺらぺらーず漫遊記』『ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』
新ソード・ワールドRPGリプレイNEXT、通称ぺらぺらーず編のパーティを主人公とする短編集。『ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』は他の短編集と異なり、リプレイの著者である藤澤さなえがすべての短編を執筆している。この2冊以外にもぺらぺらーずを描いた短編があり、別の短編集に収録されている。
連作シリーズ

ソード・ワールド短編集には、著者・登場人物が共通の連作シリーズがある。代表的なものは以下の通り。
羽根頭冒険譚
著者は水野良。「羽根頭」と名乗り、各自が目印として頭に鳥の羽根を挿している冒険者パーティが主人公の連作短編。「羽根頭」の基本メンバーは、幸運神チャ・ザの神官戦士である"鴉羽根"のライス、
ハーフエルフの精霊使いである"鵡羽根"のリーライナ、魔術師である"梟羽根"のチェペル、ドワーフの石工にして戦士である"燕羽根"のオスター。5編が発表されている。同じ著者の長編『魔法戦士リウイ』シリーズとは対照的で、地味な話が多い[5]
迷探偵デュダ
著者は高井信。ドワーフの賢者デュダが主人公で、相棒のエルフであるリュークと共に様々な事件に巻き込まれる連作短編。短編4編、さらにソード・ワールド・ノベルとして長編小説(著者:安田均・高井信)が5冊刊行されている。ソード・ワールドRPGのバリアントとして、デュダRPGリプレイ集も刊行された。
赤い鎧
著者は清松みゆき。西部諸国のベルダインを舞台に、衛視長補佐である貴族ポール・ギューゼルバーン、女盗賊のレニ、戦士を目指す騎士見習いのグラスランナーであるランプ、衛視バンドールなどが活躍する連作ミステリ。4編が発表されている。作品ごとに語り手の変わる一人称の小説である。第一作の時点から提示されている大きな謎があるが、真相が明かされる解決編が発表されていない。
外伝・スピンオフ

ソード・ワールド短編集には、ソード・ワールド・ノベルやソード・ワールドRPGリプレイ集から派生した短編がある。長編・リプレイの前日譚や後日譚などの外伝的小説、脇役に焦点を当て主人公としたスピンオフ的な小説などである。長編『死せる神の島』を例に挙げると、前日譚として「立ち枯れの森」(『ロマールの罠』収録)が、後日譚として「緑の都市」(『ふたりのラビリンス』収録)と「父と子の剣」(『瞳輝ける夜』収録)がある。「父と子の剣」以外の2作品には長編の主人公であるバートが登場しないため、スピンオフ小説ともいえる。更に「立ち枯れの森」は『アイテム・コレクション』の後日譚でもある。

『死せる神の島』以外の派生短編については、後述の作品リストを参照。
ソード・ワールドRPGとの関係
ソード・ワールドRPGシナリオ集

「神官戦士が六人」(『ナイトウィンドの影』収録)は、シナリオ集『ユニコーンの探索』に収録された同名のシナリオを原作としている。「ただ一度の奇跡」(『ただひとたびの奇跡』収録)は、シナリオコンテスト受賞作品集『バラールの館』と関係している[6]
データ・セクション

短編集の巻末に付属するデータは、小説内で登場した人物などの能力をソード・ワールドRPGのルールに基づきデータ化したものである。これは参考データとされており、厳密に適用すると小説内の描写と矛盾することもある(使用できないはずの魔法を使っている、など[7])。また、小説での登場が初出となる魔法・モンスター・アイテムなども多く見られ、一部はデータの修正を行ったうえで『ソード・ワールドRPG 完全版』や『ソード・ワールドRPG ツアー』において正式に採用されている。
作品リスト


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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