センリョウ
1. センリョウ(大阪府、2006年10月)
分類
センリョウ(千両[7]・仙蓼、学名: Sarcandra glabra)は、センリョウ科センリョウ属に属する常緑小低木の1種である。葉は対生し、葉縁には鋭い鋸歯がある(図1)。花は極めて単純であり、1個の雌しべと1個の雄しべだけからなる。冬に赤く美しい果実をつけるため(図1)栽培され、また正月の飾りに使われる。名前や形が似ていて、同じく冬に赤い果実をつけるマンリョウ(万両; サクラソウ科)と対比されるが、両者は遠縁である[7]。赤い果実をサンゴに見立てて、クササンゴ(草珊瑚)とよばれることもある。果実が黄色い品種もあり、キミノセンリョウと呼ばれている。日本を含む東アジアから東南アジア、南アジアに分布する。 江戸時代に書かれた生け花の伝書『立花大全』(1683年)や、草木の種類や栽培法を記した『花壇地錦抄』(1695年)では、「仙蓼(せんりゃう)」と表記されている[3]。また花を、四季の順や分類などに従って記録した図譜『花譜』(1694年)では「珊瑚(さんご)」と記している[3]。江戸時代後期に、同じく赤い実を多数つけるマンリョウ(万両; サクラソウ科)と対比した縁起物として、「千両」の字を充てるようになった[3]。センリョウの現代の別名として、クササンゴ(草珊瑚)とよばれることもあり、常緑性で茎も緑色で節が目立つところからついた名前だと考えられている[8]。 同様に赤い実をつける植物の中には、「百両」(カラタチバナ; サクラソウ科)、「十両」(ヤブコウジ; サクラソウ科)、「一両」(アリドオシ; アカネ科)の名でよばれるものもいる[6]。また、紛らわしいことにセンリョウの別名に「マンリョウ」があり、マンリョウの別名に「センリョウ」がある上、サクラソウ科にはイズセンリョウ属が含まれていて、少し形が似ている[7]。 日本、韓国(済州島)、台湾、中国南部、南アジア(インド)、東南アジア、ニューギニアに分布する[1][9][8]。日本では本州(関東西南部、東海、紀伊半島)、四国、九州、南西諸島に生育するが、広く植栽されているため、自然分布域以北で見られることもある[9][2]。常緑広葉樹林の林床に群生している[9][10][11]。暖地の半日陰に生えている[12]。 常緑広葉樹の小低木であり、茎は直立してまばらに分枝し、高さは 50 - 150センチメートル (cm) 、直径は 1.5 cm、樹皮は平滑で緑色である[9][2][10]。 センリョウは被子植物でありながら維管束に道管を欠くとされ、被子植物の進化を考える上で注目される存在であるが[4][9]、後生木部や初期の二次木部からは道管(穿孔をもつ)が報告されている[13]。またセンリョウ科の他の種は、道管をもつ[13]。節はやや膨らんでいる[9](下図2a)。 葉は対生し、革質で光沢があり、葉身は長楕円形から卵状楕円形、2 - 20 × 1 - 8 cm、表裏とも無毛、先端は鋭く尖り、基部はくさび形、葉縁には先が細く尖る鋸歯がある[9][2][10][11](下図2a, c, 32a)。
名称
分布と生育環境
特徴
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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