『セーラーファイト!』は、1993年から1996年まで中京テレビの深夜番組『今甦る!昭和ヒーロー列伝』内で放送されていた特撮作品。全22話。
番組のディレクター兼司会を務めていた喜井竜児
の監督作品で、昭和40年代 - 50年代の特撮へのオマージュとなっている。1997年には続編のオリジナルビデオ『セーラーファイト!甦るマルサン怪獣帝国』をリリース、2003年12月20日には続編ドラマ『セーラーファイト!2003』が放送されている。
2004年2月6日には過去作品をすべて収録した『セーラーファイト!コンプリートDVD』が発売されている。ジャケットイラストは開田裕治が担当。
2014年には誕生20周年記念として公式サイトを設置し、また全22話(「マルサン帝国」「2003」を除く)がYouTubeを通じて無料公開、さらに新作WEB版の製作を発表し、同年9月から翌2015年4月まで、全8話が月ー公開された。
また、その続編が劇場版として引き続き制作され、同年10月に東京・大阪・名古屋の3ヶ所で公開された。 『今甦る!昭和ヒーロー列伝』は90分枠で昭和時代の特撮ヒーロー番組を3話放送する番組だったが、元の番組は各話24分程度なので、CMの時間を含めても10分程度の時間が余ってしまう。当初はディレクターである喜井のトークで穴埋めをしていたが、『トリプルファイター』を取り上げた際に「こんなんだったら僕らでも撮れるよね」と思い立ったことから企画が始まった。そのため、『今甦る!昭和ヒーロー列伝』で放送された初期シリーズはオープニングテーマも含めて1話4分程度の超短編である。出演者は、『今甦る!昭和ヒーロー列伝』のスタッフと番組内で行った募集に応募してきた一般視聴者。名古屋のローカルテレビ局のみで見られるオリジナルヒーロー番組という点では後にブームになった「ローカルヒーロー」の走りともいえる。「ファイト!」というタイトルではあるが、喜井のインタビュー記事によると「アクションやると着ぐるみが痛むでしょ。痛んだ着ぐるみを補修する費用が捻出できないから、なるべく闘わないように闘わないようにしてたんです(笑)」とのことで、本格的なアクションシーンはほとんど無い。 登場人物たちのセリフは当初オールアフレコで、役者本人ではなく代々木アニメーション学院名古屋校の生徒が吹き替えで担当していた。のちにマミズ参謀、宇宙刑事ケンちゃん、マホ隊員、Dr.フージィが自身でアフレコするようになった。 なお、マミズ参謀役の真水稔生は、のちにスカウトされ、役者としてプロデビューしている。
解説
あらすじと放映リスト
地球防衛軍編
かつて昭和の時代、人類は地球防衛軍を組織し「花形スター」と呼ばれるほどの活躍を誇ったが、次々と出てくるヒーローたちによって怪獣や怪人たちが倒され、防衛軍の存在意義は危うくなり、日本支部は隊員数わずかに3名、基地もプレハブ倉庫という状態にまで追い込まれてしまう。そんな状況を見かねたマミズ参謀は、新兵器の配備を決定した。それが93式万能サポートロボット・セーラーファイターだったのだが……。
1 セーラーファイター登場!(1993年11月)
2 Dr.フージィの野望(1994年1月)
3 L.A.から来た男(1994年2月)
4 超兵器CX-1(1994年3月)
5 帰ってきたジョン(1994年4月)
6 さらばセーラーファイター(1994年5月)
さすらいのファイター編
オーバーホールにおける再組立時のミスにより、セーラーファイターは記憶喪失となって防衛軍基地には戻らず、何かを求めるかのように放浪してしまう。セーラーファイターの怪獣攻撃本能を利用してセーラーファイターの回収を試みる地球防衛軍だったが、新隊員Dr.フージィは密かにその妨害を始める。
7 恐怖のG細胞・前編(1994年7月)
8 恐怖のG細胞・後編(1994年8月)
9 死の星を逃れて(1994年9月)
10 心配性のお父さん(1994年10月)
11 発動! 怪獣攻撃命令(1994年11月)
12 麗しのサブマリーナ(1995年1月)
13 地球防衛13号作戦(1995年2月)
コスモバージョン編
怪獣ミドログロンとの戦いでオーバーヒートしたセーラーファイターは修復と改造を受け、コスモバージョンへのチェンジが可能となった。一方防衛軍をクビにされセーラーファイター破壊にさらなる執念を燃やすDr.フージィの前に、謎の侵略組織「ズーマ帝国」のジェネラル・マミーが協力を申し出るのだが……。
14 侵略帝国の挑戦状(1995年4月)
15 灼熱の火炎怪獣(1995年5月)
16 イド星人の限りなきチャレンジ魂(1995年6月)
17 酔いどれと天使(1995年7月)
猛攻!ズーマ帝国編
銀河系の平和を守る宇宙連邦警察から派遣された宇宙刑事ケンちゃんが、ズーマ帝国調査のため地球防衛軍に捜査協力を要請した。だがそれが元で、あらゆる誤解から自暴自棄となったマミズ参謀はジェネラル・マミーとして本格的な地球征服を計画。地球防衛軍に復職したDr.フージィに代わり、残忍な凶悪宇宙人となっていた「イド星人」と手を結んで本格的な攻撃を開始するのだが……。
18 宇宙刑事ケンちゃん(1995年9月)
19 就職するは我にあり(1995年10月)
20 恐れていたイド星人の動物園作戦(1995年11月)
21 史上最大の侵略作戦(1996年1月)
22 哀しみの自爆命令(1996年3月)
セーラーファイト!甦るマルサン怪獣帝国
突然防衛軍に「怪獣新聞」が届く。それは、かつてマルサンというおもちゃメーカーから発行されていた伝説の新聞である。そこには、人類を恨むトルトス海人が怪獣軍団を引き連れて地上に進攻すると予告されていた。その予告通り、マルサン怪獣軍団が続々と出現して人類の平和を脅かす。セーラーファイターをはじめとする地球防衛軍必死の抵抗もマルサン怪獣には歯が立たない。その時、人類の平和を守るために正義の超人・ウルトラエース(ウルトラマンAではない)が現れた。
セーラーファイト!2003
セーラーファイターは改修され、セーラーファイター1号(ノーマルタイプ)とセーラーファイター2号(コスモバージョン)の2体となった。そんな中、フジイ博士の一人娘・ウイは、仕事に忙しく家庭を顧みない母親を困らせるために、怪獣注射で怪獣ナルトンを作り出してしまう。
セーラーファイト!(新作WEB版)
地球防衛軍に新たに配備されたセーラー服のアンドロイド「シズカ」は、S.F.P.S.(セーラー・ファイター・パートナー・システム)と呼ばれる通信機能付きヘルメットを装着した指揮官からの指示を受けセーラーファイター5号機に変身し怪獣と戦う。しかし、怪獣との戦いの中で「生命」の価値観に疑問を持ったシズカは突如戦いを拒否して逃亡してしまった。彼女の回収を目的にセーラーファイター8号機が出動するが……。
1 出撃! 怪獣撃滅少女(2014年9月20日)
2 セーラーファイター逃亡!(10月20日)
3 恐怖の植物怪獣ツタバラー(11月20日)
4 対決! 二人のセーラーファイター(12月20日)
5 Dr.カッシィの野望(2015年1月20日)
6 八号機、起動(2月20日)
7 激突! 二大怪獣(3月20日)
8 セーラーファイターよ永遠に(4月20日)