ソニック・ザ・ヘッジホッグ
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「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のその他の用法については「ソニック・ザ・ヘッジホッグ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ソニック・ザ・ヘッジホッグ
Sonic the Hedgehog
ソニックシリーズのキャラクター
初登場作品ラッドモビール
作者中裕司
大島直人
安原広和
キャラクターデザイン大島直人(オリジナルデザイン:クラシックソニック)
上川祐司(アドベンチャー以降:モダンソニック)
英語版声優ライアン・ドラモンド(英語版)(1999-2004)
ジェイソン・グリフィス(英語版)(2005-2010)
ロジャー・クレイグ・スミス(2010-現在)
ベン・シュワルツ(ザ・ムービー)

日本語声優金丸淳一(1998-現在)
中川大志(ザ・ムービー)

ソニック・ザ・ヘッジホッグ(: Sonic the Hedgehog)は、セガビデオゲームに登場するキャラクター、ゲームタイトルそのもの、およびマスコットキャラクターの一人。通称ソニック。また、スピンオフ作品である漫画アニメーションにも登場している。
概要

姿は、青いハリネズミ(英語でヘッジホッグ)を擬人化したもので、生みの親はキャラクターデザイナーの大島直人、ゲームデザイナーの安原広和、プログラマーの中裕司である[1]。特技は音速より速く走れることで[2]、この能力は彼の登場するゲーム上では重要な部分を占め、[3]また、彼そのものを指す大きな特徴でもある。

100万本以上の販売が見込めるゲームと、セガのマスコットとなるキャラクターとして生み出された[4]。以降、ソニックは世界で最も知られたビデオゲーム・キャラクターの一人となり、彼の名前を冠したゲームは2011年4月までに全世界で7000万本以上を売り上げている[5]

2005年にはマリオリンクと共に、メトレオンの「ウォーク・オブ・ゲーム」に最初に選ばれたゲームキャラクターの一人となった。2008年にはイギリス売り上げNo.1の新聞「デイリー・テレグラフ」による最も好きなゲームキャラクターのアンケート調査で堂々の第一位に選ばれた[6]。さらに、ソニック・ヘッジホッグというタンパク質とこれをコーディングする遺伝子の名前にもなっている。

マッキャンエリクソンカスタマーインサイトディレクターのデビッド・マッコーガンは、アジア人Made in Japanを楽しくて、おしゃれで、品質がいい、未来の象徴と考えており、アジアの歴史において最も影響力のある人物として、マリオとソニックをあげている[7]

ソニックシリーズ初代作品であるMD版(海外ではジェネシス)のソニック・ザ・ヘッジホッグは海外では1991年6月23日、日本では同年7月26日に発売されている。

1998年5月31日には、日本の第1号の立体商標として登録されている[8]

2007年には「マリオ&ソニック AT北京オリンピック」にて、長年ライバルとされてきた任天堂のマリオと初めて競演し、それ以降、たびたび彼との競演する機会が増えている。

2012年11月2日に公開されたディズニー映画『シュガー・ラッシュ』には、敵役であるエッグマンと共にカメオ出演している。

セガグループ再編に伴い、2015年4月1日付で知的財産権はセガからセガホールディングスへ移動した。

2016年5月5日には、アメリカニューヨーク州ロチェスターにあるザ・ストロング国立遊び博物館が発表する世界ビデオゲームの殿堂に第1作目が選出され、殿堂入りを果たした[9]
歴史
ソニックの誕生

1990年4月、セガはマリオに対抗するため、100万本以上の販売が見込めるゲームと、セガのマスコットとなるキャラクターを要求した[10]。第8研から複数の案が提出され、その中にはアルマジロマイティー・ザ・アルマジロの元となった)、イヌオオカミ、肥満のセオドア・ルーズベルト(Dr.エッグマンの元となった)、ウサギ(耳を伸ばして物を集めるという案があり、のちにこの案はリスター・ザ・シューティングスターに取り入れられた)などがあった[11][12][13][14]

大島直人はニューヨークを訪れ、これらの候補の描かれたプラカードを持って、通行人にどの案がいいかを聞き出した[15]

その結果、当初「ミスター・ニードルマウス」(ニードルは、マウスはネズミの意で2つの語を組み合わせた和製英語)のコードネームで呼ばれていた[4]ハリネズミが一番多く選ばれ、その次に選ばれたのがルーズベルトだった[4][15]

大島はこのハリネズミが「ジェンダーや人種といった様々な違いを超えて受け入れられた」と感じた[16]

そして、音速の意であるソニック、ハリネズミの意であるヘッジホッグから、キャラクターの正式名称が「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」に決定した。
ゲーム製作の開始

