セントラル・ステーション
Central do Brasil
監督ヴァルテル・サレス
脚本ジョアン・エマヌエル・カルネイロ
『セントラル・ステーション』(ポルトガル語: Central do Brasil、英語: Central Station)は、1998年のブラジル・フランスのドラマ映画。監督はヴァルテル・サレス(ウォルター・サレス)、出演はフェルナンダ・モンテネグロとヴィニシウス・デ・オリヴェイラ(ポルトガル語版)など。手紙の代筆業を営む女性と、母親を交通事故で亡くし、会ったことのない父親を捜す少年の交流を描いている。
シナリオが1996年にサンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞して制作された映画で、1998年の第48回ベルリン国際映画祭で金熊賞(最優秀作品賞)、銀熊賞(女優賞)及びエキュメニカル審査員特別賞を受賞した。また、アメリカ合衆国では第56回ゴールデングローブ賞で最優秀外国語映画賞を受賞し、主演のフェルナンダ・モンテネグロが1998年の第71回アカデミー賞でアカデミー主演女優賞にノミネートされるなど、各国で高い評価を得た。 かつて教師をしていたドーラは、今はリオデジャネイロの中央駅で代筆業を営んでいる。字の書けない人のために手紙を書くのが彼女の仕事だが、次第に何の感情も持たないようになり、その手紙を実際に出すことはほとんどなくなっていた。 ある日、一人の女性が夫宛の手紙を頼みに来た。しかしその女性アンナは直後に交通事故で死亡し、9歳の少年が残される。ドーラはその少年ジョズエを養子縁組斡旋所に渡すが、そこが臓器売買組織だと知って慌てて連れ戻すと、ジョズエを連れて住所を頼りに彼の父親ジャズースを捜す旅に出る。 ところが、この事態に及んでもドーラとジョズエは互いになかなか打ち解けず、行き違いから2人は一文無しとなってしまう。そんな2人を偶然出会った親切なトラック運転手のセザールが助けてくれる。3人で楽しく旅を続けるが、ドーラがセザールに恋愛感情を抱くようになり、その想いを露わにしたことから、セザールは2人を残して去ってしまう。 なんとか目的の住所に辿り着いた2人だったが、その家には既に別の家族が住んでおり、ジャズースは別の町に越していたことがわかる。金もなく、途方に暮れる2人だったが、ジョズエの機転でドーラが手紙の代筆の商売を始めると、客が殺到し、2人は当座の資金を稼ぐとともに2人の仲は一気に縮まる。 ジャズースの引っ越し先を訪ねた2人は、彼が蒸発したまま戻ってきていないことを知る。ドーラはジョズエを連れてリオデジャネイロに帰ろうとするが、そこにジャズースの息子イザイアスを名乗る青年が現れ、弟モイゼズと2人で暮らす家にドーラとジョズエを招く。しかし、ジョズエは咄嗟にジェラルドと名乗り、イザイアスとモイゼズの異母弟であることを隠す。ドーラとジョズエは子供好きで優しい兄弟とすぐに打ち解ける。
ストーリー