ゼロ・グラビティ_(映画)
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ゼロ・グラビティ
Gravity

監督アルフォンソ・キュアロン
脚本アルフォンソ・キュアロン
ホナス・キュアロン
製作アルフォンソ・キュアロン
デヴィッド・ハイマン
製作総指揮スティーヴン・ジョーンズ
出演者サンドラ・ブロック
ジョージ・クルーニー
音楽スティーヴン・プライス
撮影エマニュエル・ルベツキ
編集マーク・サンガー
アルフォンソ・キュアロン
製作会社ワーナー・ブラザース
ヘイデイ・フィルムズ
エスペラント・フィルモ(英語版)
配給ワーナー・ブラザース
公開 2013年8月28日(VIFF
2013年10月4日
2013年12月13日
上映時間91分
製作国 アメリカ合衆国
イギリス
言語英語
製作費$100,000,000[1]
興行収入$274,092,705[1]
$723,192,705[1]
32.3億円[2]
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『ゼロ・グラビティ』(原題:Gravity)は、アルフォンソ・キュアロン監督による2013年に公開された、宇宙を舞台にしたSF・ヒューマン・サスペンス映画である。同年8月27日より開催される第70回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品に選ばれた[3]
あらすじ[ソースを編集]

医療技師を務めるライアン・ストーン博士は、スペースミッションに初めて参加する。指揮を務めるマット・コワルスキー、シャリフとともに、彼女が宇宙空間での船外活動宇宙遊泳)を行うところから映画は幕を開ける。

スペースシャトル「エクスプローラー号」にてハッブル宇宙望遠鏡の修理作業を行うライアンとシャリフ、彼らの傍らで新型の船外活動ユニットのテストを行っていたマットに、ヒューストン管制から、膨大な量の宇宙ゴミが高速で接近しているため船内に避難するよう、緊急連絡が来る。ロシアが自国の人工衛星を破壊したところ、他の人工衛星も連鎖的に破壊され宇宙ゴミとして拡散するケスラーシンドロームが発生したのだ。ライアンらは作業を中断して退避しようとするが間に合わず、「エクスプローラー号」の主翼に宇宙ゴミが衝突する。シャリフは顔面に宇宙ゴミが直撃して即死し、ライアンとマットは2人とも宇宙空間に投げ出される。船外活動ユニットを装備していないライアンは錐揉み状態になって現在位置を特定できなくなり、パニック状態による過呼吸宇宙服酸素も少なくなる。だが、マットは的確な指示を出し続け、船外活動ユニットを駆使してライアンをロープで自分の身体に繋ぎ止めることに成功する。

ヒューストンに無線通信で連絡する2人だが、同軌道上の通信衛星も破壊され、応答がない。めげずに連絡を続けつつ、死亡したシャリフの遺体を回収し「エクスプローラー号」へ帰還するも、コックピットや居住区画も大破し、宇宙服を着用していなかった他の乗組員は全員死亡。遺体が無重力で漂っている有様であった。2人は「エクスプローラー号を諦め、マットの船外活動ユニットを利用してISS(国際宇宙ステーション)に向かう。コワルスキーは、デブリフィールドが軌道を一周して再び脅威となるまでの時間は90分と見積もる。

ライアンの宇宙服の酸素が引き続き減っていくなか、マットはライアンを励ますために家族の話をするが、娘は4歳のときに幼稚園で事故死したとライアンは答える。気まずい雰囲気を抱えながらもISSに接近する2人だが、ISSも破損しており、地球へ帰還するためのソユーズ宇宙船は1機が離脱済みで、残る1機も損傷でパラシュートが開いている。マットは、残ったソユーズ宇宙船を利用して約100km離れた中国の宇宙ステーション「天宮」へ向かう旨を提案し、ISSに取り付こうとする。しかし、マットの船外活動ユニットは直前で燃料切れを起こし、二人はほとんど減速できずにISSに衝突、反動で宇宙空間に放り出される。かろうじてパラシュートのワイヤーがライアンの脚に引っかかり、マットに繋がっているロープを掴む。しかしワイヤーは今にもライアンの脚から外れそうで、とても2人を支えられそうにない。それを覚ったマットはライアンだけでも助けるためにロープを離すよう指示し、反対を押し切ってロープのフックを外す。マットは宇宙空間の深遠に漂流するあいだ、通信が途切れるまでライアンに語りかける。マットの犠牲により、ライアンはひとりISSに引き戻されることとなる。