15人のグループがメガドライブ版『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を作り始め、自分達をソニックチームと名乗るようになった。

ゲームのサウンドトラックはDREAMS COME TRUE中村正人が作曲した(メガドライブ版のソニック1作目、2作目のBGMを担当)。セガはDREAMS COME TRUEの「WONDER 3」ツアーのスポンサーとなって、ツアーバスにソニックを描いたり、ゲームの広告が載ったパンフレットを配布したり、ゲーム発売以前にゲームの場面をステージで上映して広報に努めた[17]
ソニックのデザインと設定

ソニックのキャラクターデザインにあたり、子どもでも描けるような単純なデザインと、当時のアメリカを示すようなクールな雰囲気を表すことが求められた[16][15]。安原からの度重なる注文に対して大島が「描いてみろ」と言い返した際、安原はソニックを簡略化したイラストを描いてみせた[15]。大島はそのイラストを気に入り、のちに企画書や日本語版の取扱説明書に採用された[15]。大島は、Game Developers Conference2018の中で、「デザインした当時は良いキャラクターは単純な線で構成されていると思っていた」と述べ、強い個性を持たせることは考えておらず、「つながった目と青いハリネズミという二つの要素に、どこかで見たような安心できるキャラクターを作りたいと考えていた」と振り返っていた [15]

ソニックのコバルトブルーのカラーリングはセガおよびソニックチームのロゴに合わせたものである。身体の色がコバルトブルーになった原因にまつわる物語はDisney Adventures、Garfield Magazineなどの子供向け雑誌に、ゲームの販促漫画として掲載された。のちにこの漫画を翻案した作品が、イギリスで出版されたMike Pattendenによるキャラクター本「Stay Sonic」に収録された[18]。この物語によればソニックが初めて超音速で走ったときの衝撃波が彼の体を青く染め、針を流線型にさせたと説明されており、これ以降、Egmont Fleetway社の「ソニック・ザ・コミック(英語版)」などイギリスで出版された漫画の多くがこの説を踏襲している。

ソニックの靴はマイケル・ジャクソンが『バッド』のプロモーションビデオで履いていた靴を元にデザインされ、カラーはサンタクロースをイメージして赤となった。

ソニックの性格は、1992年アメリカ合衆国大統領選挙の候補者だったビル・クリントンが期間中に展開したキャンペーンGet it done を基にしており[12][19][20][21]、クールさを表現するためにやや尊大なキャラクター付けにした [15]

大島は、セガの重役たちがキャラクターを理解しやすいよう、「ソニックはもともと、とげとげの髪型からハリネズミとあだ名された戦闘機パイロットがノーズアートに用いていたもので、退役後に彼が娶った絵本作家はソニックを主人公にした物語を書いた。」という背景設定を作り上げ、この物語が第一作のプロットになったと説明した[15]。これは大島が飛行機のノーズアートの画集を持っていたことに由来しており、この背景設定に関連して、ソニックのロゴにはパイロットの翼のエンブレムが描かれた[16][15]

ソニックのキャラクター性には、プログラマーである中裕司が作成したドット・マトリックスを用いて曲線状を滑らかに移動するスプライトを表現できるアルゴリズムのデモ版も関わっている。

中の試作版はボールの中に入ったキャラクターが長く曲がりくねったチューブの中を素早く転がって移動する内容のプラットフォームゲームであり、このコンセプトは大島のキャラクターデザインと、安原のたてたレベル設計と結びついた[22]

また、ソニックが泳げないという設定は、中がハリネズミは泳げないものだと考えていたことに由来する[23]

初期案におけるソニックには牙があり、マドンナという人間の女性の恋人がいるという設定があったが、マデリーン・シュローダー率いるセガのアメリカ法人の開発チームから、アメリカのユーザーに受け入れてもらうにはこれらの設定を取り除くよう求められ[12]、一時は日本のソニックチームと熱い議論が繰り広げられた。最終的にアメリカ側の要求は受け入れられ、中はこの選択が一番良かったとのちに振り返っている[12]

誕生日はシリーズ第1作目『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の、世界で初めて発売された北米版の発売日である「6月23日」に設定されている。

第1作発売後、セガ社内にキャラクター部が立ち上げられ、キャラクター部と大島はソニックの正確な年齢や身体的特徴などの設定を記載したキャラクターマニュアルを制作した。このマニュアルにおけるソニックは背が低く、丸っこい体つきで、針が短かった。第1作の時点でのソニックの針はヒレのようだったが、マニュアル制作にあたり、牧野卓が立体モデルを作成し、その後その立体物を基本として針の表現を決定した。

メガドライブ版『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』では、2頭身から2.5頭身に変更された[24]


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