ソウル梨泰院雑踏事故
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ソウル梨泰院雑踏事故事故直前のハロウィンイベント中の群衆(2022年10月29日)
日付2022年10月29日
時間22時15分ごろ (KST)
場所 韓国 ソウル特別市龍山区梨泰院路173-7(梨泰院洞(朝鮮語版)119-3)
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯37度32分05.2秒 東経126度59分36.1秒 / 北緯37.534778度 東経126.993361度 / 37.534778; 126.993361座標: 北緯37度32分05.2秒 東経126度59分36.1秒 / 北緯37.534778度 東経126.993361度 / 37.534778; 126.993361
別名ソウル群集事故
ソウル転倒事故
梨泰院圧死事故
梨泰院群衆事故
原因不明(調査中)
死者158人[1]+1[2]
負傷者196人[1]?1[2]
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現場

梨泰院群衆事故
各種表記
ハングル:??? ?? ??
漢字:梨泰院壓死事故
発音:イテウォナプササゴ
日本語読み:りたいいんあっしじこ
RR式:itaewon absa sago
MR式:it’aew?n apsa sago
英語表記:Itaewon stampede
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ソウル梨泰院雑踏事故(ソウルイテウォンざっとうじこ)は、2022年10月29日の夜に韓国の首都・ソウル特別市の繁華街・梨泰院ハロウィン時季の混雑の中で発生した群衆雪崩による事故[3]。2023年1月3日時点の行政安全部の統計上では、事故生還後の2022年12月13日に自殺した1人も含めて159人が死亡している[2][4]

日本マスメディアは、「ソウル雑踏事故」「ソウル群集事故」「イテウォン転倒事故」などとも呼称している[5][6][7][8]。韓国では、梨泰院圧死事故(ハングル: ??? ?? ??)もしくは梨泰院惨事(ハングル: ??? ??)などと呼ばれている。
背景

梨泰院は、ナイトクラブバーなどが立ち並ぶ韓国では屈指の繁華街であり、日本の渋谷と同様にハロウィンの時期に仮装した若者が多く訪れる場所として有名である。ドラマ『梨泰院クラス』の舞台であり、ドラマ上でもハロウィンが描かれている[9]。事故当日はハロウィンを翌々日に控え、また新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の流行を受けた規制が3年ぶりに解除されたことから、周辺には10万人以上が訪れ、複数のパーティーが行われていた[10][11]。最寄りのソウル交通公社6号線梨泰院駅では事故当日に下車した客が8万人を超え、前年の2.6倍、COVID-19流行以前の2017 - 2019年に比べても約2万人多い状態だった[12][13]

韓国の法令では、大人数イベントの主催者には安全管理や安全対策計画の提出が義務づけられているが、ハロウィン自体に主催者はおらず、各店舗が個別に小規模のイベントを開く状況だったため、法令に基づいて安全管理を命じるべき民間事業者はいなかった[14]。地元警察署は群衆事故の発生を懸念していたが、その懸念は事故当日の警備計画には反映されず、ソウル市内のほかの場所で行われたデモに約6,000人の警察官を派遣した一方で、梨泰院には130人ほどしか派遣していなかった[15]。梨泰院を管轄する龍山区では、ハロウィンに関する対策会議を開いていたものの、事故を想定した安全管理対策が議論された記録は無い。区は職員を現場付近に派遣していたものの、人数が足りず、十分な対応ができなかったとしている。警備の方法についても、拡声器を用いて警告するばかりで、具体的な指示などが無かった点を指摘する意見や、さらにはハロウィンということもあり、「多くの人が警察官に仮装してさらに紛らわしかった」と証言する声もあり、規制緩和とハロウィンによる大規模な混雑を予見できず、当局による警備体制が不十分であったと指摘されている[16][17]
発生梨泰院での事故を受けて動員された警察と消防。被害者の救助の為に消防士507人、警察官1371人を含む合計2692人が動員された[18]ソウル広場での合同焼香所。事故後に撮影された事故現場の様子。狭い路地(最小幅員3.2メートル)であることが分かる。

現場は幹線道路に沿う梨泰院駅の1番出口付近から、ハミルトンホテルの西側を通り、「世界料理街」の丁字路へと南北につながる幅3.2メートル、長さ40メートル、傾斜度10%[19]の狭い坂で10月29日の事故当時、駅から世界料理街に向かう人と世界料理街から駅に向かう人がひしめき合っていた[20]。数千人の人波があり、周辺も含めれば数万人が集まっていたとみられる。事故の約1時間前には、周辺は身動きの取れないほどの大混雑となっていた[21]

目撃者の証言によると22時15分ごろ、突然、坂の上の方から次々と折り重なるように人々が倒れたと見られる。人々は押され、坂の中ほどから少し上の部分の延長5.7 m、幅員3.2 m の面積18.24 m2内の人々が特に強い圧迫を受け、結果、300人以上が折り重なり、多数が呼吸困難に陥った[22][23]。1m2あたり17人がいた計算となる。同じ頃、多数の人が倒れているという事故の通報が消防当局に入った[24][25][8][16]。現場にいた人は「みんなで『押さないで』と大きな掛け声をあげたが突然、悲鳴に変わった」「5、6人が折り重なっていた」などと証言している。発生から1時間で消防には「十数人が下敷きになっている」などの通報がおよそ80件寄せられた[8]

専門家によれば、群集雪崩に巻き込まれた人々が胸や腹を強く圧迫され、立ったまま意識を失い死亡した、あるいは長時間にわたり圧迫され、呼吸や血液の循環不全を起こす人がいた可能性が指摘されている[26]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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