意識が朦朧としながらもライアンはISSの居住区画に入り一息つくが、しばらくしてISSの一角で火災が発生し、必死の消火活動も虚しく炎が燃え広がる。ソユーズに退避して隔壁を閉鎖し事なきを得たライアンは、ソユーズをISSから離脱させるが、開いていたパラシュートのワイヤーがISSに絡まり、うまく離脱できない。船外に出てパラシュートを外すライアンだが、軌道を周回した膨大な量の宇宙ゴミが再び高速で接近し、ISSを大破させる。

どうにか船内に戻ったライアンはソユーズを発進させようとするが、姿勢制御で燃料を使い果たしたためエンジンが作動しない。AM無線で救助を求めると、地球の電波が拾われ、イヌーク族の人物と繋がる。無線から聞こえる赤ん坊をあやす声で死別した娘を思い出したライアンは、彼女がいるであろう死後の世界に思いを馳せ、死を覚悟して船内の酸素供給を止めて目をつぶる(短編作品『Aningaaq』(アニンガ)では、地球側から見たこの場面が描かれている[4])。

突然、ソユーズの窓を外からノックする音が聞こえ、ライアンが目を覚ますと、そこにマットの姿があった。マットは船内に入ると酸素供給を再開させ、希望を捨てないようライアンを諭し、着陸時の逆噴射装置を利用して「天宮」までの推進力とするよう助言する。しかしライアンが再び目を開けると、そこにマットはいない。幻だったのだ。ライアンは酸素供給を再開させ、彼の助言通りに着陸船を分離、逆噴射エンジンを作動させて着陸船を「天宮」に向かわせる。

「天宮」は高度を落としつつあり、ソユーズ着陸船は「天宮」へのドッキングを失敗する。ライアンはソユーズを出て、消火器を臨時のスラスターとして使い、急速に崩壊していく「天宮」に到着、宇宙船「神舟」に乗り込む。中国語表記のコンソールに苦労しつつも、「神舟」の起動に成功する。「天宮」は「神舟」とともに落下し、大気圏突入で分解して「神舟」は切り離される。ライアンはマットや死別した娘に祈りを捧げながらも、ソユーズの酸素供給を止めたときとは違う、生きるための覚悟を決める。

「神舟」の着陸船分離もどうにか間に合い、パラシュートが無事に開いて湖に着水する。大気圏突入時の衝撃でコンソールから出火したことに焦ったライアンがハッチを開き、「神舟」は浸水して沈没しはじめ、ライアンは水中へ脱出する。ライアンは宇宙服を脱ぎ捨て、泳いで陸に到着。地球の重力(Gravity)を存分に感じながら立ち上がるところで物語は終わる。
キャスト[ソースを編集]

ライアン・ストーン - サンドラ・ブロック(日本語吹替:深見梨加
女性博士。医療用品の開発に関わっている。娘がいたが事故で亡くした。

マット・コワルスキー - ジョージ・クルーニー(日本語吹替:小山力也
宇宙飛行士。ベテランの域に達した熟練者。明るい性格。

ミッション・コントロール(声のみ) - エド・ハリス(日本語吹替:岩崎ひろし
NASAの管制官。ヒューストンから指示を出す。マットとも親しい仲。

アニンガ(声のみ) - オルト・イグナチウッセン(日本語吹替なし、原語流用)
ライアンが偶然交信した相手。

シャリフ(声のみ) - ファルダット・シャーマ(英語版)(日本語吹替:河本邦弘
宇宙飛行士。マットによるとハーバード大学卒。家族の写真を持っており、妻子がいたことが示唆されている。

シャトル船長(声のみ) - エイミー・ウォレン(日本語吹替:合田絵利


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