ソーシャル・キャピタル
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2014年7月)

ソーシャル・キャピタル(英語: social capital)、社会関係資本(しゃかいかんけいしほん)とは、社会学政治学経済学経営学などにおいて用いられる概念。人々の協調行動が活発化することにより社会効率性を高めることができるという考え方のもとで、社会の信頼関係、規範ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念である。人間関係資本(にんげんかんけいしほん)、社交資本(しゃこうしほん)、市民社会資本(しみんしゃかいしほん)とも訳される。また、直訳すると社会資本となるが、概念としては区別される(以下参照)。

基本的な定義としては、人々が持つ信頼関係や人間関係社会的ネットワーク)のこと、と言って良い。上下関係の厳しい垂直的人間関係でなく、平等主義的な、水平的人間関係を意味することが多い。しかし、この語には実に多様な定義がある。以下のPortes (1998) の文献によれば、共同体社会に関する全ての問題への万能薬のように使われている言葉である。1990年代終わりからは学会外でも社会的に有名な語となった。
概念とその発展

ソーシャル・キャピタルという概念は19世紀から存在しており、ジョン・デューイが1899年の『学校と社会』でこの語を用いているのを見ることができる[1]アメリカ合衆国ヴァージニア州西部の農村地域の視学官であったL.J.ハニファンにより、1916年、学校がうまく機能するためには、地域や学校におけるコミュニティ関与が重要であると論じる論文の中でも、この語は使われた。1961年、ジェイン・ジェイコブズが論文の中でこの言葉を復活させ、ネットワークの価値に関する言葉として用いたが、明確な定義はなかった。

初めてまとまった説明をしたのは1972年のピエール・ブルデューである(しかし明確な定義は1984年)。ブルデューは、人間の持つ資本(あるいは社会的資源価値一般)を、文化資本、経済資本、社会関係資本の3つに分類した。彼の言う社会関係資本とは人脈である。彼は社会的地位再生産の議論において、これらの資本を多く持つ人ほど、進学や就職において有利であり高い社会的地位につくことができるとした。その後アメリカ合衆国社会学者ジェームズ・コールマンはGlenn Louryの1977年の定義を用い、1988年や1990年の文献でこの概念を発展させ有名にした[2][3]。コールマンの言うソーシャル・キャピタルとは、ヒューマン・キャピタル人的資本)と対応する概念である。コールマンによれば、ヒューマン・キャピタルは個人が持つものだが、ソーシャル・キャピタルは、人と人との間に存在する。具体的な内容としては、信頼、つきあいなど人間関係、中間集団(個人と社会の間にある、地域コミュニティーの組織やボランティア組織など)の3つを含むものである。この定義は多義的にすぎるとの批判もあるのだが、アメリカ社会学において広く受け入れられ、近年、非常に有名な概念となった。この背景には、米国における地域コミュニティの衰退や、過度な個人主義への反省が、米国内においても存在するという事情があると言ってよい。

コールマンやアンソニー・ギデンズは、これを重要な社会概念として彼らの議論の中に取り入れた。さらに1993年、アメリカ合衆国政治学者ロバート・パットナムが『Making Democracy Work』(邦訳『哲学する民主主義』)の中で、イタリアの北部と南部で、州政府の統治効果に格差があるのは、ソーシャル・キャピタルの蓄積の違いによるものだと指摘した。これがきっかけとなり、同書での「ソーシャル・キャピタルとは、人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会的仕組みの特徴」であるとする定義が広く理解されるに至った。パットナムによれば北部の方が効率的な統治制度をもつのは、中世から続く市民社会の伝統があるからだとし、水平的で自発的な市民同士の活動や自発的な団体の存在が民主主義にとって重要であることを提起した。米国の地域社会の推移を描き出したパットナムの著書『Bowling alone』(邦訳『孤独なボウリング』)も米国でベストセラーとなった。

ソーシャル・キャピタルの概念を端的にいえば、「社会問題に関わっていく自発的団体の多様さ」「社会全体の人間関係の豊かさ」を意味するといえる。あるいは地域力、社会の結束力と言ってもよい。多くの友人と付き合うか、地域のスポーツクラブのような組織に属しているか、公の問題を討議できる団体に入っているか、近所の人と雑談するかなど「顔の見える付き合い」すべてを指すといっても過言ではない。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:25 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef